新たな職探しは、それ自体が1つの仕事です。
とはいえ、報酬は得られませんし、福利厚生もゼロ、やり方が間違っているかどうかも確かめようがありません。
転職・求職活動は、常に疑念にさいなまれる長く孤独な過程です。その中で強い気持ちを持ち続けるためには、目的意識を持ち、計画的に活動を行う必要があります。
こうした点を念頭に置いた上で、求職計画の立て方や、望んだ仕事に就くための態勢作りについて大事なポイントを以下にご紹介しましょう。
仕事に使うスペースの整理整頓を
仕事に使うスペースが片付いていないと、集中が削がれ、生産性が下がることが複数の研究から判明しています。
毎日数時間、快適に仕事ができる場所を確保し、集中して「職探し」という仕事を行なうオフィスとして位置付けてみましょう。
もともと片付けが苦手な性格なら、仕事用のスペースを「他人の家のホームオフィス」だと仮定して眺めてみるのも1つの手です。
そう考えてみると、空のコーヒーカップやパンくず、山と積まれた書類が、乱雑に見えてくるのではないでしょうか?
これは使っているコンピューターのデスクトップや、開きっぱなしのブラウザのタブにも当てはまります。整理整頓を徹底して、注意散漫にならない環境を確保しましょう。
ファイルの整理も忘れずに
使っているコンピューターに、情報をまとめておく「転職・求職」フォルダを作成し、その中に設けたサブフォルダに、さまざまなカバーレターや履歴書の草稿、これまでの仕事の事例を分類して保存しましょう。
また、職種ごとに複数の履歴書やカバーレターのテンプレートを作っておくと良いでしょう(これは、希望する職種がピンポイントで決まっている人以外にはおすすめできる方法です)。
テンプレートを用意した上で、それぞれの求人情報に応じて、その内容をカスタマイズするのです。
さらに、求職中は、提出した応募の状況を追跡して記録しておくべきです。これはシンプルなスプレッドシートでこと足りますし、あまり凝ったものにする必要はありません。
応募した企業名、役職、応募日、求人情報へのリンク(ここにURLをペーストしましょう)、現在の状況(「欠員あり」「不採用」など)に加え、メモ欄を設けましょう。ここには詳しい説明や、今後の連絡先の情報などを書いておくのです。
さらにフィールドを追加するようすすめているサイトもありますが、そうすると作業がかなり増えます。特に、応募した案件の大半が不採用で終わるならなおさらです。
(不採用通知ばかりでも、特に問題はありません。
TalentWorksの記事によると、大半の人は1件の面接にこぎつけるために20件前後の求人情報に応募しているとのことですし、さらに採用通知を得るまでには10件以上の面接を経ることも多いといいます。)
では、なぜここまでの労力を払って求職活動を管理しなければならないのでしょう?
求職活動が新たな仕事だとしたら、こうした管理用のドキュメントは進捗管理表と考えられます。
こうした管理表の助けを借りることで、やるべきことがはっきりしますし、応募後に状況を追跡したい案件についても最新の情報が把握できます。
履歴書はこまめに更新しよう
当たり前のように聞こえるでしょうが、履歴書とカバーレターの更新についての一番大事なポイントは、「継続して」ブラッシュアップをすることです。
これは、面接までこぎつけるのに苦労している状況では特に重要です。
転職・求職活動で、不採用通知の「効果」は絶大です。職探しを始めたころには非の打ち所がないように思えていた履歴書も、見逃していた誤字や文章のぎこちなさに気づかされると、数週間後にはゴミのように思えてくるものです。
そして、求人を行なう側には、多くの応募が来ていることを忘れないでください。
募集をしている企業は、並外れて優秀な求職者を探している一方で、「あなたを不採用にする理由も探している」ことも肝に銘じましょう。
Glassdoorによると、採用担当者が履歴書を見る時間は、求職者1人あたりたった7秒とのことです。
あなたの履歴書は(良い意味で)差別化ができていますか? 多くの情報を入れようとしてまとまりが欠けていませんか? あなたの持つスキルが明確に示されていますか?
こうしたことを確かめるために使える方法として、履歴書とカバーレターを「音読してみる」やり方があります。読み上げてみて、わかりにくいところや不自然に思うところがあれば、そこを書き直すと良いでしょう。
1日の中で「求職活動の時間」を決める
求職活動を1つの仕事と捉えるなら、スケジュールが必要になります。
大抵の人は、1日のすべての時間を求職活動に費やしているわけではありません。そんなことをしたら、たちまち燃え尽きてしまうからです。
それでも、1日のうち数時間を求職活動のための時間として確保しておくのは良いアイデアです(それに、任意の1日に新しく公開される求人情報はごくわずかだということも忘れないようにしましょう)。
1日のうち決まった時間を求職活動と応募書類の作成にあてるようにし、そのスケジュールを守りましょう。
転職サイトを活用し、人脈を生かす
ブラウザに大手の転職サイトをブックマークし、毎日情報を探しましょう。LinkedIn、Indeed、Monster、Snagajob、Google Jobsといったところがアメリカでは有名どころでしょう。
新規の求人情報を把握しておくことも大事です。数週間以上前の情報は、応募するにはすでに遅すぎる可能性があるからです。
また、自身の人脈作りのスキルもできるだけ活用しましょう。
ある研究によると、求人情報の70%は、転職サイトに公開されていません。さらにCNBCの報道によると、すべての仕事の80%は、人脈を通じて決まっているそうです。
SNSを使って自分が仕事を探していることを周知し、アドバイスを求め、話をすべき人を探しましょう。
就職を希望している組織に属している人の中に、人脈を通じてつながれる人はいますか? あるいは、その組織に紹介してくれそうな知り合いはいませんか?
へこまずに応募を続ける!
一部の転職サイトは、1日あたり10~15件は応募するようにとすすめています。
(ただし、応募件数はその人が探している職種によっても違ってきます。スキルのレベルや、目にできる求人情報の数によって、この数字は上下するはずです。)
大切なのは、応募の量ではなく「質」に重点を置くことです。
より高いスキルが要求される仕事を探しているなら、LinkedInの「Easy Apply」などの、カバーレター不要で簡単に応募できるオプションを使ったものについては、毎日の応募数ノルマの一部としてカウントするのはやめましょう。
確かにカバーレターを書くのはとても面倒ですが、これは真摯に取り組むべき作業です。
なぜなら、カバーレターは、あなたがその仕事に就くのにふさわしい資質を持っていることをアピールする、絶好のチャンスだからです。
(また、応募先の企業に関する自分なりの思いを織り込むようにしましょう。これで、同じ文面を複数の企業に使い回しているという印象が薄れます。)
求職活動で苦戦している場合は、やはりアプローチを多少変えてみるべきでしょう。ただし、決めたスケジュールを守り、応募した案件がその後どうなったか、チェックを怠らないでください。
職探しに数カ月かかるのはよくあることですが、だからと言って最終的に就職先が見つからないわけではないのです。
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Image: pixelfit/Getty Images
Source: The Science Times, TalentWorks, Glassdoor, LinkedIn, Indeed, Monster, Snagajob, Google Jobs, FlexJobs, CNBC, ZipJob
Mike Winters - Lifehacker US[原文]