カメラは、iPhoneでも最高の機能の1つです。本当に素晴らしい写真が撮れますし、ビデオのクオリティも、スマートフォンでは最高クラスです。

それだけに、愛用しているiPhoneのカメラが壊れた時、私はものすごくショックを受けました。ただ、そのときは、「Apple Storeに持ち込めばすぐに修理してもらえるだろう」と楽観的に考えていました。

しかし残念ながら、iPhoneのカメラが壊れると、画面が割れたときとはわけが違います。修理は思っているほど簡単ではなかったのです。

千差万別なiPhoneカメラの故障

私の場合は、使っていた「Phone 12 Pro Max」のカメラのうち、2つに不具合が生じたのですが、それぞれに違った解決法が必要になりました。

第1の問題が発生したのは、iPhoneが服のポケットから飛び出し、コンクリートに叩きつけられた時です。広角レンズ(「1×」表示の時に使われるカメラです)を覆うガラスに、たちまちヒビが入りました。

さいわい、真上に極端に明るい光源がない限り、撮影する写真やビデオに影響はありませんでした。

望遠レンズが使い物にならなくなった

しかし、最終的には、純正のカメラアプリでは、超広角レンズが使えなくなったのです。超広角撮影をしたいときは、サードパーティーのカメラアプリに頼る必要がありました。

しかし、『Halide』や『FiLMiC Pro』といったアプリを使っても、望遠レンズにはアクセスできません。事実上、望遠レンズは完全に使えなくなってしまったのです。

iPhoneカメラの修理ステップは複雑怪奇

そこで私は、どんな解決法があるのかを確かめるため、近くのApple Storeの予約を取りました。そこでわかったことをまとめると、以下の通りです。

物理的なダメージがないのにカメラが使用不能になった場合は(「不明な部品」エラーが出るようなケースです)、単純にカメラ部品の交換で解決できます。

一方、iPhoneのレンズカバーにヒビが入っている場合、端末そのものを丸ごと新品と交換するしかないそう。

実は、カメラのモジュールには、それぞれのレンズを覆っているガラスは含まれていないのです。

つまり私の場合、たとえ200ドル払ってカメラを交換しても、望遠レンズは使えるようになるものの、広角カメラのガラスカバーは割れた状態のままでAppleから返却されるというわけです。

丸ごと端末の交換が必要な理由

ではなぜ、小さなガラスカバーの交換ではなく、端末を丸ごと交換する必要があるのでしょう? Appleからは明確な説明はありませんが、その理由は想像できます。

iPhoneカメラの割れたガラスカバーを交換するのは、なかなか大変な作業です。

そもそもこのカバーは、簡単に取り外せませんし、ヒビが入っていれば作業はなおさら難しくなります。ガラスをさらに砕いて、ガラス片を1つずつ取り除く必要があるのです。

しかもその間、ガラスのかけらが落ちたり、露出したレンズにゴミが入り込んだりしないよう、細心の注意を払わなければなりません。おそらくAppleは、このような面倒に関わりたくないので、ヒビが入ってもそのまま使うか、お金を払って新品に交換するかという二者択一をユーザーに求めているのでしょう。

しかも、この新品交換はかなり高くつくケースもあります。「AppleCare+」に入っていれば、デバイス交換は99ドル(日本では1万2900円)で済みます。入っていない場合、費用はそのモデルによって違ってきます。

Appleの「その他の損傷」見積もり機能で判断する限り、私のiPhone 12 Pro Maxを同じモデルの新品に交換する場合、費用は599ドル(同9万2400円)です。

さらにこれが「iPhone 14 Pro Max」だと、699ドル(同10万7800円)にまではね上がります。思わず「ウワーッ」という声が漏れるほどの金額です。

壊れたiPhoneカメラを自分で修理するには

では、「今持っているのと同じモデルと新品交換するのに、600ドルを払いたくない」という人には、どんな選択肢が残されているのでしょうか? 

第1の(そして一番のお勧めの)方法は、故障したiPhoneを、Appleの融通がきかないルールに縛られない、サードパーティーの修理ショップに持ち込むことです。「カメラのガラスカバー交換を引き受けるつもりがあるか」「料金はどれほどか」、ショップで確認してみましょう。

パーツそのものはそれほど高価ではありません(「iPhone 12 Pro」と12 Pro Maxのカメラレンズキットは、こちらにあるように、Amazon.comでは9ドルで販売されています。)

また、iPhoneの修理すべてに言えることですが、自分で修理することも、できないわけではありません。

パーツは安く手に入れられますし、それほどの技術的ノウハウも必要ありません。

ただ、カメラ本体を覆うガラスカバーの扱いには、細心の注意を払ってください。こちらにある、「iPhone 11 Pro Max」についての交換手順の解説動画を見れば、大まかな流れはわかるはずです。

レンズを覆うガラスカバーの破損の度合いが高いほど、修理はラクになります。

逆に、ガラスにヒビが入っただけという時は、手順は間違いなく複雑になります。ヒビが入ったiPhone 7のカメラを修理した「JerryRigEverything」の動画を、ぜひチェックしてみてください。

動画の中でJerryはまず、ガラスに熱を加え、それから、割れたガラス片を1つ1つ取り除いています。

気の抜けない、うんざりするような作業です。この手段を選ぼうとする場合は、どれだけ面倒な作業に足を突っ込むことになるのか、納得した上で取りかかるようにしてください。

Source: JerryRigEverything, iFixit, Self Service Repair Store, YouTube(1, 2