「やりたいこと」が見つかる時間編集術』(長倉顕太 著、あさ出版)の著者といえば、数々のベストセラーを手がけてきた編集者としての実績が有名。

独立後の現在は、コンテンツのプロデュース/マーケティングから教育事業まで、さまざまな業務に携わっているそうです。

新刊である本書でクローズアップしているのは、「編集」の価値。多くの情報が氾濫し、誰もが混乱している状況下であるからこそ、「情報を集めて編む」という「編集」が大きな意味を持つというわけです。

しかも「編集」のスキルは、人生のあらゆる場面で使えるものでもあります。

そこで、それを「時間」や「人生」に活用しようというコンセプトなのです。

僕は大学卒業後、就職もせずにブラブラしていました。

ところが、「編集」に出会って人生が変わりました。「編集」はどんなことにも応用が効くスキルです。(「まえがき」より)

ここからもわかるとおり、著者はここで、本を編集することによって培った「編集」を広い視野で捉えています。

具体的にいえば、そのスキルを「時間の使い方」のように身近なことはもちろんのこと、「人生」そのものにも活かせるようにまとめているわけです。

なお、核になっているのは、「どう時間を使うか」ということについて著者が提案する「プロダクティブタイム」の使い方です。

「プロダクティブタイム」にやるべきこと

ところで、「プロダクティブタイム」とはどのようなものなのでしょうか?

文字通り、「生産性」を重視する時間です。成果を生み出す時間とも言えます。

「プロダクティブタイム」の目的は、「アンプロダクティブタイム」をより多く生み出すことです。「プロダクティブタイム」を短縮して、できるだけ長く、「アンプロダクティブタイム」を持てるようにします。(70ページより)

“productive”とは“生産的”という意味ですから、「プロダクティブタイム」は“生産的な時間”。

対する“unproductive time”は、“非生産的な時間”ということになります。

非生産的というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、“非生産的な時間”を持つことは、意外に重要なことでもあるはず。

たとえば、いままで8時間でやっていたことを4時間で終わらせることができれば、4時間の「アンプロダクティブタイム」が生まれることになります。

つまりプロダクティブタイムの効率を上げることが、使える時間を増やすことになるということ。

そんな「アンプロダクティブタイム」のことを著者は“資産”と表現していますが、たしかにそれは“成果”とは対極にある大切な要素なのかもしれません。(70ページより)

1.5倍速で生きるための時間の使い方

ただ、「プロダクティブタイム」を減らそうとはいっても、一度定着してしまった習慣を壊すのは現実問題として難しいものでもあります。

ここで問題にすべきは、世の中の多くの人がスケジュールを1時間単位で考えがちであるということ。

たとえばビジネスシーンにおいても、特に意図はないにもかかわらず、会議が1時間単位でスケジュールされていたりします。

そのため、短時間で終わる仕事にも、わざわざ1時間かけるなどということも少なくないわけです。そこで著者は、そうした無駄な時間を省くため、1時間を45分もしくは40分単位にすることを勧めています。

1時間で終わるものなら、45分で必ず終わるようにします。

つまり、約1.5倍速にするということです。

たとえば、YouTubeなどの動画を1.5倍速で観ることはないでしょうか。もし1.5倍速で観たことがなければ、ぜひ試してみてください。

1.5倍速でもまったく問題なく観ることができることに気づくでしょう。(79ページより)

たしかにそう考えれば、1時間でやっていたものを45分で終わらせることはそれほど難しくないのかもしれません。

そして、このような“ちょっとしたアイデア”を取り入れることで、1日8時間かけていたものを6時間で終わらせることができるようになったりします。つまり、2時間を新たに生み出したことになるわけ。

そのため、「プロダクティブタイム」はどんどん倍速化を目指すべきだということなのです。(78ページより)

1時間早く起きるとなにが起こるのか?

「プロダクティブタイム」をより活用するための策のひとつとして、著者は「早起き」を提案しています。単純に1時間早く起きることができれば、活動時間が1日あたり1時間増えることになるという考え方。

「そんなことか」と思われるかもしれませんが、その効果は決して小さなものではなさそうです。

なにしろ1年間で考えれば、365時間増えることになります。そして1日8時間、プロダクティブタイムがあると考えると、単純に約45日分が増えることになるのですから。

もちろん「早起きが苦手」という方もいるでしょうし、どうしても起きられないという悩みがあったとしても不思議ではありません。

しかし、それでも多くの成功者が早起きを実践しているのは事実であると著者はいいます。そして、その時間の活用法にも大切なポイントがあるそうです。

この早起きした時間を「プロダクティブタイム」ではなく、「アンプロダクティブタイム」に使ってもいいのですが、僕が実際に早起きをして感じるのは、朝はとてもプロダクティブになりやすいということです。

だから、できれば早起きしたなら、その時間は「プロダクティブタイム」に充てることをおすすめします。(90ページより)

朝は元気もあり、邪魔も少ないもの。そこで著者も毎朝5〜6時の間に起き、少し原稿などを書いたりしたあと、7時には近所のカフェに行くようにしているそうです。

寝坊をしていたらえられない時間、そう考えても「プロダクティブタイム」と「アンプロダクティブタイム」を使い分けることの重要性が理解できるのではないでしょうか?(89ページより)

著者自身の体験を軸に、時間をより有効に使うためのメソッドが網羅されている点が本書の魅力。すぐに実行できることも多いだけに、活用してみる価値は充分にありそうです。

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Source: あさ出版

Photo: 印南敦史