リモートワークへの移行は、決して楽な作業ではありませんでした。企業も従業員も家族も、働き方を変えることを余儀なくされました。
そして、それ以上に大変だったのが、仕事と仕事以外のあらゆることとのバランスをとる方法も変わらざるをえなかったことです。
この「仕事以外のあらゆること」のなかには、今年の初めには想像すらできなかったことも含まれています。
こうした状況の中で企業に求められるのは、従業員が仕事に集中できるように、また、自分のための時間を確保できるようにサポートする方法を見つけることです。
GoogleのCEO、サンダー・ピチャイ氏は、従業員向けのメモのなかで、現在の状況は決して楽なものではないとし、従業員たちに、燃え尽きを防ぐために自分のための時間を確保することをすすめました。
また、それを手助けするために、Googleはいくつかの施策を打ち出しました。この施策はほかの企業も採用できるものです。
まずGoogleは、すべての従業員に2日間の追加休暇を与えると発表しました。2020年12月18日と2021年1月4日を全社的なボーナス休暇とするとし、チームによって事情が異なることを考慮して、休暇の日程は調整して良いとしました。
また、追加休暇を与えることに加えて、Googleは、従業員の燃え尽きを防ぐために、もう1つのシンプルな施策を打ち出しています。
「会議ゼロの週」を設定する
これは文字通り、会議をスケジュールしない週をつくるという施策です。ある程度の期間リモートワークをしてきた人なら、この施策のありがたさがわかるはずです。
ピチャイ氏は従業員向けのメモのなかで次のように説明しています。
いくつかのチームは、「会議ゼロの週」を実施して、メンバーがそれぞれの仕事に集中する時間を確保したり、仕事から完全に離れて休暇をとりやすいようにしています。
Google全体としても、2020年12月28日から2021年1月1日までを公式の「会議ゼロの週」にすることに決めました。
もちろん、プロジェクトの期限が迫っていたり、商談が進行中であったり、重要なインフラをサポートしているチームなどは例外となるでしょう(上司の指示を仰いでください)。
それ以外のチームは、この週に予定されていた定例会議や喫緊ではない会議は、すべて日程を変更するかキャンセルしましょう。
なぜこのアイデアは素晴らしいのか
「会議ゼロの週」は、チームに時間という贈り物を与え、会議の予定を取り消すのを後押しする、シンプルで効果的な施策です。
私も長年リモートワークをしている者の1人として、これが素晴らしいギフトであることがわかります。
リモートワークには多くの利点がありますが、最も陥りがちな罠の1つは、マネージャーたちがオフィス勤務の物理的な人の近さを、画面上で顔を合わせる時間を長くすることで代替しようとすることです。
その結果、リモートワーカーの多くが、長い時間をWeb会議に費やすはめになっています。これは本当に疲れます。
私もバーチャル会議を減らすことに賛成です。全社的に通達を出して、1週間従業員たちを絶え間なく続く会議から解放するというアイデアも大いに支持します。
結局のところ、こうした会議はそれぞれの仕事を中断させる以上の機能を果たしていないことが多いのです。あなたの会社も、まだ導入していないのであれば、ぜひこのアイデアを盗んでください。
Googleの今回の施策の素晴らしい点の1つは、一部のチームがすでに行なっていた施策を採用したというところです。
多くの場合、従業員をサポートするための最善のアイデアは、すでにそのアイデアを実行に移している人たちからもたらされます。
さらにもう1点素晴らしいのは、この施策を、チームが自分たちのニーズに合う形で取り入れる柔軟性を与えていることです。正直なところ、Googleから盗むとしたら、こちらのほうが重要かもしれません。
従業員に休息と逃避のためのスペースを与え、また、それがそれぞれの仕事とうまくバランスがとれるようにすることは、まさにリーダーの役割です。
最後に、この施策の最良のポイントは、たった一言で言い表せるほどシンプルだということです。
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Image: Tasha Romart/Shutterstock.com
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