ストレスや不安が人生から完全に消え去ることは絶対にありません。消えたように見えても、その時々で対象が変わっているだけにすぎないのです。
ですが、過去の心配ごとをよくよく振り返ってみると、次に来る心配ごとに対処しやすくなるかもしれません。
昔に抱えていた不安を検証すれば、先の見通しが立つし、長い目で見て何が大切なのかがわかってきます。そして、克服した難問やうまく避けられた難問を思い出すこともできます。
不安を1つ残らず書き出す
記憶だけに頼って、過去の精神状態を思い出すのは難しいことです。そこで、自分の“心配ごとの記録”をつける簡単な方法が必要になります。
ガジェット系ブログ「Cool Tools」のエディター、Claudia Dawson氏は、それにうってつけのアプリを使っています。メモアプリです。
Dawson氏は「Recomendo」ニュースレターの中で次のように述べています。
私はメモアプリで「ストレスメモ」を書き始めました。
このメモに、心配なことを1つ残らずリストに書き残すのです。
新しい心配ごとを書き足す時には、以前に書いた心配ごとを読み返して、それがもう気にならない場合は(たいていはそうなっています)、削除するのではなく、取り消し線を入れます。
そうすると、とても心が落ち着き、自己肯定感が生まれます。
それに、リストが増えていくのを見ると、何だかとても楽しいことに気づいたのです。― CD
紙のノートでも同じ要領で行なうことができます。
あるいは、心配ごとをToDoリスト形式で書き出し、チェックしていくのでも良いでしょう。ほとんどのToDoアプリでは、完了済みのタスクは削除されずに、アーカイブに保存されるようになっています。
重大な心配ごとこそ、思い出せるようにしておく
この方法は、「心配ごとを紙に書いて、その紙を捨てたり燃やしたりする」という昔ながらの発想をアップグレードしたものです。
心配ごとのなかには、どう考えても心配する必要のないものもあります。そうした心配ごとなら、こうした古風なやり方で処理してしまっても良いでしょう。
けれども、心配ごとの多くは、それほど簡単には取り除けません。そのため、心配ごとを記録しておいて、心配が薄れたあとでも思い出せるようにしておくほうが良いのです。
“心配ごとの記録”は、自分との約束を象徴するものというよりは、むしろ長期間において“自分の証言を残す”ツールと言えるでしょう。
「過去の自分」からどれだけ成長できたかを確認できる
すでに古い日記や日誌があるなら、“心配ごとの記録”として読み返すこともできます。
私は時々、高校時代の古い日誌を掘り起こして、自分があまりに自意識過剰だったことや、馬鹿みたいに気にしていたことを思い出しては、いたたまれない思いをしています。
けれど、それを「自分が卒業した思考回路」として見れば、過去の自分と今の自分とを比較してどれだけ成長したかを見ることができて、今の自分を誇らしく思えるのです。
過去の心配ごとを未来に役立てる
心配ごとが消えるのは、必ずしもあなたがそれを解決したからとはかぎりません。ひとりでに消えることもあれば、心配ごとが現実になってしまうこともあります。
あるいは、「もっと心配するべきだった」と学ぶケースもあるでしょう。そうしたことを認識しておけば、現在の心配ごとに立ち向かう助けになります。
とはいえ、誰にでも“乗り越えられる心配ごと”というものがあります。乗り越えられた心配ごとを線で消して、あとで見返せば、きっと満足感を得られるはずです。
訳: 梅田智世/ガリレオ Source: Recomendo