資格試験など勉強に使う筆記具は、やはりボールペンよりも書き消しできるシャープペンシルが便利です。
ただ、静かな場所でシャープペンを使っていると、芯を出すためのカチカチというノック音が響いて、ちょっとまわりが気になることも。
「ノック音がうるさいなら自動芯出機能のシャープペンを使えばいいじゃない?」と思われるかもしれませんが、芯出しノックは長時間筆記をするうえで程よい息継ぎになるため、ノックそのものがないのは困る人も多いんです。
であれば、求められるのは「シャープペンの静音ノック機能」ということになるはず。
静音設計を取り入れた定番シャープで解決です
そこでオススメしたいのが、お馴染みのドクターグリップ(通称ドクグリ)のシリーズ最新版シャープペン、パイロット「THE Dr.Grip(ザ・ドクターグリップ)」です。
発売から30年が経つ大定番ブランドに定冠詞の「The」をつけた商品名というのは、文房具業界的になかなかレア。このシャープペンに対するパイロットの本気が感じられるネーミングだと思います。

とはいっても、従来と比べて外見的に特段変わったところはなさそう。
人間工学に基づいた握りやすいサイズの太軸に、指の負担を軽減する鼓型のシリコングリップ、クリップレスなところも含めて、いつも通りのドクグリだなという雰囲気です。
では何が今までと違うのか? というと、最大のポイントは徹底した静音設計です。
芯を出す際の「カチカチ音」を低減

芯を出すために軸後端のノックノブを押すと、もちろん押し込み感は指に感じますが、いつもの「カチッ!カチッ!」という高音域に響く音はありません。
「カショ、カショ」ぐらいのかなり大人しい音がするぐらいで、これならテスト中でも周囲に対して「ノック音が響いて申し訳ないなー」という気兼ねはほとんど要らなさそう(メーカー公称値で、操作音を50%低減とのこと)。

軸を振って芯を出す際の音や衝撃も驚くほどマイルドに
もう1つ、ドクターグリップといえば、軸を振るだけで芯を送り出せる「フレフレ機能」も重要なポイント。
実際、このフレフレ機能のためにドクグリを選び続けるファンもいるぐらいなんですが、とはいえ芯を出すために内蔵のオモリが上下する際のガシャガシャという衝撃は、ノックノブを押す音以上に響きます。
なので当然ながら、「ザ・ドクターグリップ」はフレフレ機能も静音対策済み。

こちらはオモリを受け止めるバネの強度を調整することで、音と衝撃を大きく低減。
使ってみると、今までの派手なガシャガシャ音や衝撃はなんだったの? というほどマイルドに。正直、これはかなり驚かされました。
フレフレに慣れると、ほぼ無意識に振って芯出しするようになるんですが、そのたびに音の大きさで集中力を削がれてしまうことも。これがマイルドに静音化されたことで集中力を継続させる効果もありそう。
ただ、従来はかなり雑に振ってても芯が出たんですが、新フレフレは芯をスムーズに出せる角度の判定がややシビアになった印象もあります。この辺りはちょっと慣れが必要かも。
地味にうれしいフレフレロック
加えて、「フレフレロック」もありがたい機能の1つ。
軸を中央からねじって「FURE FURE LOCK」マークを約90度回転させることで、フレフレ機能のオンオフを切り替えることができるんです。
これなら、移動中の振動でフレフレ機能が働いて芯が勝手に出る、というトラブルが発生しないので、ペンケースの中を芯が暴れ回って汚すことがありません。
フレフレロック中もノックノブ押し込みによる芯出しは可能なので、咄嗟の書き出しに慌てることもなさそうです。

近年、静音ノック機能を搭載したボールペンが注目されていますが、ノックを多用するシャープペンの静音ノック化は、それ以上に価値があると思います。
静まりかえった場所でもまわりに気兼ねなくノックして書き出せるのは、わりとストレスフリー。今までにノック音を気にしたことがある人なら、使ってみる価値はありそうです。