今回の第26話は、いよいよ最終回。
フィジー人がもつ「幸せな習慣4つ」をすべて網羅している作品になっています。
漫画で読める「南の島の脱力幸福論」。国民の94%が幸せを実感している南国フィジー。コロナ禍で時代が変わりゆく中、「脱」資本主義の先頭に立つフィジー人から私たちが学ぶべき新常識とは?
私は日本でのサラリーマン時代、寝ても覚めても仕事のことが頭から離れない日々に「これでいいのか?」という疑問や不安を感じていました。
フィジーに移住して10年以上が経ち、フィジー人たちと暮らす中で、「これでいいのか?」と不安な自分から「これでいいのだ」という安心な自分に変わることができました。
フィジー人は「バカボンのパパ」のようです。

































「世界三大幸福論」の1つを書いた哲学者アラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ)はこう言っています。
『幸せであることは、他人に対する義務でもある』
なぜなら、不幸せ、退屈、憂鬱といったよどんだ空気を浄化する必要があるからだとアランは説明しています。
普段はテキトーなフィジー人ですが、幸福になる義務に関していえば、世界一マジメに果たしている ことになります。
日本人はどうでしょうか?
労働者の権利である有休や育休も満足に取得せず、熱心に仕事に邁進し、寸暇を惜しんでは自己啓発をしたりしていますが、それでは労働の義務を果たしてはいても「幸せである」という義務を怠ってしまってはいないでしょうか?
幸せになるために勉強や仕事に懸命に励んでいるのに、何かおかしくないですか?
当たり前のように、私たちは幸せになっていいのです。私たちは、幸せになるために生きているはずです。
「幸せである」という義務をサボっていても、罰金を取られるわけではありません。しかし、罰金の代わりに、もっと大きな罰則が与えられます。「幸福」という、人生最大の目的が未達成に終わるという罰則です。
そうならないために、
「あなたが『今』からできることはなんですか?」
この質問をもって、南の小さな島からのメッセージを締めくくりたいと思います。
本連載を愛してくださった皆様、本当にありがとうございました!
<原作・エッセイ>永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)

移住先を探す「世界一周」の旅を終え、世界でいちばん幸せな国フィジーに移住し、14年目。ライフスタイルをアップデートする英語学校カラーズの校長。現在、フィジー・デンマーク・日本を行き来する「世界3拠点生活(トリプルライフ)」に挑戦中。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。
<イラスト>やまぐちかおり|https://gooillustration.jp/
1987年生まれ。大阪出身、ドイツ・ベルリン在住。イラストレーターとして「寿命図鑑」(いろは出版)や 絵本「ないしょのオリンピック」(ほるぷ出版)など、書籍や雑誌、広告、ボードゲームにいたるまで幅広く手がける。原作の大ファン。