第4章|感情「不安・不満・不快をリセットする」

「人生を変えたい、よりいいものにしたい」と願うとき、まず立てたくなるのが目標。しかし上阪さんがフリーランスになったときに決めたのは「目標を持たない」ということでした。

目標を達成するために最短ルートを選ぼうとすると、人生を変えるようなチャンスすら「近道にはならない」と遠ざけてしまうかもしれません。

実際、上阪さんは目標を立てず、もらったチャンスを懸命にこなすことで、想像もしていなかった未来が待っていたのだそうです。

もちろん、目標を持つことも大切。一方で、肩に力を入れず、流れに身を任せるのも1つの生き方。一時的でも、そんな思考に委ねる期間があってもいいのかもしれません。

第5章|人間関係「対人意識をリセットする」

対人関係のストレス対処法として、「苦手な人や会うたびに心がもやもやしてしまう人は、遠ざけていい」とよく語られます。しかし、上阪さんが経営者に取材すると、多くの場合は「できるだけ、逃げてはいけない」という答えが戻ってきたそうです。

その理由は2つ。1つは「これも経験だと思って、今頑張ってみる。どうにかうまくいくように努力してみるべきだから」。

もう1つは「またどこで会うかわからないから」。

自分が不快にさせた相手やその場に居合わせた人々と、再び顔を合わせる機会がないとは言い切れないのです。会社の面接に現れるかもしれないし、異動先の上司かもしれない。フィアンセの両親かもしれない……。

(『マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣』168ページ)

ただし、心を病んでまで付き合う必要はありません。苦手な人との関係は、基本「逃げない」、ときどき「逃げる」というスタンスを、上阪さんはすすめています。

第6章|五感「感性をリセットする」

五感が鈍る、衰える…。現代人の多くが自覚しているかもしれません。しかし、五感を磨くと「真実、偽り、危険、安全」という真贋を見抜く目が鍛えられるのだとか。また、自分にとってうれしいこと、楽しいこと、喜びの感情にも気づきやすくなるのだそうです。

テレビやスマホの多用で視覚や聴覚に頼りがちな現代人は、触覚や嗅覚は衰えてしまいがち。ときに自然の中に身を置き、目を閉じて風を感じたり、緑が芽吹く匂いを捉えたり…。そんな五感を磨く体験を増やすことも、上阪さんはすすめています。


失業をきっかけに「マインド・リセット」ができた上阪さん。すべては自分が決めている、小さな喜びの積み重ねが大切…。そんな思考習慣は、自分のマインドを常にリセットすることで簡単に手に入れることができると強調します。

自分の人生を変える「マインド・リセット」という思考術、少しずつ取り入れてみませんか?

Source: 三笠書房

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