現代のあらゆるソーシャルネットワークと同様に、LinkedInもキャリアについての持論をもったいぶって披露し、話題や評判を集めようとするユーザーでいつも溢れかえっています。
LinkedInは、FacebookやTwitterほど有害ではなく、はるかに安全で、SNSで繰り広げられる文化的な戦いとは(おおむね)無縁な立場を維持していますが、そんなLinkedInにも「人に注目されたい」という風潮は蔓延しています。
それを強化しているのが、LinkedInという場を利用して、ビジネス世界についての教えを説く「導師」やインフルエンサーたちです。
こうしたことがLinkedInの雰囲気を作っていると思われますし、中には、自分も多大なエネルギーを費やして「自身のブランドを構築」すべきではないかと感じる人もいるでしょう。
けれども、そういうことはすべて無視するのが大切です。
LinkedInは、キャリアアップのための情報源として利用すべきであり、自身の職業人としてのイメージを宣伝する場にすべきではありません。
その理由を以下でお話ししましょう。
◎「有意義な1つの繋がり」 ×「表面的な500の繋がり」
現代の企業文化は、SNSによって歪められてしまう可能性があります。
SNSはしばしば、働く人たちに対して自分自身のいわゆる「パーソナルブランド」を構築する責任を負わせるからです(人々は「仕事を求める労働者」としてではなく、むしろ企業に自分を雇いたいと思わせるプロであることが期待されます)。
その結果、LinkedInには暗黙のうちに競争文化が生まれます。ユーザーは、自分が職業人として引く手数多だと見せかけるため、できる限り多くの繋がりを集めるようになります。
とはいえ、それではその人がどんなスキルを持っていて、雇用に値するのかどうかについては何1つわかりません。
ともに仕事をする機会もなさそうな人たちとのつながりをかき集めることで、パーソナルブランドの表面的なイメージは大いに強化されるでしょう(それが何を意味するにせよ)。けれども、それは現実的には役に立ちません。
ならば、LinkedInで不必要な「つながりリクエスト」が届いたら、承認を見送ってみてはどうでしょうか?
本当に有意義な関係は、職業人として互いに共通する関心事や向上心がきっかけで生まれるものです。
もちろん、直接面識のない人たちと繋がってネットワーク作りをするのは構いませんが、もっと的を絞った、有益な形で相手と繋がることを心がけてみましょう。
あとは、それに応じて適切に関係を育み、どの繋がりから成果が生まれるか様子を見ることです。
◎「具体的な実績」 ×「成功談・失敗談」
あなたは、リチャード・ブランソンのような世界的な起業家ではありません。
誰もあなたに、革新的なマーケティング戦略を構築する苦労に関する賢人の知恵を乞うてはいませんし、スタートアップの株式公開についてアドバイスを求めているわけでもないのです。
LinkedInで話題になる投稿には、謙虚なふりをした自慢話という要素を含んだものがしばしば見受けられます。その多くは、基本のパターンがほぼ同じ。
自分が逆境の中でどうやって職業的な成功を収めたかを、大げさな言葉で熱く語るものです。
自分の成功談や失敗談を投稿するのはまったく問題ないのですが、LinkedInのインフルエンサーやパワーユーザーが仕掛けた罠にはまる必要はありません。
ビジネス界で出世の階段を上ってきた経緯を長々と書き連ねるよりも、履歴書に書き加えるような、自分が取り組んだプロジェクトや業績をシェアしてみてはどうでしょうか。
現実的に考えれば、「不屈の精神」を美しく綴った投稿よりも、自分が関わった仕事の例を紹介する投稿のほうが、自分を雇ってくれそうな人にアピールできる可能性は高いでしょう。
LinkedInで活用すべき便利ツール3選
投稿が広く話題を呼べば、きっと活発なやりとりが展開されるでしょう。
けれども、LinkedInがプラットフォームとして重視しているのは、自分に目を留めさせるツールをユーザーに活用してもらうことです。それらの機能は、生き生きとしたデジタル履歴書を作成するのに役立ちます。
1. メディア サンプルの追加・共有
まずは、自分のプロフィールにメディア サンプルのファイルを追加し、ぜひとも見てほしいプロジェクトを公開しましょう。
2. 「推薦」機能
LinkedInに初期から存在していて、今もなくてはならない機能が「推薦」です。ここには、あなたのセールスポイントについて、現在または昔の同僚が書いてくれた推薦文が表示されます。
3. 「関心トピック」機能
自分のプロフィールをもっと最適化したい場合は、「関心トピック」を挙げておいてもいいでしょう。
あなたと繋がりたいと思っている人たちに向けて自分の興味のあることを示しておけば、相手は少なくともやりとりしてみるべきかどうかを判断できます。
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もちろん、LinkedInを一切使わなくても、2021年にキャリアを構築していくことはできます。
けれども、LinkedInが価値あるプラットフォームだとまだ考えているなら、あからさまに話題性を狙わなくとも成果を得られる活用法があるのです。
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Image: Ink Drop/Shutterstock.com
Source: LinkedIn(1, 2, 3, 4), Hacker Noon
Sam Blum - Lifehacker US[原文]