Appleは、iOS 16.2で常時表示ディスプレイで壁紙を無効にするオプションを提供しました。14 Proは有機ELディスプレイを搭載しているため、こうすることで、使われていないピクセルをオフにすることができます。
ということは、常時表示ディスプレイの壁紙を無効にして画面の「大部分」を黒くすれば大きなバッテリー節約になる、と思うでしょう。
しかし、どうやらそうではなさそうです。
常時表示ディスプレイはどの程度電力を消費する?
PhoneBuffは最近テストを実施し、3台のiPhone 14 Pro Maxのバッテリー性能を比較しました。
デフォルトの常時表示ディスプレイで壁紙が有効になっているものと、テキストのみを有効にしたもの、そして常時表示ディスプレイを無効にしたものです。
さらに、3台はすべてリセットしてアプリとiCloudアカウントがない状態にして「機内モード」に設定したうえで、実験室は、常時表示ディスプレイが照明条件に基づいて明るさを自動調整してしまうため、屋内照明の平均輝度に設定しました。
24時間後、常時表示ディスプレイで壁紙が有効のiPhoneは充電残量が80%でしたが、意外なことに、テキストのみのiPhoneの充電残量は84%でした。
丸一日経った後で、壁紙ありでは、テストの間ずっとディスプレイ全体がオンのままだったにもかかわらず、バッテリー消耗の増加は4%にとどまったのです。

バッテリーが影響を受けない理由
バッテリー残量がほとんど影響を受けないのは、Appleの優れたハードウェアとソフトウェアの性能によるものでしょう。
iPhone 14 Proの画面は可変リフレッシュレートを採用しており、画面上に表示される情報を更新する回数を変更できます。旧型のiPhoneではリフレッシュレートが60ヘルツで、1秒間に60回ディスプレイが更新されていました。
14 Proと14 Pro Maxでは、高速で滑らかな動きが必要な時には最大120ヘルツまで上げ、何もしていない時は1ヘルツまで下げることができます。
電力効率の高い常時表示ディスプレイ機能を可能にしているのが後者です。
画面が1秒間に1回更新されているということであり、これがAppleのA16 Bionicチップの効率の良さと相まって、バッテリーに大きな影響を与えることなくスクリーン上に画像全体を表示し続けることができるのです。
もちろん、これは実験室での制御試験であり、自分の日常的な使い方がこれに完全に一致するということはないでしょう。テストにはiPhone 14 Pro Maxが使われたため、これより小型のiPhone 14 Proではバッテリーの消耗が激しくなる可能性もあります。
14 Proのバッテリー駆動時間を最大限に伸ばすことだけを考えているのであれば、言うまでもなく、常時表示ディスプレイを完全に無効にしましょう。PhoneBuffのテストでは、常時表示ディスプレイを有効にしなかった14 Pro Maxの24時間後のバッテリーレベルは100%でした。すばらしいですね。
繰り返しになりますが、これはモバイル接続やWi-Fi接続、バックグラウンドでのアプリの更新などが起きない制御環境で得られた結果です。
しかし、常時表示ディスプレイを全く使用しなければ長期的には相当のバッテリー節約になる、ということを示すものではあります。14 Proや14 Pro Maxの駆動時間を伸ばしたいのであれば、「設定」>「画面表示と明るさ」>「常に画面オン」のスイッチを切り替えてみましょう。