「ゾーンに入る」と世界中のアスリートやトップパフォーマーたちはよく言いますが、心理学の研究によると、この状態(フロー状態とも呼ばれる)は、在宅勤務を含むあらゆる意識的な活動をしているときに達成できることが明らかになっています。
ゾーンに入るのは簡単なことではありません。
フロー状態に到達するには、高いスキルとチャレンジ精神のバランスが必要ですが、今日のデジタル時代には集中力を簡単に削がれてしまうことがあります。
しかし、幸いにも、フロー状態に達するための実用的なトリガーや感情的なトリガーは数多く存在します。
ここでは、デジタルを使って仕事をしながらフロー状態を実現しやすくする戦略をご紹介します。
1. 集中用オーディオを聴く

音楽はフロー状態に入るトリガーとしてよく知られており、仕事中の集中力を高めるもっとも簡単な方法の1つです。必要なのはヘッドフォンだけなので、デジタルワーク中に簡単に適用できます。
Brain.fm
Brain.fmは、集中力を高めるためにデザインされた機能的な音楽のコレクションです。Brain.fmの音楽は科学的な裏付けがあり、fMRIやEEGの脳スキャン技術とともに使用され、普通の音楽より効果が高いことが実証されています。
Brain.fmの音楽はYouTubeチャンネルで試聴できますが、Brain.fmのアプリを使うと、その良さを存分に活かせます。このアプリはサブスクベースですが、無料でトライアルを利用することができます。
「集中」タブでは、「ディープワーク」や「クリエイティブフロー」などのカテゴリーで、勉強に役立つ音楽が紹介されています。
また、「瞑想」タブもあり、仕事の前に心を調えたい時に便利です。自分の心と体に意識を集中させると、フロー状態になる強力なトリガーになるので、瞑想と仕事を組み合わせるのも有効な戦略です。
>>Brain.fmのダウンロードはこちら:Android|iOS (無料/アプリ内課金あり)
Noisli
Noisliも、仕事中の集中力を高めるためのさまざまなサウンドを備えたツールです。集中するために最適な音楽は人によって異なります。
その点、Noisliはサウンドが豊富に用意されており、試聴が可能です。広大な森の音に雨音を加えるなど、環境音を自由に組み合わせられるのもこのツールの特徴。
また、それぞれの音環境の音量を調整して、自分の好みに合わせることができます。
>>Noisliのダウンロードはこちら:Android|iOS(1.99ドル)
2. 明確な目標を設定する

多くの人は、長期的な目標に対してSMART基準を用いるなど、詳細な目標設定を実践しています。
これは有益なことですが、ミクロレベルの目標設定、つまり、日々の仕事を成功させるための個々のステップを考えることはあまり重視されていません。
この小さな目標設定の方法には、シンプルなアプローチが多くあります。デジタルワークの開始時に、軽いメモアプリを開いて、これからはじめる仕事の最中に意図することを書き留めましょう。
箇条書きにしたり、サブタスク用のインデントした箇条書きでもいいでしょう。たとえば、「Microsoft To Do」の「My Day」機能はこのような場合に便利なので、ぜひ試してみてください。
「明確で簡潔な目標を設定すること」は、フロー状態に入るトリガーの1つとして知られています。次のステップを明確にすることで、目の前の瞬間の文脈に立ち返り、意識を拡大し、生産性を向上させることができます。
また、小さな目標を設定することは、自己評価と内省のためにも重要であり、どちらも仕事における進歩の実感を強めてくれます。
3. 気が散る原因を排除する

これはフロー状態のトリガーの中でもわかりやすいものですが、その重要性は現代においては、どれほど強調しても足りないぐらいです。
フロー状態を定義する際、多くの場合、目の前のタスクに「完全に集中」することに尽きます。
デジタルを使う仕事は、対面での仕事に比べて、気が散る原因がはるかに多くなります。デスクトップで仕事をしているときは、スマホの電源を切るか、「おやすみモード」にしておきましょう。
それでもスマホ手に取りたくなるようなら、スマホを部屋の反対側に置いて、仕事に集中するようにしましょう。
スマホの電源を切っていても、デスクトップには気が散る原因がたくさん潜んでいて、ゾーンに入ることを妨げるかもしれません。
ブラウザの中で作業していると、信じられないほど簡単に目の前の作業から逸脱してしまうことがありますし、自動入力やブックマークなどの機能があると、無関係なページにアクセスしてしまいがちです。
しかし、ブラウザの拡張機能を使えば、気が散る原因になるものをブロックして、一度に1つのことにだけ集中することができます。
Windowsユーザーは、Windows 11の新しい「集中セッション」を使用して、不要なポップアップ通知によって集中力が途切れるのを防ぐことも可能です。
この洗練されたツールは、休憩付きタイマーを有効にする機能や、「Microsoft To Do」のタスクのための統合タブを備えています。
明確な目標設定という前述の戦略と、気が散る要因を排除したワークスペースを組み合わせる際に便利なオプションと言えます。
4. デジタル環境を整える

デジタルワークでもっとも難しいことの1つは、きちんと整理整頓された環境を維持すること。デスクトップ上に開いているタブやウィンドウが散乱していると、フロー状態になるために必要な没頭感が失われがちです。
デスクトップ上のものを整理する効率的な方法を身につければ、仕事の生産性を最大限に高め、フロー状態に入りやすくなります。
1つの方法として、コンテンツを分けるために複数のデスクトップを作成することがあります。
Windowsでは、検索バーの横にある「タスクの表示」のアイコンを選択すると、デスクトップの表示と作成ができます(まだWindows 10を使用しているならキーボードショートカットの「Windows + Tab」を使用してください)。
Macユーザーも「Mission Control」で同じことが可能です。
たとえば、仕事用のタブはまとめて1つのデスクトップに、ソーシャルメディアやメッセージングサイトは別のデスクトップに、というように、関連するウィンドウをより広いカテゴリーに分けることができます。
同じコンセプトで、ブラウザのウィンドウも、関連性の高いタブを1つのウィンドウにまとめておきましょう。
Chromeをはじめとする多くのブラウザでは、ウィンドウのタイトルバーを右クリックして「ウィンドウに名前をつける」を選択すると、各ウィンドウに名前を付けられるので、ウィンドウの中身を明確にすることができます。
ゾーンに入って仕事を成功に導く
一旦ゾーンに入っても、その状態を維持するのは大変です。仕事中はちょっとしたことで気が散ってしまい、いつの間にかゾーンに入っている状態が終わってしまうこともあります。
しかし、上記でご紹介した戦略を取り入れることで、至福の精神状態に向かって正しい方向に進むことができます。
デジタルワークに特化した上記の4つの方法を試して、仕事をこなし、生産性を高めましょう。
Source: Brain.fm, YouTube, Noisli, Google Play(1,2), App Store (1, 2), Microsoft To Do
Original Article: 4 Ways to Get in the Zone While Working Digitally by MakeUseOf