今は愛すべきテック製品たちも、いずれ必ず陳腐に感じられる日が来ます。とはいえ、やはり毎日使うガジェットは、短いよりは長くもってくれるほうがうれしいですよね。

しかし残念ながら、テック企業はたいてい「計画的陳腐化」の戦略をとっています。早めに新しい商品に買い替えてもらえるように、巧妙に仕組まれているのです。

しかしそれでは、地球にもお財布にもやさしくありません。地球のため、家計のため、さらにはあなたの気を確かに保つために、計画的陳腐化をハックして、電子機器をできるだけ長く使うように工夫してみましょう。

「計画的陳腐化」はビジネス戦略の1つ

所定の期日に電子機器が壊れるといった、シンプルなものではありません。計画的陳腐化とは、数年ごとに買い換えが発生するように製品を設計する、ビジネス戦略の1つです。

たとえば、新世代向けのソフトウェアが古いハードウェアとの互換性を持たず、約2年でスマートフォンの動作が遅くなるようなことです。

実際、新しいソフトウェアには新機能やファイル形式が追加されることが多く、既存のプログラムやハードウェアとの互換性がないか、あっても使いにくいようになっていることがよくあります。

もちろん、技術の進歩のために必要なものもあるでしょう。ただ、そうでない大半のものは、デバイスのアップグレードを促すための戦略にすぎません。

テック系大企業によって仕組まれた計画的陳腐化を前にして、私たちができることはあまりありません。企業とは、自社の利益を追求するものだからです。

それでも、意図的に短命化された電子機器に対抗するためのヒントが、まったくないわけではないのです。

キラキラとした新商品は、本当に自分が欲しいものなのか?

はじめに、あなた自身が陳腐化をどう定義しているか、いったん整理して認識を改めることが重要です。

強力なマーケティング戦略により、キラキラとした新商品が次々と私たちの目前に現れます。でも、ちょっと待って。それらのキラキラは、あなたのニーズに本当に合っていますか?

単純に、最新で最高のものを持ちたいという欲求を満たしたいだけなのでは? スタイルではなく、常に機能性を意識してください。

近年の目覚ましい技術発展により、スマートフォンやラップトップは、以前よりずっと長く使えるようになりました。

新しい機能が使えなかったり、多少動作が遅くなったりというデメリットはあるものの、お持ちのデバイスは、あなたやメーカーが考えている以上に長く使い続けられる可能性があるのです。

買い換えずにアップグレードで済むデバイスを選ぶ

新バージョンのガジェットを買い続けるのはやめて、簡単にアップグレードできる商品を買うようにしましょう。

たとえば次にラップトップを買うとき、軽くて洒落たモデルを買うのではなく、RAMやストレージをアップグレードできるものを検討してみてはいかがでしょう。

アップグレードできないデバイスがかつてないほど増えている今でも、カスタマイズ可能な選択肢は存在しています。

一方で、Appleのラップトップはカスタマイズが一切できません。今日買ったものは、いつになってもそのままです。そのことを、心に留めておいてください。

買い換える前に修理する

古い電子機器はなるべく新しくしたいという本能が働くかもしれませんが、昔ながらの「修理」という方法があることを忘れないでください。

たとえば、スマホがフル充電できなくなったのであれば、バッテリー交換だけで、買い替えるよりもずっと安く済ませることができるでしょう。

ラップトップの熱が気になるなら、ファンを掃除したり、熱伝導グリスを塗ったり。車を整備に出すようなものです。タイヤがパンクしたからと言って、車ごと処分したりしないですよね。

ここで重要なのは、購入前のちょっとしたリサーチです。今買おうとしている商品は、簡単に修理をしてもらえるのか、修理にはルールや制限などがあるのかないのか。

あなたは客なので、買おうとしている商品について、どんなに細かいことを聞いても許されます。ですから、将来の修理についてのあれこれを完全に把握するまでは、購入しないことです。

電子機器を適切に保護する

シンプルだけれど、忘れられがちなことです。電子機器を長持ちさせたいなら、やさしく扱うこと。ケースやスクリーン保護ガラスを使い、大切に扱いましょう。

また、購入時は、スタイルよりも耐久性を重視してください。これらの付属品は、最初は高くつくものの、長い目で見ると数年ごとの買い換えの代わりとなり、結果的に節約につながるのです。