30代・未経験で異業種転職。キャリアチェンジ成功の秘訣は?

——30代・未経験でエンジニアとして転職されたとのことですが、転職活動はどのように進めましたか?

スタートアップ企業に絞って転職活動をしていました。

ただ、30代未経験の採用枠は私が知る限り存在しないため、経験者採用枠へ応募し、少しでも興味を持ってくれた企業に、これまでの実績・経験をベースにエンジニアとして掛け算できることや、個人開発したウェブサービスをポートフォリオとしてアピールしました。

結果として当初の目標どおりの条件を満たした企業へ入社することができました。

実は私は、転職活動をはじめる前に、自分で1つウェブサービスをつくってリリースしているんです。

リリースしたウェブサービスが、日常的にユーザーに使ってもらえていること。これは自分自身の勉強にもなりましたし、面談する企業の方たちからも好意的な反応をいただくことができました。転職にあたって「やっておいてよかった」と感じることがあるとすれば、この点が最大のポイントでしょうか。

——自分の力でウェブサービスをつくる構想は、当初から持っていたのでしょうか?

そうですね。できれば在学中のうちに自分で何かつくりたいとは思っていました。

カリキュラムが終わりに近づいた頃に着手しはじめて、約3カ月かけて形にしたあと、転職活動と並行して細かな修正やブラッシュアップを続けました。

——未経験での転職を成功に導くために必要なことは?

私は、エンジニアリングの本質は課題解決力だと思っています。ただ、それだけではなく課題解決した方法を言語化して、再現性を持たせておくことが重要です。

未経験かつ実績がないなかで採用してもらうには、その課題解決力をしっかり見せられること、再現性があることをしっかりアピールできることが鍵を握っていると思います。

これは、エンジニアへの転職はもちろん、ほかの職種にも言えることなのではないでしょうか。

「わからないことから逃げない」プログラミングで変わった価値観

——プログラミングを学んだことで、川上さん自身の価値観や物事の見方に変化はありましたか?

勉強することや、知らないことを自ら調べて解決することに対するメンタルブロックが低くなったと感じています。

エンジニアに転向して、最初は本当にわからないことだらけだったのですが、それも勉強を通じて少しずつ理解していくことができました。もちろん、今も勉強の毎日です。

エンジニア以外の分野のことも知りたいし、仕事以外の場面でも、わからずに放置してきてしまったこともきちんと向き合って解決したい。

わからないものから逃げずに、調べて解決に向けて取り組むことが、抵抗なくできるようになったと感じます。

——働きながら学び続けるのは大変なことだと思います。どのように学びを習慣化していますか?

平日の夜や土日のどちらかに必ず時間をとって、技術系の本や動画教材を使って学んだり、勉強会に参加したりしています。

これは会社の先輩エンジニアたちが皆そうしているので、周囲に引っ張られてできている部分も大きいですね。

漠然とした不安は「分解」して正体を明らかにすれば、前進できるはず

——この先、エンジニアとして目指していきたい姿や、仕事における目標があれば教えてください。

短期的なゴールとしては、現職でテックリードを目指したいと思っています。将来的にはCTOとしてバリューを発揮できるよう成長したいですね。

同時に、自分で新たなサービスをつくったり、また過去につくったものを現在の技術につくり直したりなどもしていきたくて…これについては週末などに時間をとって、少しずつ開発を進めているところです。

——リスキリングとしてプログラミングに取り組みたい。でも、一歩踏み出せずにいる。そんな読者に向けて、いち経験者としてメッセージをお願いします。

私自身、過去には変化することを躊躇してしまうことが多かった。でも、プログラミングを学ぶプロセスを通して、今までよりも変化に対して柔軟になったと実感しています。

漠然とした不安は、1つずつ分解し、その正体を明らかにしていくと、実は大した問題ではないことが多いと思っています。一歩踏み出せない理由や不安と向き合うと、すっと前に進めるかもしれません。

まとめ:プログラミングを学び続けるコツ、キャリアにつなげる秘訣

  • プログラミングは、基礎から正しい段階を踏んで少しずつ学べば、想像以上に難しくはない。ポイントは、「なにをどの順番で学ぶのか」。
  • プログラミングを通じて成し遂げたいこと、キャリアチェンジした先のビジョンを具体化させることで、学びのモチベーションは維持できる。
  • 新しいことを学ぶのを習慣づけるには、ある程度「半強制的な環境」も必要。決まった時間はPCの前に座る、仲間と一緒にやるなどの仕組みづくりも大切。
  • エンジニアリングの本質は課題解決力。そして課題解決の方法を言語化し、再現性を持たせておくことが重要。自分でつくったウェブサービスが日常的にユーザーに使ってもらえているなど、実績を1つ持っておくとさらに強みになる。
  • プログラミングなどの分野は、常に未知の領域や新たな技術を学び続ける必要がある。その経験は、日常的にわからないものに向き合い、調べて解決に向けて取り組むことを習慣化させてくれるはず。
  • 漠然とした不安は、1つずつ分解してその正体を明らかにしていくと、実は大した問題ではないことが多い。一歩踏み出せない理由や不安と向き合えば、きっとすっと前に進める。

▼前編はこちら

「21世紀の教育格差」を広げる現状維持。コードジム代表に聞く、大人がリスキリングでプログラミングを学ぶ意義 | ライフハッカー・ジャパン

「21世紀の教育格差」を広げる現状維持。コードジム代表に聞く、大人がリスキリングでプログラミングを学ぶ意義 | ライフハッカー・ジャパン

Source: コードジム(1, 2)

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