レイオフ(解雇)に直面したら、こちら側にできることはほとんどありません。

いざ面接の場で、前職を解雇されたことについて話すときがきたら、どうすべきでしょうか?

履歴書の職歴に空白期間があれば、面接の場で、その理由を説明するよう求められる可能性はかなり高いでしょう。ですから面接を受ける側としては、前もって準備を整えておくのがベストな方法です。

そこで私は、キャリアコーチのToni Frana氏に、求職活動中の人が、前職で解雇された体験についてどう表現するべきかヒントを聞きました。Frana氏は、FlexJobsでリード・キャリア・エキスパートを、Remote.coではチーム・リードを務めています。

準備を整え、あくまで前向きに

解雇された体験については、大きな視点から見ることが役に立つと、Frana氏はアドバイスします。

解雇は、あらゆる業界で普通に起きることです

採用担当の管理職も、応募してきた人が前職でクビになっていたとしても、その人の能力が低いとは限らないことを理解しているはずです。ですから応募者側にとっては、オープンに、ストレートに話すことがベストな対応でしょう。

言い訳をしたり、状況を取りつくろったりする必要はありません」とFrana氏は言います。

そしてFrana氏は、さらに良い作戦がある、としてこう勧めます。

解雇されたのは、これまでの自分の仕事ぶりのせいではなく、大きなビジネス上の決断によるものだったと、それとなく伝えると良いでしょう。事実を明確に述べ、自分は新しいチャンスに期待していることを説明し、前に進むのです。

では、具体的には、解雇された体験をどう表現したらいいのでしょうか?

Frana氏は「この人は有能だな」と感じさせる応募者の話し方として、以下のような回答例を挙げてくれました。

はい、私は前の勤務先で解雇対象となりました。この会社が、より持続可能なビジネスモデルを構築するために規模を縮小したというニュースを、面接官もご覧になったのではと思います。

残念ながら、私が所属していた部署は、完全に廃止されてしまいました。確かに残念に思いましたが、この会社が置かれた事業環境を反映した判断だったということは、私もわかっています。今はむしろ、これをチャンスだと捉え、貴社のような組織で、自分の能力を生かせる新しい役割を得られればと思っています

もちろん、具体的な部分はその時の状況によって異なるでしょうが、どんな表現で語るにせよ、面接の前に想定問答を書きとめておきましょう。そうすれば、ぶっつけ本番で臨んでしまって、いい表現が浮かんでこない、という事態は避けられるでしょう。

前職での体験を、前向きに捉えるよう努める

前の仕事をクビになった理由を説明することに、心理的ストレスを感じるのは当然です。それでも、面接の前に、予想される質問にどう答えるかを考え、答え方を練習しておけば、気持ちは少し楽になるはずです。

解雇された体験について語ったあとは、「面接の話題を、求職者としての自分が貢献できるポイントに戻す」のが良い、とFrana氏はアドバイスします。

それでもプレッシャーを感じるなら、「解雇されたことは、自分のキャリア全体の中では、ごく短い一部分にすぎない」と考えてみてください。

さらにFrana氏は、苦い終幕を迎えたとしても、「前の会社で働いていた間に、幅広い経験やスキルを得た可能性もあるはずです」と指摘します。こうした考え方に沿って、前職での体験を新たな枠組みで捉え直せば、以下のように前向きに表現することもできるのではないでしょうか。

このような形で終わったとはいえ、(前職での)日々を、今でもありがたく思っています。そして今の状況を、新たな挑戦やチャンスを得られる機会だと捉えています。

うまくいかなかった体験についてクドクド話すよりも、考え方の枠組みを変え、前向きなトーンを加えることで、キャリア全体に視点を移すことができると、Frana氏は指摘します。

解雇について聞かれなければ、話す必要はない

最後に、直近の仕事を辞めた理由について、面接官から直接の質問がない場合は、こちらからその話題を持ち出す必要はありません。Frana氏も、なぜ前の仕事を辞めたのか、その情報を明かす義務はないと強調していました。

とはいえ、「この話題が出ませんように」とひたすら期待するのは、得策とは言えません。求職者に対して、前の会社を辞めた理由を尋ねるのは、面接では定番の質問です。ですから、面接を受ける側も準備を整えておきましょう。

「この質問を投げかけられた時は、正直に、はっきりと、包み隠さず、自分が解雇された理由を説明するのが肝心です」とFrana氏は強調します。

結局のところ、面接する側も、解雇される理由がその人にあるとは限らないことをわかっていますし、求職者をこてんぱんにやっつけようとしているわけではありません。自信ある態度を保ちながら面接官の質問に答えて、面接を粛々と進めましょう。

Source: Remote.co, FlexJobs