仕事をしていると、「納期」「値段」「頼み事・頼まれ事」などのさまざまな調整に直面します。
その際、相手の立場やお互いの関係性によっては、強く言えずに、損な決着になることは少なくありません。「そんなこと、とても言えない…」というのは、誰もが抱きやすい心境でしょう。
そこで習得しておきたいのが交渉術。交渉術と言うと、難しく聞こえますが、調整も交渉の範疇に入ります。
さらに言うと、交渉とは「丸め込む」手段ではなく、お互いにとって「賢明な合意(双方にとってメリットのある合意)」に至るためのコミュニケーション術。調整の多い社会人にとって、不可欠なスキルといっても過言ではないでしょう。
今回紹介するノウハウでは、交渉の専門用語も出てきますが、内容は極めて簡単。仕事の調整をするときにぜひお使いください。
交渉が下手な人の典型例とは?

このようなケースはないでしょうか。仮に自分が営業職だとして、お客様からこう言われました。
顧客:「5000円なら購入しても良い。いかがですか?」
しかし、その商品の定価は1万円。せめて7000円以上で売りたいと思っています。そう思っているとき、相手はさらに付け加えます。
顧客:「5000円で売ってくれたら、ほかの商品も今後は検討しても良い」
そこで、あなたはこう言います。
自分:「5000円は厳しいので、せめて7000円でいかがでしょう?」
先方は、納得しません。
顧客:「7000円はありえない。もう少し安くならないの?」
するとあなたは、こう返さざるを得なくなりました。
自分:「では、真ん中をとって6000円でどうでしょう?」
交渉の罠にはまってしまう、2つの落とし穴
何がまずかったのでしょうか。それは、交渉の罠にはまってしまっていることです。その落とし穴が、次の2つ。