「自身の価値を最大限に深化させる学び方」をご紹介する特集『35歳からのリスキリング 自分の価値を深化させる「キャリア×学び」』。

今回焦点を当てたのは、リスキリングで学ぶ分野として注目されることの多いプログラミング。前編では、コードジム代表の鶴田浩之さんに、リスキリングとしてプログラミングを学ぶことの意義を伺いました。

そしてコードジムの特徴の1つが、「ISA(Income Share Agreement/所得分配契約)」というシステムを導入していること。ISAとは、受講時には費用の支払いを必要とせず、就職後に給与の額面の10%を30回に分けて「出世払い」するシステム。世界中で広まりつつある支払いモデルで、コードジムは日本国内で初めて採用した学校としても知られています。

後編では、このISAがコードジム入学の決め手の1つとなったと話す川上登玄さんにインタビュー。コードジム1期生としてエンジニアへの転職を成功させた川上さんに、キャリアチェンジのきっかけや、学びのモチベーションを維持する方法、転職時に実践したことなどを教えてもらいました。

川上登玄(かわかみ・たかずみ)さん

2010年、早稲田大学を卒業。CGデザイナーとしてクリエイティブエージェンシーに新卒入社。

2018年に起業し、ウェブマーケティングの会社を経営。

CODEGYM1期生を経て、株式会社ストロボライト入社。庭リノベ「MIDOLAS」の開発に従事。

2021年12月より株式会社SODAのソフトウェアエンジニアとして国内最大級スニーカー・トレカフリマ「SNKRDUNK」の開発を担当。

▼前編はこちら

「21世紀の教育格差」を広げる現状維持。コードジム代表に聞く、大人がリスキリングでプログラミングを学ぶ意義 | ライフハッカー・ジャパン

「21世紀の教育格差」を広げる現状維持。コードジム代表に聞く、大人がリスキリングでプログラミングを学ぶ意義 | ライフハッカー・ジャパン

「自分の力でウェブサービスをつくりたい」とジョブチェンジを決意

——川上さんは起業も経験されていますが、そこからエンジニアを目指すのは大きな決断のように思います。プログラミングを学ぼうと思ったきっかけについて教えてください。

かつてはウェブマーケティングの小さな会社を経営していました。でも、今振り返ると「情熱を注げること」ではなく、「自分ができること」を基準に業種を選んでいたと感じます。そのため、いまひとつ仕事に熱が入らず、将来に対する漠然とした不安を抱えていました。

また、CG・映像デザイナーとして制作に携わっていた時は、「自分の作品をクライアントが実際にどう使っているのか?」「ユーザーからどんな反響があるのか?」と、完成したものを提供した、その先をフォローアップできないことへのもどかしさも感じていたんです。

一方で、何かをつくる作業は好きだった。そこから、エンドユーザーの声を反映し続けられるウェブサービスやプロダクトを自分の手でつくってみたいと考えるようになり、エンジニアへの転向を決めました。

——それまでにもプログラミングの経験はあったのでしょうか? また、プログラミングに対してどんな印象を持っていましたか?

CG制作の頃にモーショングラフィックをつくるための簡単なコードを書いたことはありますが、本格的なプログラミングの経験はありませんでした。

正直なところ、プログラミングは「理系大学を出た専門職の人がやる仕事」というイメージでしたね。

——実際に勉強をはじめてみて、そのイメージはどう変わりましたか?

確かに難しいのは事実です。

ただし、コードジムでは、基礎をしっかり学んだうえで、ウェブフレームワークを利用して小さなウェブサービスをつくるカリキュラムがあったため、段階を踏んで学ぶことができました。

プログラミングスキルを身につけるには、なにをどの順番で学ぶのかが重要。コードジムはそれをカリキュラムに落とし込み、1人で開発ができるよう伴走してくれました

なので、「自分には絶対無理!」と、入り口から逃げ出したくなるような感じはなかったです。

学びを続けられたのは、「学びの先」を具体化できていたから

——とはいえ、学び続けるのは大変だと思います。約半年に及ぶカリキュラムを最後まで続けられた秘訣はどこにあったのでしょう?

「プログラミングを学んだ先で何をしたいか」を決めていたことかもしれません。

私の場合、エンジニアとして働きたい、自分でサービスをつくりたいという明確な目標があったので、そこに向かって学べたことが大きいと思います。

具体的な日々の学習としては、やる気の出ない日でも毎日決めた時間はPCの前に座って課題に取り組むようにしていました。

また、コードジムにはメンター制度があるので、先輩エンジニアにいろいろなことを相談できたり、同期生たちと励まし合えたりなど、独学では得られない、スクールならではの面もモチベーションの維持につながったと感じています。

——メンターの方とは、具体的にどんな話をしていましたか?

技術的な悩みや、エンジニアになったあとのビジョンなどです。

エンジニアとしてどんなキャリアがあるのか、メンターの方自身はどんな考えでキャリアを選択したのか、周囲のエンジニアにはどんな人たちがいるのか——そうした“エンジニアとしてのリアル”を一足先に知ることで、自分の「学んだ先」の姿をイメージしやすくなりました。

——プログラミングを学ぶにあたって、オンラインスクールを利用するメリットはどんなところだと思いますか?

2つあって、一緒に学び進める同期の仲間がいること。そして、スクールがカリキュラムの進捗を把握して伴走してくれることです。

独学だったら、今のようなスピードで成長できていなかったと思います。

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30代、未経験で転職。キャリアチェンジを成功に導いた秘訣は?
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