ネット証券で口座を新たに開設しようと考えている方へ、人気の高い楽天証券とSBI証券の2社を比較し、それぞれのサービスの違いや選ぶ際のポイントを解説します。
最後まで読めば、自分にとって、よりメリットが大きい証券会社を見つけ、おトクに投資を始めることができるはずです。
ネット証券で口座開設をしようと考える際、まず楽天証券とSBI証券で迷う方は多いでしょう。どちらも手数料が安く、サービスのレベルが高い人気のネット証券だからです。
では、どっちがおトクで、どっちが良いのか、どんな点に違いがあるのか、3つのポイントで比較していきます。
目次
- 楽天証券とSBI証券 3つの比較ポイントをチェック
- iDeCo(イデコ)の手数料・商品
- つみたてNISA(積立NISA)の手数料・商品
- ポイントプログラムではSBI証券がやや優位
- その他のサービスを比較すると
- まとめ
楽天証券とSBI証券 3つの比較ポイントをチェック
これから投資を始める方の目線で、iDeCo(イデコ)、つみたてNISA(積立NISA)、ポイントプログラムを比較します。
▼楽天証券とSBI証券を比較
ポイント
1.iDeCo(イデコ)の手数料・商品
2.つみたてNISA(積立NISA)の手数料・商品
3.ポイントプログラム
1. iDeCo(イデコ)の手数料・商品
これからiDeCo(イデコ)を始めようと考えている方に向けて、楽天証券とSBI証券のiDeCo(イデコ)について比較していきます。
iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金の愛称で、節税しながら自分で年金が作れるおトクな制度。楽天証券、SBI証券ともに、iDeCo(イデコ)を始めることができますが、まずひとつの金融機関に絞る必要があります。
▼iDeCo(イデコ)の手数料・商品を楽天証券とSBI証券で比較してみた
楽天証券 | SBI証券 | |
運営管理手数料 | 無料 | 無料 |
取扱商品数 | 投資信託:31、定期預金:1 | <セレクトプラン> 投資信託:37、定期預金:1 |
管理画面 | 楽天証券内 | SBI証券とは別サイト |
iDeCo(イデコ)で、証券会社によって違いが出るのは、主に運営管理手数料と取扱商品。 楽天証券とSBI証券では、iDeCo(イデコ)の運営管理手数料はどちらも無料です。
その他、加入時・移換時手数料、国民年金基金連合会手数料、事務委託先金融機関手数料がかかりますが、これらはどの金融機関でも金額が共通となっています。
iDeCo(イデコ)で購入できる取扱商品数は、どちらも35本前後。iDeCoの取扱商品数は上限が35本と決められているので、それに近い本数となっています。
商品の品揃えにはそれぞれ特徴がありますが、いずれもインデックス型の低コスト商品はラインアップされているのはチェックしておきたいところです。
▼楽天証券 iDeCo(イデコ)の商品ラインアップ
楽天証券のiDeCo(イデコ)対象商品で最も注目すべき点は、人気の「楽天・バンガードシリーズ」2本の取り扱いがあること。
iDeCo(イデコ)でこれら2本の投資信託を買えるのは、楽天証券だけ。管理費用はいずれも低コスト(全米が0.162%、全世界が0.202%)な点も、注目したいファンドです。
- 米国全体の株式に投資できる「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))」
- 日本を含む全世界の株式に投資できる「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))」
また楽天証券では、低コストファンドシリーズ「たわらノーロードシリーズ」を5本、iDeCo(イデコ)対象商品として取り扱っています。ファンドの管理費用は0.1%台~0.2%台前半と抑えめなので、基本のインデックス型投資信託で運用したいなら、こちらをベースに検討するのがよいでしょう。 その他、アクティブ型投資信託では、好成績で人気の「セゾン資産形成の達人ファンド」や、厳選した30銘柄に投資する「コモンズ30ファンド」の取り扱いがあります。
▼SBI証券 iDeCo(イデコ)の商品ラインアップ
