プロがおすすめするオンライン学習サービス5選

——リスキリンングするためのオンライン学習サービスはたくさんありますが、その中でもおすすめのサービスをいくつか教えてください。

Udemy(ユーデミー)

Screenshot: Udemy
Screenshot: Udemy

まずは日本でもよく知られているオンライン学習サービスから。

Udemyは、いわゆるマーケットプレイス。教えたい人と学びたい人の両方が参加できるオンライン教育プラットフォームです。

誰もが講師になれるというのも特徴の1つで、初心者向けから上級者向けまで幅広く講座が提供されています。ジャンルも多岐に渡りますが、IT・ソフトウェアなどデジタル系の講座が強く、最近はビジネス系も拡充されてきています。

Udemyはアメリカで生まれ、日本ではベネッセコーポレーションが事業パートナーとなり国内展開しています。日本向けのローカライズもきちんとできているので、講座の豊富さや使い勝手に関して不便はありません。

また、個人向けではありませんが、法人向けに企業内研修などに役立つ講座をまとめた「Udemy Business」というサービスもあります(現在、20名以上から利用可能)。

OpenClassrooms(オープンクラスルーム)

Screenshot: OpenClassrooms
Screenshot: OpenClassrooms

海外から来たサービスでもう1つおすすめは、フランス発の欧州最大のオンライン教育プラットフォームOpenClassroomsです。

ここの特徴は、オンラインでコースを受けるにあたって、講師が直接1on1で伴走してくれるメンターシップがあるところです。この制度が画期的だと評価されています。

また、働きながら学んでいく機会を提供するワークラーン採用と呼ばれるアプレンティスシップ制度も用意されています。たとえば、異業種であってもデジタルの知識を身につけることができるんです。

OpenClassroomsが日本に進出したのは2021年。DAS株式会社と電通グループが、日本進出のパートナーと支援を行っています。

General Assembly(ジェネラル・アセンブリー)

Screenshot: General Assembly
Screenshot: General Assembly

海外からのサービスで新たに注目されているのがGeneral Assemblyです。アメリカで創業し、本国では対面型講座をオンライン・リアルで提供する有名どころの一角です。

ここの強みはオンライン講座と実際の箱型の研修の組み合わせ。これにより脱落率が非常に低く、満足度が高いと好評です。講座は、デジタル分野のスキル習得に特化しています。

日本向けには、2023年2月16日に東京の虎ノ門ヒルズフォーラムでキックオフイベントが開催されたばかり。日本においてはこれからですが、今後、台風の目になる可能性は秘めていそうです。

私自身も2019年より注目しており、「ついに日本へ進出するのか」と期待しているところです。日本進出の代行はアンカースター株式会社が務め、日本企業のパートナーとして森ビルが展開しています。

GLOBIS(グロービス)学び放題

Screenshot: GLOBIS学び放題
Screenshot: GLOBIS学び放題

次は、日本ではお馴染みのGLOBIS学び放題

リーダーシップ、クリティカルシンキング、アントレプレナーシップなど、いわゆるMBAのコア科目になるようなビジネススキルが手軽に学べるオンライン動画サービスです。

まず前提としてリスキリングに必要なスキルには、ソフトスキルとハードスキルがあります。ソフトスキルとは、コミュニケーション・リーダーシップ・チームワーク・クリティカルシンキングなど。この上に、プログラミング言語・外国語・国家資格などのハードスキルがあります。

ここのソフトスキル、いわゆる一般的なビジネススキルを身につけることにおいて、GLOBIS学び放題には強みがあります

ハードスキルを学ぶ前に、まずはソフトスキルを身に付けたいという方にとってはおすすめのサービスです。

Schoo(スクー)

Screenshot: Schoo
Screenshot: Schoo

Schooも、日本の素晴らしいサービスのひとつです。

ここの面白いところは、硬派な内容のものから柔らかいものまで、幅広い講座があるというところです。たとえば『エンジニアが非エンジニアに学んでほしいこと』『クリエイターのための「はじめての確定申告」』『私たちはいつまで「うな丼」を食べられるのか』など。こうした講座が連日配信されているのです。

私ごとですが、自分も『持続可能社会をつくるグリーン・リスキリング入門』という講座を、先日より持たせてもらっています。

Schooは、時間割に沿って行われるライブ配信の視聴は無料で、アーカイブの視聴が有料会員向けとなっています。

オンライン学習サービスは、ほかにもたくさん!

オンライン学習サービスは、挙げていくとほかにもたくさんあります。

女性の学習支援に特化しているWaris(ワリス)、Googleが提供しているデジタル分野に特化したGrow with Google、英語ができるなら最新スキルに関する講座提供が早いLinkedInラーニングなど。

自分が学びたいテーマの講座があるかどうかで、まずは探してみると良いでしょう。


オンライン学習におけるメリット・注意点や最新の動向、そしておすすめサービスの徹底比較を語ってくれた後藤さん。

後編では、いま学ぶべきスキルや、リスキリングを続けていくために大切なことなどを伺います。

まとめ:リスキリングにオンライン学習を利用するメリットと注意点、各サービスの特徴

  • オンライン学習は好きな時間に好きな場所で自由に学べるのが最大の魅力。しかし一方でドロップアウトしやすいというデメリットも。
  • 近年は、日時を決めて複数人で行なう『CBCs(Cohort-Based Courses)』や、オンライン講座とリアルのディスカッション・グループワークを合わせた『ハイブリッドラーニング』なども存在する。
  • IT・ソフトウェアなどデジタル系の講座が幅広く揃うUdemy、講師と1on1できるメンターシップがあるOpenClassrooms、一般的なビジネススキルが学べるGLOBIS学び放題、さまざまな講座が連日配信されているSchooなど、それぞれの特徴・強みを参考に学習サービスを選ぶのがおすすめ。

後藤 宗明(ごとう むねあき)

後藤 宗明(ごとう むねあき)

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事/SkyHive Technologies日本代表

自身のリスキリング経験を活かし、現在は日本全国にリスキリングの成果をもたらすべく、政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行なう。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

なぜ、20代・30代でも「リスキリング」を知っておくべきなのか?重要な武器になる理由 | ライフハッカー・ジャパン

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▼後編はこちら

リスキリングは「ビジネスパーソンの生存戦略」。時代が求めるスキルとマインドセットとは | ライフハッカー・ジャパン

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Source: 一般社団法人 ジャパン・リスキリング・イニシアチブ, Amazon, Udemy, OpenClassrooms, General Assembly, GLOBIS学び放題, Schoo(1, 2), Waris, Grow with Google, LinkedInラーニング

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