多忙を極めた年末年始が終わって新年を迎え、本格的に2023年をどんな年にするか、考えはじめている人が多いのではないでしょうか。どんどん長くなっていくTo Doリストを、今年こそは片付けたいと思っている人もいるかもしれません。
けれども、やるべきことが増えれば増えるほど、ますます手をつけられなくなるのはどうしてなのでしょうか。
それは、「頭がパンクしてフリーズしている」からです。そうなってしまえば、生産性やメンタルヘルスに影響します。しかし、乗り越えられない状況だというわけではありません。
では、どう対処すれば良いのでしょうか?
頭がパンクしてフリーズするってどういうこと?
やるべきことが多すぎて頭がパンクし、フリーズしてしまう状況は、「タスク麻痺」とも呼ばれています。「やるべきタスクが山のようにある」と頭ではわかってはいても、いざ着手しようとすると無力感を覚えるのです。
ただ、必ずしも、「どこから」手をつけたらいいのかわからないということではありません。たしかに、それもフリーズする一因ではありますが、それよりむしろ、「どうやって」手をつけたらいいのかがわからないのです。
なぜなら、やるべきことが山積していると、脳はその状況を「脅威」として認識し、その脅威への反応としてフリーズしてしまうからです(その反対が「闘争・逃走反応」です)。
やるべきことがあまりにもたくさんあって、「失敗するのではないかというおそれ」、あるいは「ほかの人の期待を裏切ってしまうのではないかというおそれ」を抱く可能性があります。
米ボストン大学ボストン大学不安関連症センターの臨床アシスタントプロフェッサー、Ellen Hendriksen氏は先ごろ、『ニューヨーク・タイムズ』紙でそう語っています。
自分は愚かな人間だとか、無能だという不安を抱くこともあります。どこから手をつけたらいいのか、どうすればいいのか、わからないわけですから。
フリーズしそうになった時は
「やるべきこと」を小分けにして書き出す
To Doリストを書き出すのは、画期的な方法というわけではありません。けれども、リストを作成することで大きな違いが出ることもあるので、ここでぜひ触れておきましょう。
やるべきことをただ頭の中でリストアップするのではなく、やるべきタスクを実際に書き出すことに意味があるのです。
タスクを書き出す時のコツ
- 大きなタスクをリストに加える時は、完了させやすい「小さなタスクに小分け」にする。
- それらを実際に済ませたら、チェックマークをつける。
たとえば、「キッチンを掃除する」と書くのではなく、「皿を洗う」「カウンターをきれいにする」「床に掃除機をかける」といったように、細かい作業に分けるのです。
やるべき作業がずらりと書き連ねてあるリストを見た瞬間は、そのあまりの多さに、頭がますますパンクしてしまう気がするかもしれません。
しかし、大きな作業を細かく分ければ、チェックをつけられる項目も増えます。チェックをつけていくうちに気分が上がり、もっと続けようというやる気が起きてくるのです。
また、やるべきタスクを目ではっきりと確認できれば、タスクの多さに押しつぶされてしまうような感覚が弱まるかもしれません。積もりに積もったやるべきタスクを頭の中に思い浮かべて、プレッシャーを感じるという状況に陥らずに済みます。
パーフェクトを目指さない
完璧主義者に対して、「パーフェクトを目指さない」と言ったところで、そう簡単にはできないでしょう。けれども、「最終仕上げ」だと称して、いつまでも1つのタスクにこだわり、ほかの作業への着手を先延ばしすることのないよう、努めてください。
どんなことであろうが、パーフェクトなんてあり得ないのです(少なくとも、完璧主義者にとってはそうでしょう)。
ですから、リストアップしたタスクひとつひとつを丁寧にこなし、これで十分だというレベルに達したら、次のタスクに移ってください。
To Doリストの処理を習慣化する
To Doリストを少しずつ処理していけるよう、そのための時間を毎日のスケジュールに組み込みましょう。1時間が無理なら30分、いや、15分でもかまいません。
可能なら、毎日同じ時間に設定してください。そうすれば、To Doリストに取り組むことが習慣化できますよ。
Source: The NewYork Times, Psych Central