もっと健康になりたい、長生きがしたい」というのは、あらゆる人の願いでしょう。

でも、そう願うあまり、流行のダイエットやエクササイズグッズなど「痩せられる」「健康になれる」「気分が上向きになる」といった売り文句にハマってしまうのも、実にありがちな話です。

確かに、こうした方法を試して、実際に効果があったというケースもあるでしょう。ただ、人気の健康法やグッズを試しても、健康にはさほど影響がないのがほとんどです。

そうしたアイテムの1つが、スタンディングデスクです

スタンディングデスクは、立った姿勢で仕事ができるようにつくられており、しばらく前から流行しています。

その発端となったのは、何時間も座りっぱなしでいると、体に多くの悪影響が生じると警告する、複数の研究でした。

しかもデスク作業に関しては、長く座っていること以外にも、体に悪い点がいくつかあります。手根管症候群(CTS)や、もうすっかりおなじみの腰痛などの症状が引き起こされるおそれがあるのです。

読者のみなさんのなかにも、この数年間に「スタンディングデスク」というフレーズでGoogle検索をして、値段の高さに驚かされた人はいるでしょう。なかには、本当に高価なものもあるからです(そう、1000ドル近くするハーマンミラーの「Nevi Sit to Stand Desk」が好例です)。

でも、安心してください。

スタンディングデスク(あるいは、高さが調整できる昇降式のデスク)を欲しいと思うこと自体は悪いことではありませんが、その健康上のメリットは誇張されているので、どうしても買わなくてはいけない、ということはありません

しかも、仕事中に脚を伸ばしたいだけなら、安い費用でそのニーズに応える解決法があるので、間違いなくこちらで十分なはずです。

スタンディングデスクのメリットは、実は少ない

1日中椅子に座り続けているのが体に悪いことは、十分に証明された事実です。寿命を縮めるおそれすらあるとされています。

座っていることで健康が損われる科学的なメカニズムはまだ完全に解明されていないものの、日中に仕事をしている間は、座っている時間をできるだけ減らしたほうがいいのは、疑いようがありません。

ただし、スタンディングデスクを導入しても、大した効果は期待できません。というのも、その後の研究により「立っていることはエクササイズではない」という、言われてみれば当たり前の事実が証明されたからです。

座っている時、人は1時間あたり80キロカロリーを消費しますが、立っていたとしても、その消費カロリーは88キロカロリーになるだけです。つまり、大した差はない、ということです。

1日中座り続けていることの弊害を避けるには、30分ごとに5分間歩くなど、軽く体を動かすやり方のほうが、ずっと効果的があります

しかも、座っている代わりに1日中立ち続けていると、健康に悪影響が生じるおそれがあります。

何時間も立ったまま動かないでいると、脚に静脈瘤が生じるリスクなどが高まり、ひいては動脈の疾患が起きるおそれも高くなることが、複数の研究で示されています

結論を言うと、もっと健康になりたい、長生きがしたいという理由でスタンディングデスクの購入を検討しているなら、それはお金の無駄だということです。

むしろ、1時間に2回、椅子から立ち上がってあたりを歩き回るほうが、健康上のメリットは大きいでしょう。

スタンディングデスクに飛びつく前に考えたいこと

ただし、ここで1つ、はっきりさせておきたいことがあります。

スタンディングデスクを使えば健康になれるとは必ずしも言えないとしても、それだけで「買ってはいけない」ということにはなりません。多くの理由から、こうしたデスクをオフィスに置くのが良い選択になるケースもあります

腰痛を抱えているなどの理由で、立ち姿勢のほうが快適という人もいるでしょう。特に理由はなくても、仕事中は立っているほうが気分が良い、という人もいるはずです。

また、ランニングマシンなど、立ったままエクササイズができる器具とスタンディングデスクを組み合わせれば、仕事をしながら運動ができますから、効率性をとことん追求する人にはうってつけでしょう。

けれども、こうした「立っていることの効用」すべてを、何百ドルも費やさずに手に入れる方法があります

スタンディングデスクの唯一の機能は、仕事をするスペースの高さを上げ、快適な作業を促すことですから、いま使っているデスクの天板に上乗せする小型テーブルなら、100ドル以下で手に入れられます。あるいは、200ドルしない昇降式のデスクもあります

こういったものでも、高価なスタンディングデスクと同じ機能が実現できますし、健康上のメリットも変わりません(メリットが多いとは言えないでしょうが)。

もちろん、高級感のあるスタイルが好みで、いま働いているオフィスのインテリアにぴったりのスタンディングデスクが1000ドルするものしかないというのなら、それはそれで良いでしょう。

でも、もう少しいろいろな仕事のやり方を試してみたいというだけなら、大枚をはたく必要はないのです

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Source: Harvard Health Publishing(1, 2), Herman Miller, National Library of Medicine, CNN, BMJ Journals, Amazon, Walmart