アルコール依存症の人は「アルコホリック(Alcoholic)」、仕事中毒の人は「ワーカホリック(Workaholic)」など、過度に何かをしてしまう、一定レベル以上にやりすぎてしまう状態のことを「〇〇ホリック」とよく表現します。
先日、最新の『TIME』を見ていたら「トーカホリック(Talkaholic)」という言葉に初めて遭遇しました。
これは、どんな時でも話さずにはいられない衝動を感じて、黙ってはいられない人のことを指すそうです。
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どんな時も黙っていられない「トーカホリック」な人の特徴
この記事の著者はライターのDan Lyons氏。
自分の失言から仕事や新しい仕事のチャンスを失ったり、離婚寸前までいったという「口は災いの元」の人生を送ってきた彼が、自分のトーカホリズム(talkaholism)の改善に努めた経験を語っています。
トーカホリックとは単なるおしゃべり好きのレベルではありません。何といっても「ホリック」なのですから、それは依存症のレベル。
トーカホリックは黙っていることができないし、話を止めろといって止められるようなものではないそうです。
自他ともに認めるトーカホリックのLyons氏の言葉を借りれば、以下の通り。
トーカホリックは、ある日気づいて少なく話そうと決心できるようなものではありません。彼らは強迫観念的に話をするのです。
他人より少し話が多いというレベルではなく、他人よりもずっと多く話し、他人から話しすぎだと思われているのを知っていても、あらゆる状況で常に話してしまう。
そして、自分にとって胸をえぐられるように辛いのは、トーカホリックは自分が言おうとしていることが自分を傷つけるだろうとわかっていても、話し続けてしまうこと。ただただ話すことを止められないのです。
Lyons氏は、専門家との対話やリサーチから、トーカホリズムは生まれつきで、治すことができないと知ります。左右の脳のニューロン活動のバランスが崩れており、右が左よりも活発だと話好きになるそうです。
でも、「何とかトーカホリズムを改善したい!」と、Lyons氏は「話したいという衝動」から距離を置く方法を模索します。
電話の時には話すべきことをメモして、落ち着いて話すようにする。机の前に「静かに! 人の話を聞く! 答えは短く!」などと印刷された書かれた紙を貼る…。
こうして、気まずい沈黙に慣れるように努力して、自分の話し方と聞き方を意識するようにしていくと、次第に家族関係が改善していったそうです。