SBI証券のiDeCo(イデコ)では「セレクトプラン」という低コストと多様性にこだわった商品が提供されているのがポイントです。
とくにインデックス型投資信託の低コストファンドシリーズが充実しており、コスト競争で注目の「eMAXIS Slimシリーズ」と「<購入・換金手数料なし>シリーズ」の両者を取り揃えているのにも注目。 アクティブ型投資信託では、安定した人気の「ひふみ年金」や「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ」がラインアップされています。
▼iDeCo(イデコ)の管理画面は楽天証券の方が管理しやすい
その他、iDeCo(イデコ)を始めると、積立運用しているお金が今いくらなのかをときどき確認する機会がありますが、その管理画面がどこにあるかに大きな違いがありました。
楽天証券のiDeCo(イデコ)は、楽天証券のサイト内に管理画面があるので、楽天証券にログインすれば確認できます。
一方で、SBI証券ではiDeCo(イデコ)は別サイトで確認するかたちになり、SBI証券とは別のID・PWが必要になります。
iDeCo(イデコ)以外にも投資する可能性があれば、楽天証券の方が運用管理はラクにできそうです。
iDeCo(イデコ)の手数料は、楽天証券、SBI証券に差はなし。商品ラインアップは違うが、どちらも人気ファンドなどもあり良い品揃えになっている。
iDeCo(イデコ)の資料請求・口座開設はこちら
SBI証券へ資料請求する楽天証券の口座開設・詳細はこちら2. つみたてNISA(積立NISA)の手数料・商品
iDeCo(イデコ)と同じく、つみたてNISA(積立NISA)も、始めるならまず、どこかひとつの金融機関を選ぶ必要があります。
また、手数料や取り扱い商品数などから楽天証券とSBI証券はつみたてNISA口座開設の有力候補になるはずです。
▼つみたてNISA(積立NISA)の手数料・商品を楽天証券とSBI証券で比較してみた
楽天証券 | SBI証券 | |
購入時手数料 | すべて無料 | すべて無料 |
取扱商品数 | 181本 | 183本 |
最小投資額 | 100円~ | 100円~ |
積立頻度 | 毎日、毎月 | 毎日、毎週、毎月 |
つみたてNISA(積立NISA)で取引できる商品(主に投資信託)は、金融庁の審査を通過したものだけに限られており、楽天証券・SBI証券ともに取扱本数が多く、ラインナップに違いはほぼありません。また、すべて購入時手数料は無料です。
つまり、つみたてNISA(積立NISA)では商品や手数料面での差はほとんどありません。最小投資額、積立頻度についても大きな違いはないのが現状です。
▼つみたてNISA(投信積立)の引落方法を楽天証券とSBI証券で比較してみた
楽天証券 | SBI証券 | |
引落方法 | -証券口座 -クレジットカード決済 -楽天キャッシュ -その他金融機関口座 | -証券口座 -クレジットカード決済 |
利用できるクレジットカードと ポイント還元率 | -楽天カード
1.0%:信託報酬のうち 販売会社が受け取る手数料(代行手数料)が 年率0.4%(税込)以上のファンド
0.2%:上記以外 ※楽天キャッシュ (電子マネー)のポイント還元率0.5% | -三井住友クレジットカード 2.0%:プラチナ系カード 1.0%:ゴールド系カード 0.5%:スタンダード系カード ※タカシマヤクレジットカード (高島屋ファイナンシャル・パートナーズ仲介口座限定)、 東急クレジットカード(東急カード仲介口座限定)も利用可 |
証券口座への入金サービス | -自動入出金(楽天銀行) | -自動入出金(住信SBIネット銀行)
-定額自動入金(銀行引落サービス) |
つみたてNISA(積立NISA)の積み立てる際の投資額の引落方法には、楽天証券、SBI証券でやや違いがありました。
共通しているのは、証券口座からの引き落とし、クレジットカード決済ができる点。 証券口座には、どちらも自動入出金機能(楽天証券は楽天銀行、SBI証券は住信SBIネット銀行が対応)があり便利です。 クレジットカード決済は、楽天証券が先行して提供していましたが、現在はSBI証券でも利用できます。利用は特定のカードに限定されますが、積立額に応じたポイント還元が受けられるのも注目したいところ。
