仕事に対して皆が公正に支払いを受けるべきだという考え方は自明のことですが、個人として支払いの透明性に向かって実際に前進し、「同一労働同一賃金」を確保するにはどうすればいいのでしょうか。

最後のオファーをもらったときにどのように報酬パッケージが組み立てられたのかについて、詳細を正確に知ることはおそらくないでしょう。

報酬パッケージは標準化されていたのでしょうか、あるいは面接の過程で口にした数字に基づいているのでしょうか。数字について議論しているときに不公正な判断が入り込んだのでしょうか、あるいは明示したスキルと経験に純粋に基づいて決定されたのでしょうか。

どちらにしても、会社が不公正な支払いをしている場合には、この情報を隠すことが特に大事になります。

隣で働いている同僚がどのくらいの支払いを受けているのかについてもっと知るようになるまでは、職場がどんな泥船なのかを認識することは難しいでしょう。

それが分かるようになる唯一の方法は、お互いに話すことです。

同僚と同じ額を稼いでいないのは比較的普通のことです。多くの場合、業務の特定分野での経験や専門知識のレベルが多少は違うからです。その場合は心配の種はありません(とりあえずこの特定分野では)。

仕事内容でばらつきが見られるのは普通ですが、これらについて話し合うことである傾向に気づいたり、あるいは差が著しい場合には調査する価値があるかもしれません。

はじめは難しいかもしれませんが、同僚と会話することが支払いの透明性を達成するうえで大きな一歩となることもあります。

そして、傾向を特定して行動をとる準備はできたけれども、どこからはじめたらいいか分からない場合、私個人の労働ロールモデルと頼りになるリソースである猫のジョーツに連絡してください(まじめに言っていますが、ジョーツは労働者の権利と賃金についてとても考え深い重要なアドバイスをくれます。それに加えて、ジョーツは心温まる生い立ちを持った愛嬌のある猫です)。

こういう会話は「不適切」あるいは「素人臭い」という衝動に打ち勝つ

お金について話すのはタブーであり、見苦しくて素人臭いという考え方は非常に根深いものですが、それが正しい場合も確かにあります(例えば、新車の値段を鼻にかけたり、他人の金銭的状況を物笑いの種にしたり)。

でも、支払いの透明性や誰もが生活できる賃金の支払いを確保することに関しては、素人臭さは関係ありません。賃金について議論するのは、保護されている権利です

むしろ素人臭いのは、会社が不公正な支払いを受けている人の認識が欠如しているときに付けこんでいる場合です。

それが怖いとか気まずくて職場ではできないと感じられるのなら、少人数ではじめましょう。支払いの透明性という話題を信頼できる仲間、友人、その他の人に提起するのです。

一緒に仕事をしている関係でなくても、これは価値のある会話になるでしょうし、生活の不安を感じずに(少なくともあまり感じずに)、このような会話やお金に関する話に慣れていくことでしょう。

給与の本題に入る前に、人間関係を構築する

給与の支払いについて話すのは、全く妥当で合法であることが分かったとしても、やはり気まずいものですよね。

それが最初の会話であるにもかかわらず、突然仕事でいくら稼いでいるのかなど非常に立ち入った質問をしたら、それは気まずくなるでしょう。

ですから、給与についての質問から会話をはじめるのではなく、まずはその同僚との関係や信頼の構築に集中しましょう。お互いに仕事での満足度、職場環境や希望について確認するのです。

そうすれば、給与の支払いについての会話もいつの間にか自然に話せるようになるだけでなく、職場に気遣って支え合う人間関係も構築されます。

話すことが重要だと考える理由を説明する

話すときも、「いくら稼いでいるの?」と真正面から迫るのではなく、それが気にかかっている背景から説明するといいでしょう。

相手が身構えるのは当然です。本当のことを言ったら物笑いの種にする気かよ、と思うでしょう。自分の正体をこっそり知ろうとしているのかよ、と思うでしょう。

ざっくばらんにこの話題が自分にとって大事である理由を話せば、気軽に話に加わるようになるでしょうし、みんなのことを気にかけているからこそ尋ねているのだと納得します。

以下は話のポイントをすべて網羅しているわけではありませんが、友人や私が会話を円滑にするために使ういくつかの取っ掛かりをご紹介します。

  • 「同じ仕事をしている人が違う額の給与を支払われている場面について耳にしました。その理由が以前はもっと少ない額しか払われていない人がいたとか、ただ交渉しようとしなかったとかで。こんなこと、勘弁してほしいですよね。そんなことがもし起きたら、私は解決したいです」
  • 「同じような仕事をしているなら、同じような額の支払いを受けるべきではないですか。私にとっては誰も食い物にされないことが重要なのです」
  • 「手ごわいのは分かっていますが、給与の支払いの透明性が私には本当に大切なんです。そうなれば、公正に支払いを受けていることが分かるじゃないですか。交渉しなかったり差別があったりするせいでみんなの稼ぎが少ないなんて嫌ですよ」
  • 「お金がやっかいな話題であることは分かっていますが、だからこそ話をすることが重要ではないでしょうか。会社は私たちがこのことについて話さないのをいいことに、公正な支払いをしようとしないんですよ。私には、会社の重役が夏の別荘をもう一軒買えるかどうかより、私たちみたいな人間が生活できる賃金を稼げるかが重要なんです」

できることなら自分の給与の情報をまず共有する

その場にいる人全員がこんな情報を共有できるとは言いませんが、できることなら最初に自分の給与の情報を共有すれば、みんなが気楽にこういう会話に参加できるようになるでしょう。

自分の給与を共有すれば、会話のボールは相手の手に移動し、気まずいけれど大事な情報を進んで共有しようとしていると示すことになるのです。

「私は明らかにしたのだから、今度はあなたが明らかにする番だ」という風には考えないでください。むしろ、自分は同じ仲間だということを示す申し出なのです。

また、昇給や昇進についての情報を共有することもできます。そうすれば、給与の差が実績やキャリアでの成長、あるいは会社の強欲と偏見に基づいているのかを理解するのに役立つでしょう。

Source: Twitter, NLRB