ランニングをする人は、自分に厳しくなりがちです。
走り終わってタイムを確認し、「自分はなんて遅いんだ」と嘆くかもしれません。あるいは、「足が痛い。水ぶくれができてしまったかな?」と思うかもしれませんし、ランニング中に「もう嫌だ、まだ折り返し地点なんて」という心の声が漏れる人もいるでしょう。
でも、瞑想アプリ「Headspace」のサイトで特集された、コメディアンのKevin Hart氏の新しい「マインドフル・ランニング」シリーズをきっかけにして、私は少し違った考え方をするようになりました。
そこで、Hart氏本人がランニング中に何を考えているのか、電話インタビューを行ないました。
自分の身体に意識を向ける
マインドフルネスには、自分の感情や周囲の環境に注目するという要素がしばしば絡んできますが、ランニング中に自分の身体へ意識を向けるのは気が進まないかもしれません。苦しさにフォーカスしてしまいそうだ、ということもあるでしょう。
でも、ときどきそちらに意識を向ければ、身体で起きていることをもっと正確に評価できるようになるとHart氏は言います。ペースを落とす必要があるのか、休憩するべきなのか。身体に意識を向けることは、それを知る手がかりになるのです。
「もっと走れるぞ。悪くない感じだ」と身体が教えてくれることもあると、Hart氏は言います。そうやって身体に意識を向けながら走っているうちに、ランニング中に自分はどう感じているのかを身体に学ばせ、同時に、自分の能力が実際はどの程度なのかもわかるようになります。
考えよう。でも考えすぎはダメ
ランニングしながら思考をさまよわせることはかまいません。「思考がさまよっているのに気づいたら、すぐに意識を身体と環境に向けなさい」というアドバイスが今にも聞こえてきそうですが、Hart氏の意見は違います。
ときどき一人きりになって、自分自身のために考えるのは良いことです。考えが整理されて、はっきりしますから。
走っているときや、家でランニングについて考えているときに、自分がどんな種類の思考をしているのかに気づくことにも意義があります。わたしたちはときとして、些細なことを考えすぎてしまう、とHart氏は言います。
そして、考えすぎてしまうと、その些細なことは「大きなこと」になってしまいます。
Hart氏は、マラソンのためのトレーニングをしていたときのことを話してくれました。トレーニングの間ずっと、「レース中にけいれんを起こしてしまうかも」といったような、悪いことが起きるかもしれないと考えていたのだそうです。
結局、悲観的に思い描いていた「こうなったらどうしよう」というシナリオは、どれ一つとして実際には起きませんでした。でも、心配ばかりしていたせいで「言葉がほとんど現実になってしまいそうだった」とHart氏は語りました。
ランニングがしっくりこなくても大丈夫
Hart氏はマインドフルランニング特集の中で、ランニングを愛することについても語りました。そこでは「自分自身に対して優しくなるスキルを磨く必要がある」と話しています。
米Lifehackerではこれまで、ランニングに慣れることの身体的な側面に触れてきました。たとえば、「ペースを落とす」とか「いつも必ず全力を出さなければいけないわけではないと身体に教えこむ(英文)」といったことです。
けれども、メンタル面においても習得していくべきことはあります。
「どんな人にでもあてはまる最善のアドバイスは、“自分に合ったペースでいい”ということです」とHart氏は言います。ランニングを楽しみたいのなら、そんなふうに取り組むべきかもしれません。自分にちょっとした課題を与えて、それができたら達成感を存分に味わいましょう。
そうした方法はやりがいを感じられるでしょう。なぜなら、自分自身に挑戦することになるからです。そうすることで、ますます成長していくことでしょう。
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Image: Getty Images
Reference: Headspace
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]