「賃貸か持ち家か?」
長年の論争に一石を投じてくれそうな3Dプリント住宅が、ここ数年国内外で盛り上がりを見せています。
TikTokで再生回数2000万回を超えた動画も話題に。
3Dプリントハウスは新たな住まいの形となるのか? その魅力と国内外の動向をチェックしてみましょう。
供給が追いつかないほど大人気!3Dプリント住宅の魅力とは
米国ではここ数年、不動産価格の高騰などを背景に3Dプリント住宅の需要は右肩上がり。不動産情報検索サイトRealtor.com が約3,000名を対象に行った2021年の調査では、約66%が「3Dプリント住宅で暮らすことを視野に入れている」と回答し、広く認知、検討されはじめていることが分かります。
3Dプリント住宅のメリットとして挙げられるのは主にこの3点。
- 手頃な価格
- 短納期
- 柔軟なカスタマイズ性(3Dならではの造形を形づくることができるため)
建設用3Dプリンターを利用することで資材や人件費をセーブすることができ、結果的に時短かつコストカットに。
米国の3DプリントハウスメーカーのAlquist社はすでに従来の住宅建設費用の15%も価格を抑えることに成功しており、2023年には30%のコストダウンを目指しているのだとか。

また、バージニア州で初の入居が完了した3Dプリント住宅(約111,5平米)はなんと22時間で完成したそう! これまでとは比較にならない驚異的なスピードです。
懸念すべき問題点も
一方で3Dプリント建築には懸念すべき問題点も。ワシントン州大学で建築を専門とするRyan教授は、米国では従来木造建築が主だったことから、それに合わせて確立された既存のシステムにおける大きな見直しによる影響を指摘。
配管や電線などの設置や物流、さらに労働力の確保など影響が広範囲に及び、業界全体に混乱を招く恐れもあるのだとか。
これを解決する手立てとして導入され始めているのが、工場で電気や配管などの組み立てを終えてから建設現場に移送する方法。

従来は建設現場に資材を集めて組み立てや設置が行なわれますが、工場でこのプロセスを完結させることでトラブルが最小限に抑えられます。