1969年に出版され、1973年に改訂版を刊行(実業之日本社)。さらに2022年5月に文庫化、半年後に第六刷の増刷(ちくま文庫)。
50年以上にわたって読み継がれているのは、のちにアメリカで通訳者・翻訳者として活躍した種田輝豊さんの著書『20ヵ国語ペラペラ 私の外国語学習法』です。
インターネットや語学学習アプリもなかった50年前に、30歳で20カ国語を独学でマスターした著者の英語学習法とは? 長い歳月を経ても古びることのない学習法と語学習得への執念とも言うべき熱意をご紹介します。
ラジオから聞こえた英語に胸をときめかせ
1938年に広島県で生まれた種田輝豊さん。戦時下の強制疎開で移住した北海道網走市で、中学生のときにラジオを通じて外国語にふれ、自身いわく「語学気狂い」となって外国語の習得に没頭しました。
高校時代には日米交換留学生として英語に磨きをかけ、フランス語、スウェーデン語、フィンランド語、ドイツ語、ロシア語、オランダ語、北京語、広東語を習得。
大学時代にはイタリア大使館で働きながら、イタリア語、デンマーク語、ノルウェー語、アイスランド語、ペルシャ語、トルコ語、スペイン語、ポルトガル語、ラテン語を学習。大学中退後も、チェコ語、インドネシア語、ルーマニア語、朝鮮語、アラビア語と学びの幅を広げていきます。
本書は、ただ語学習得のノウハウだけではなく、外国語との出会いや、高校時代に初めて英語の授業を受けたときのときめき、語学で生きていくと決心してから適職を見つけ、英字新聞社や通訳の現場で邁進していく様子も描かれています。