楽天証券では、積み立てる投資信託の信託報酬によって(0.2%もしくは1%)、SBI証券では利用するカードのグレードによって(0.5%~2%)と、それぞれポイント還元率が異なっています。
また、楽天証券では楽天キャッシュ(電子マネー)決済も利用できます。楽天キャッシュ決済では、すべての銘柄で0.5%のポイント還元が受けられます。
その他、楽天証券では銀行口座からの引き落としも利用できます。
つみたてNISA(積立NISA)の手数料・商品、引落方法については、楽天証券、SBI証券に大きな差はない。
3. ポイントプログラムでは、SBI証券がやや優位
ポイントプログラムについては、以前は楽天証券が優位だったものの、現在はSBI証券がやや優位になっています。
つみたてNISAに関連するポイントプログラムは「投信積立のクレジットカード(または電子マネー)決済額に応じたポイント還元」と「投資信託の保有額に応じたポイント付与」の2つ。
このうち前者は、楽天キャッシュ決済と三井住友カードのスタンダード系カードでの決済を比べるとどちらもポイント還元率は0.5%と並んでいます。
一方、「投資信託の保有額に応じたポイント付与」については、SBI証券の方が貯まりやすい仕組みになっていました。
楽天証券では、投資信託の月末残高が一定金額に達した際にしかポイントが付与されませんが、SBI証券では月末残高に応じたポイントが毎月付与されます。
例えば「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)※の月末残高が100万円」だった場合、楽天証券では100万円に達した際に100ポイント付与されるのみですが、SBI証券では年間340ポイント付与されます。
※SBI証券でポイント付与率0.034%の銘柄。銘柄によってポイント付与率は異なります。
▼ポイントプログラムを楽天証券とSBI証券で比較してみた
楽天証券 | SBI証券 | |
ポイント名 | 楽天ポイント | Tポイント、Pontaポイント、dポイント |
貯め方 | -投信積立:楽天カード決済での積立額の0.2%ポイント還元 (信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率税込0.4%未満の銘柄、 その他の銘柄は1%ポイント還元)
-投信積立:楽天キャッシュ決済での積立額の 0.5%ポイント還元
-投資信託の月末残高が特定の金額に到達した際に 10ポイント~500ポイントを1回限り付与
-国内株式・投資信託・金・プラチナ取引などの 手数料の1%をポイントバック(超割コースの場合)
-家族・友達の紹介でポイント付与 など | -投信積立:三井住友クレジットカード決済での積立額の0.5%ポイント還元 (スタンダード系カードの場合、プラチナ系カードは2%、ゴールド系カードは1%ポイント還元)
-投資信託の月間平均保有額に応じてポイント付与
-新規口座開設
-国内株式手数料・PTS取引手数料の1.1%をポイントバック (スタンダードプランの場合)
-金・プラチナ取引手数料の1%をポイントバック |
使い方 | -楽天市場など楽天グループで使う
-JALマイルに交換する
-投資信託や株式の購入代金に充てる | -各提携先で使う
-投資信託の購入代金に充てる |
iDeCo(イデコ)やつみたてNISA(積立NISA)の手数料面では、楽天証券、SBI証券に差はない。
商品ラインアップに違いはあるが、どちらも良い品揃えになっている。
ポイントプログラムまで考えると、SBI証券の方がややおすすめできるが、こちらも大きな違いではない。
楽天証券、SBI証券の総合口座・つみたてNISA口座の開設はこちら
つみたてNISA(積立NISA)を利用するには、総合口座開設が必要になります。楽天証券やSBI証券では、同時に申し込みができます。
楽天証券NISA口座はじめてガイドSBI証券のつみたてNISAをチェックするその他のサービスを比較すると
その他、入出金や株式などのサービスについても、楽天証券とSBI証券を比較していきます。
- 口座連携サービス
- 国内株式・外国株式
▼系列銀行との口座連携サービスでは楽天証券がやや優位!
