動画、SNSのフィード、ニュースまで、あらゆる情報がAIによって個人に最適化される時代。
1人ひとりの属性や興味関心、行動特性などに基づいて、サービスや情報を提供するパーソナライゼーション(Personalization)は、その現象の1つです。
これまでコンテンツやアプリで広く活用されていましたが、近年、その概念をプロダクトにも応用する企業が増えています。
車が専属アシスタントに? 「単なる乗り物」ではなくなる未来が近い
フィアット・クライスラー・オートモービルズを前身とする自動車メーカーStellantis(ステランティス)は、数年前からパーソナライズドサービスに注力。
2022年には、車内に搭載したソフトウェアがオーナーに対して旅行の計画を提案、写真撮影やSNSへの投稿を行なってくれるサービスを展開しています。
また、先日開催されたテクノロジーの見本市CES2023ではBMWからも新たなリリースが。
AIの音声認識機能を活用し、オーナーに対して専属ヘルプアシスタントのような機能を搭載するほか、ドライバーの好みや気分に合わせて32色の中からボディカラーを変更することも可能になるのだとか。
さらには、AR技術を用いてメタバース空間と接続してくれたりと、車や運転に対する既存概念を覆すような興味深いサービスも!
今後、他社もこの流れに追随するのか、動向が気になるところです。
身近な商品にも広がるパーソナライゼーションにはどんなものが?

パーソナライズドサービスは、私たちの身近なプロダクトにまで広がりを見せています。ここでは各カテゴリごとにいくつかの事例をご紹介。
食品
・食の好みなど、簡単な診断をもとにおやつを届けてくれる「snaq.me」(実際の体験レポはこちら)
・身長、体重や運動、睡眠習慣などの診断結果から最適な食事を届けてくれるカスタムミールデリバリー「YOUR MEAL」(1週間試してみたレポはこちら)
日用品
・スマホ連携で最適な抽出を叶えてくれるティーポット「teplo」
こちらは世界初のパーソナライズ機能を搭載し、飲み手に最適な1杯をつくり出してくれるのだとか。
内蔵する6つのセンサーにより、脈拍、指の温度、室温、湿度、照度、騒⾳レベルを計測し、飲み⼿の気分や体調、周囲環境を解析して独⾃のアルゴリズムで抽出温度と時間を導き出し、飲み手に最適な状態のお茶を淹れます。
・体型やライフスタイルに合わせてAIがパーソナライズドマットレスを製作してくれる「xSleep」
スキンケア・コスメ
・L'Oreal(ロレアル)がCES2023で発表したのはパーソナライズドコスメ。
スマホで自分の顔を撮影すると、1人ひとりに合った成分や色味のスキンケア、リップ、ファンデーションを調合してくれます。近未来感がすごい…!
・心やカラダ、ライフスタイルを診断して調合してくれるパーソナライズド入浴剤「DAY TWO」
・5万通りの組み合わせから髪質に合ったヘアプロダクトを提案してくれる「MEDULLA」
どのジャンルでも、数多ある商品の中から自分に合ったものを探すのは一苦労。
パーソナライズされたものがはじめからわかっていれば、無駄なお金、時間、労力を使うことなく、コスパもタイパも◎。購入ハードルもグッと下がりそうです。