語学習得への道に横たわる大きな障害とは?

種田さんは50年以上も前から「これからはポリグロットの時代である。英語=世界語という方程式は、いまや無効になりかけている」とし、「英語プラス多国語の強み」を説いています。

ポリグロットとは「多言語に通じている人、多言語使用者」のことです。

一方で、語っているのがポリグロットへの道をはばむ1つの注意点。それは「名詞を覚えるのは得意でも、形容詞や動詞は嫌い」「会話は得意だけれど、読み書きは面倒」などのように、「語学が好きであればあるほど、好き嫌いが際立って激しくなる傾向がある」ということだそうです。

こういったアンバランスは、はじめから是正しておかないと、三年後、五年後になって、読み書きは自由なのに、ぜんぜん話ができない、といったような、変則的な結果が生まれてくることになる。これこそポリグロットへの道に横たわる大きな障害である

(『20ヵ国語ペラペラ 私の外国語学習法』168ページ)

望まれる、片寄りのしない勉強法――「これは結局、読解力と作文力の間の実力の差ができるだけ小さくなるような方法で勉強すること」と種田さん。

読解力の養成は、読み・書き・話し・聞きの四つの中でも、もっとも進歩が速い。作文力は、書きと話しの母体である。作文力がないのに会話ばかり練習していると、何年経ってもブロークンしか話せないのもあたりまえのことである。というのは、作文力こそ、正確な文法的知識に立脚するものだからである

(『20ヵ国語ペラペラ 私の外国語学習法』168ページ)

では種田さんは実際にどのようにして語学を習得してきたのでしょうか。本書5章には、種田さんが実践した29の体験的速修術が紹介されています。

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種田さんが実践した学習法、きほんの「き」
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