系列銀行との口座連携サービスとは、簡単に言うと「ネット銀行にあるお金をそのままネット証券での取引(株式や投資信託の購入)に使用できる」というもので、系列のネット証券とネット銀行間で利用できます。
楽天証券にもSBI証券にもこのサービスはあります。ただし、SBI証券の場合は、ネット銀行側で振替する必要があるため、スムーズな取引という点では、やや楽天証券の方が優勢です。
さらに、口座連携サービスの利用でネット銀行の普通預金に優遇金利が適用される特典が、両者とも用意されています。
金利を見ると、楽天証券では楽天銀行の優遇金利が0.1%(税引前/300万円以下/300万円超は年0.04%)になります。一方、SBI証券では住信SBIネット銀行の優遇金利は0.01%と、その差は10倍。楽天証券の方が高い優遇金利を受けられます。
また、楽天銀行では普通預金すべてが優遇金利の対象となりますが、住信SBIネット銀行では普通預金からハイブリッド預金に振り替えた分のみと違いがあります。
楽天証券 | SBI証券 | |
サービス名 | マネーブリッジ | ハイブリッド預金 |
自動入出金 | ○ | ○ (振替が必要) |
優遇金利(税引前) | 普通預金のうち 300万円以下:年0.10% 300万円超:年0.04% | 普通預金のうちハイブリッド預金が年0.01% |
▼国内株式・外国株式ではSBI証券が優位!
最後に、株式に関連するサービス内容を比較していきます。
国内株式手数料は、楽天証券、SBI証券ともに業界最安基準で差がありません。
IPOの取扱実績、単元未満株の有無、外国株式の取扱国数では、いずれもSBI証券が有利です。
楽天証券 | SBI証券 | |
国内株式手数料 | 業界最安水準 | 業界最安水準 |
IPO(2022年8月時点取扱実績) | 31社 | 42社 |
PTSの取引時間 | 8:20~16:00 (ジャパンネクストPTSのみ17:00~23:59) | 8:20~16:00/16:30~23:59 |
単元未満株 | 取扱なし | 取扱あり(S株) |
外国株式 | 6ヶ国取り扱い | 9ヶ国取り扱い |
トレーディングツール | マーケットスピード II ・マーケットスピード (利用料無料) | HYPER SBI 2 (利用料無料) |
国内株アプリ | iSPEED | SBI証券 株アプリ |
米国株アプリ | iSPEED(国内株と共通) | SBI証券 米国株 アプリ |
まとめ
iDeCo(イデコ)やつみたてNISA(積立NISA)のサービス面では楽天証券、SBI証券の差はそれほどありません。
ポイントプログラムではSBI証券、銀行との口座連携による優遇金利では楽天証券がやや有利と両者の違いがありました。
iDeCoやつみたてNISAを始めよう
楽天経済圏のメリットを享受したい人は楽天証券が検討の軸になりますね。
単元未満株や外国株式に興味があれば、SBI証券も合わせて口座開設しましょう。
iDeCo(イデコ)もつみたてNISA(積立NISA)も、口座開設と同時に申し込みできます。
楽天証券・SBI証券についてはこちらの情報も参考にしてください。
>>SBI証券と楽天証券のiDeCo(イデコ)商品ラインアップ比較
2022年8月18日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。
*本記事は、Fin/d(ファインド)より提供のコンテンツを加筆変更して掲載しています