2018年4月14日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
衝動買いの対象は、必ずしも贅沢品とは限りません。私たちは、家庭用洗剤などのつまらないものも、ついつい買ってしまいます。
ある研究によると、私たちは実用的で便利な品物を買うのが好きで、それが衝動買いをさらに危険なものにしていることがわかっています。
日用品を買う場合、ためらうことはあまりありません。
特別な感じがしないので、当たり前のようにそれをAmazonのカートに放り込んでしまいます。
ほとんどの人は、出費に関する意識をほんの少し高めれば、そこからプラスの効果を得られるでしょう。そこで役立つのが「出費のルール」です。
今回は、私のお気に入りルールを5つご紹介しましょう。
1.衝動買いを抑える「10/10」ルール
高級なコーヒーメーカーが30ドルで売られていたとしましょう。
今のあなたは新しいのが必要なわけではありません。支払わなければならない請求書もあります。
でも、ここはおしゃれなお店で、Bonavitaのコーヒーメーカーがクリアランスセールで安売りされています。
あなたは、誘惑に負けて散財すべきかどうか迷っています。コーヒーを本当によく飲みますからね。
こんな時のために私が考え出したのが、「10/10ルール」です。
その目的は、あれこれ迷うことに費やす時間と、お金の浪費を防ぐことです。買うべきかどうか考えるための時間を10分間、自分に与えるのです。
10分たってもまだ踏ん切りがつかない時は、その品物が10ドル以上の場合は買いません。10ドル以下の場合は、とりあえず買って、時間の浪費を防ぎます。
ようするに、こういうことです。
- 衝動買いに10ドル以上のお金を使いません。
- 買うかどうか考えるのに10分以上の時間を使いません。
このルールに従えば、出費について考えるための十分な時間を自分に与えられます。だからといって、時間の浪費というほどの長さではありません。
また、散財の上限が決まっているので、家計もうまく管理できます。
時間と金額は自分の好みに合わせて変えてもいいですが、私には「10/10」がちょうどいいようです。たいていは、手に取った商品を棚に戻す結果になります。
このルールを設けただけで、衝動買いしそうになるたびに、「衝動買いは良くない」と思い出せるようになりました。
2.「使用回数」ルール
このルールのバリエーションは、少し前からあちこちで広まっていますが、基本はどれも同じです。
買おうと思っている商品の使用回数を予想し、1回あたりの値段を計算するのです。
そして、「1回あたり」の出費額の上限を、たとえば1ドルなどと決めておきます。
400ドルの新しいロボット掃除機の購入を検討しているとしましょう。あなたの予想では、寿命は5年、使用頻度は週1回です。つまり使用回数は260回です。
値段は400ドルなので、1回の使用にかかる費用は1.50ドルです。1回あたりの出費額の上限が1ドルの場合、この掃除機は値段に見合わないことになります。
ですが、このルールは絶対ではありません。
アパートがペットの毛だらけで、毎週の掃除に手を焼いている人には、予算オーバー分の50セントにはそれだけの価値があるかもしれません。
一方、このルールは、無駄遣いを正当化するのにも使えてしまいます。
たしかにBonavitaのコーヒーメーカはすぐれものです。1回の使用にかかる費用の点でも、値段に見合う価値は十分あるでしょう。
でも、あなたが今使っているコーヒーメーカーには何の問題もありません。それに、ただでさえあなたの家計は苦しくなっています。
このように、これが逆に足を引っぱる例はいくらでもあります。ですから、「使用回数」ルールは、判断のための出発点として使うようにしましょう。
つまりこのルールは、あくまでも、買おうかどうか迷っているものについて、考えを少し深めるためのものであることをお忘れなく。
この点に関してなら、このルールはきっとあなたに力を貸してくれるはずです。
3.「1週間待つ」ルール
私はこのルールを友人から教えてもらいました。
このルールでは、100ドル以上のものを買いたい場合、たとえおそらく買うことになるのがわかっていても、1週間待たなければなりません。
こうすることで、友人はその商品について合理的に考える機会を自分に与えているのです。「それから、いろいろ調べて、確実に一番安い値段で買うための時間も得られる」とその友人は言っています。
このルールも、自分に合わせて調整してもらってかまいません。
たとえば、25ドル以上のものを買う時は24時間待つとか、100ドル以上のものの場合は1カ月待つとかいったように。この「待つ」プロセスを自分に強いることで、より多くの情報にもとづいた合理的な買い物ができるようになります。
また、お金をきちんと管理しているという感覚も少し高めてくれます。
つまり、後悔したり、お金に対する無力感にさいなまれたりする代わりに、自分が主導権をにぎり、決断を下し仕切っているという感覚が生まれます。
買いたいものが、すてきなデザインや質感を持っているように思えたとしても、お金を扱う時には、決して感情の力を見くびってはいけません。
4.「散財したら貯金」ルール
私が気に入っているルールの1つです。なぜなら、このルールはWin-Winだからです。このルールを使えば、浪費家の人でも、お金のやりくりが(いくらか)うまくなります。
説明しましょう。
要するに、衝動買いの誘惑に負けてしまうたびに、一定額を貯金すると自分に誓うのです。
貯金する額は、散財に費やした額と同じでもかまいませんし、その額の何割という決め方でもかまいません。あるいは、適当な額をあらかじめ設定しておいてもかまいません。
たとえば、「予算外のものを買った時には、その金額の半分を貯金する」と決めたとします。その場合、さきほどのコーヒーメーカーを衝動買いしたら、45ドル(30ドル+15ドル)が財布から出て行くことになります。
このルールに従えば、あなたがどんな決断を下そうとも、お金が貯まります。散財しなければ、そのお金は財布に残ります。
反対に、散財しても貯金することになります。散財した場合、さらに多くのお金が財布から出て行くので、何を買うにしてももう少し考えなければならなくなるのです。
5. 衝動買いのための予算を確保する
正確には、これはルールではありません。衝動買いに費やすお金の上限です。
当然のことながら、衝動買いは予想できません。
どれだけ自分は自制心が強くて、何に対してもノーと言えると思っていても、あなたが人間である以上、誘惑に負けてしまうこともあるでしょう(この記事を読んでいるということは、きっとそうだからですよね?)。だったらいっそのこと、境界線を引いておいてはいかがでしょう。
自分の収入に合わせて、25ドル、50ドル、100ドル……といったように、衝動買いに使えるお金を毎月取り分けておくのです。
無駄なお金を使わないのが1番いいに決まっていますが、人間なら誘惑に負けてしまう時もあります。けれども、そのための予算をつくっておけば、最悪の場合に備えられます(それでいて、誘惑に抵抗を試みることもできます!)。
さらに、これには散財を抑える効果もあります。上限がなければ、コーヒーメーカーとロボット掃除機を両方とも買ってしまうかもしれません。
人生は一度きりなのだから、その一度きりの人生をネコの毛にまみれて過ごしたくないなどと自分に言い聞かせて、予算を度外視してしまうのです。
けれども上限を設定しておけば、時々なら無理のない範囲で誘惑に負ける自由を自分に許すことができます。そのためにも金額を決めておきましょう。
イヌたちだってごほうびをもらうのです。たまには自分にごほうびをあげてもかまわないでしょう(収入に合わせて、あとで借金しなくてもいいように注意するのは当然ですが)。
家賃を払う余裕がある状態でのごほうびは格別です。自分に合ったルールをいくつか作っておきましょう。
そうすれば、それほど苦労しなくても、意志の力を奮い起こせるようになりますよ。
Image: Andry_Popov/Shutterstock.com
Source: Oxford Academic
Kristin Wong - Lifehacker US[原文]
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