献立はAIに頼めばOK?
3月は引っ越しなど、新しい生活をはじめるシーズン。これから一人暮らしをスタートする時に直面するのが、自炊をどうするかという問題です。
健康な食事をしたいから、料理しなければという気持ちはあっても、いちいちレシピを検索して献立を立てるのは正直めんどうな時もありますよね。
そこで僕は思いました。「AIに決めてもらえば良いんじゃないか?」と。
ちょうど編集部員4名でコテージに3日間滞在することになっていたので、3日間のすべての食事の献立をChatGPTに考えてもらいました。
結果:レシピ本よりも良かった
献立を外注するのに一般的なのは、レシピ本やレシピサイトだと思います。
でもこれ、パスタくらいしかまともにつくらない僕には、ちょっと能動的すぎるんですよね。
ページを開いても、最後に何をつくるか決めるのは自分なので。その点、今回はとても受動的に料理ができて良かったです。
今回、ChatGPTにご飯の決定権を渡した結果できあがったのは、無慈悲な計算の結果生成されてしまった激ヤバAI飯…ではなく、意外にも健康的な食事たちでした。
実際に調理していくのにあたって「AIさん、もうちょっと人間に気を使ってよ!」と文句もありましたが、無事3日間やり切ることができました。
編集部員4名がローテーションで料理を担当しました。その成果をお届けします。
1日目
夕食

パスタに肉野菜炒めにお味噌汁。食べ合わせはよくわからないけど、シンプルでおいしかったです。
ただ、

この味噌汁の材料、何か足りないですよね? そう、日本人の魂、ダシです。
でもChatGPTに言われたとおりにつくらないといけないので、ダシなしで味噌汁をつくったところ、意外においしい。
…魂なんてなかったのか?
2日目
朝食
理由があって、朝食は抜きです。
夕食を見ていただければ理由がわかります。
昼食

彩りがステキ。調理工程自体は簡単ですが、にんじん4本をピーラーで薄くしていく作業は苦痛すぎました。

ChatGPTへの質問で「あなたは栄養士です」といったのが効いているのでしょうか。
夕食

これ、実は朝食にするはずだったのです。
朝、お米を炊こうとした時、玄米は最低でも6〜7時間以上浸水が必要らしいと知りました。 やってくれましたね。ChatGPT。

「玄米は浸水時間が長いから、前日に準備しておくの常識でしょ?」とAIに試されている気持ち。
午前中から玄米を浸水して、夕方にやっと炊けるようになりました。
調理工程としては、4人分のおにぎりを握るのが大変でした。これは握る必要あったのか? ChatGPTは、人間の労働力と気力が無限だと思っているんじゃないかと疑ってしまいます。
キャベツのスクランブルエッグは発想になかったけど、野菜もとれるし、良い感じでした。
写真にないですが、ヨーグルトをデザートで食べました。
ここで体力の限界が来たので、もう1食は3日目の朝に繰り越すことにします。
3日目
朝食

2日目の夕食になるはずだったレシピで、朝食をつくろうと思ったら、


切り干し大根の煮物を、ただの大根からつくろうとしていました。サツマイモのグラタンもオーブンがないのでできません。
献立にはありますが、材料にお米がなかったので、購入できておらず、お米抜きが確定。
現実的な、別の選択肢を考えてもらいました。

サツマイモの煮物は素朴な味でなかなかいけます。
もう一品、豚肉の炒め物があったはずですが、調理中に炒め物にする材料をすべて豚汁に入れてしまったので、炒め物はつくれませんでした。
代わりに、豚汁は食べ応え抜群になっています。お米抜きです。ストイック。
ChatGPTに献立を考えてもらう時の反省点
・下準備があればちゃんと教えてもらう
・用意したほうが良い調味料があるか確認する(ダシの素など)
昼食

これはおいしい! 和食続きだったので、洋食が食べたくなってリクエストしました。
アメリカ生まれのChatGPT。洋食のほうが得意なのかもしれませんね。
サラダのトマトの皮はわざわざ剥く必要があったのか? 疑問ではあります。
とうとう次が最後なので、ちょっと変わりダネを用意してもらおうと、少し難しいお願いをしました。
夕食


ピザ!? と驚きましたが、ChatBBQの言葉を信じます。


ジャンクでおいしい! BBQのシメにピザは発想がなかったけど、これは超ありですね。
AIに献立を考えてもらっても、つくるのは人間です。なので、ほかの編集部員につくってもらった料理はおいしいという感覚が常にあったのがおもしろいところでした。
ChatGPTにお願いごと
ChatGPTは、一瞬でプログラムのコードを書いたり、文章を要約したり、仕事の効率化や時間短縮ができたりする、スペシャルな存在だと騒がれています。
一方で、いろいろな人がもっと素朴なことに「使える」ようになれば良いなと個人的に思います。
ChatGPTから望みどおりの回答を得るには、ある程度クオリティの高い質問をする必要があるので、多くの人が普段の会話のようなテンポと文章レベルで良い回答をもらえたら良いなと思ったわけです。
人間の代わりにAIに話し相手になってもらえないかな? と思うほど、僕がAIに可能性を感じていて、既存のマインドが変わろうとしているということかもしれません。
今回使用したのは、ChatGPT-3.5でした。現在はアップデート版、ChatGPT-4が使用可能になっているので、また献立を考えてもらいたいです。
今回のChatGPTとの会話まとめ
ChatGPTご飯のレシピや材料の全貌が気になる方は、以下のリンクからスクリーンショットに飛んでみてください。
1日目
・夕食のレシピ
2日目
3日目
執筆: マエノケンタ
ギズモード・ジャパンより転載(2023.3.16公開記事)