あぁ、今日の晩ごはん何にしよう?
1日に何度もこのつぶやきが頭を巡っているのは私だけではないはず。毎日の献立を考えるのって本当に大変です。
毎日のことですから、「短時間で」「手間をかけずに」「おいしい」レシピ、さらに保存もきいたら言うことなし! ですよね。
今回は、そんなワガママを叶えてくれそうな塩と砂糖と水で作る「塩糖水」(えんとうすい)を使った調理法と活用レシピを実際に試してご紹介します。
<試してみたレシピ本>
『おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ』(世界文化社)
「塩糖水」とは何か?
「塩糖水」漬けとは、料理研究家の上田淳子先生が発案した調理法。
「塩」と「砂糖」と「水」を一定の割合で混ぜた液に、肉や魚を漬けてから調理することでおいしくふっくらジューシーに仕上げることができるという画期的なもの。
「塩と砂糖と水に漬ける…?本当に…?」私も最初に聞いたときは正直半信半疑でしたが、実際に塩糖水レシピを試してみてびっくり!
灯台下暗しとはよく言いますが、身近な調味料がこんな力を秘めていたのか! と心から驚かされました。
時短レシピをお探しの方、毎日の献立がマンネリ化している方、パサつくお肉や魚の調理方法を知りたい方は必見です。
塩糖水の驚くべき魅力とは? おすすめレシピは? 作ってみて気になるポイントをまとめてチェックしていきます。
「塩糖水」は何がスゴいのか?
塩と砂糖と水。これ以上シンプルな組み合わせはない、と言えるほどの塩糖水は普段の食材をグッとレベルアップしてくれるさまざまな効果があります。
- 肉や魚がしっとり仕上がる
- 臭みが取れる
- 新鮮さをキープ
- 味が決まるので調味料や味付けもシンプルに
- 冷めてもやわらかいので作り置きやお弁当にも最適
肉は、特に鶏むね肉やささみなど淡白なものがおすすめとのこと。塩と砂糖による効果で保水性が高まり、旨みをぎゅっと閉じ込めてくれます。
味付けや仕上がりが決まるだけでなく、新鮮さをキープ、というのも嬉しいですね。
食材の買い出しを週末にまとめて行う方でも、魚や肉を土日にささっと塩糖水に漬けておけば魚は2〜3日、肉は4〜5日キープできるとのこと。
冷凍という手もありますが、解凍の手間も考えると塩糖水に漬けておく方がずっと楽で手間要らず。臭みも取れているので、すぐに調理に取り掛かれます。
塩糖水の作り方
塩糖水はとにかくどの家庭にもある塩と砂糖だけで準備できる手軽さが魅力! 気負わずにいますぐ始められます。
肉や魚200〜300gに対して用意するのは、
- 塩(粗塩)小さじ2/3(約3g)
- 砂糖大さじ1/2(約5g)
- 水100ml
以上3つのみ。ポリ袋やタッパーにこの3つを入れて溶かします。肉や魚、野菜を液全体に浸し、空気を抜いて冷蔵庫で3時間以上おくだけで完成。
これなら前日の夜や忙しい朝にもさっと用意しておけそうです。
調理の際には水気をしっかりと拭き取ること、また2〜3日以上肉や魚を漬け込む場合は塩糖水を捨てて作り替える必要があるという点には注意しましょう。
準備も簡単、いいことづくめで手軽に肉や魚がおいしくジューシーに。まさに時短で美味しくを叶えてくれる魔法のような方法です。
が、頭ではその魅力が理解できてもイマイチその良さが実感できない!
ということで、今回は自宅でいくつか塩糖水を使ったレシピにチャレンジしてみました。
塩糖水レシピ1: 自家製サラダチキン
簡単においしくタンパク質を取れるサラダチキン、大人気ですよね。塩糖水でも手軽においしい自家製サラダチキンが作れるんです。

【材料】鶏むね肉1枚分
- 鶏むね肉の塩糖水漬け…1枚
- 酒…30ml
- 水…80ml
【レシピ・作り方】
1. 鶏むね肉の塩糖水漬けは水気をきってペーパータオルでよく拭き、約15分間室温におく。
2. フライパンに酒、水を入れて(1)をおき、蓋をして中火にかける。
3. 蒸し汁が沸いたら鶏肉を裏返し、再び蓋をして弱めの中火にし、7分加熱する。
4. 火を止めてそのまま粗熱が取れるまでおく。
今回は、このサラダチキンをちょっとアレンジして棒棒鶏を作ってみました。

棒棒鶏、私はいつもささみを茹でて作っていますが、どうも味気なくて結局マヨネーズやごまだれをたっぷりかけてしまっていました…が、今回食べてみてびっくり。
旨みがぎゅっと感じられて身もふわっふわに仕上がりました! タレは添える程度で大満足。
時間がある時にまとめて作り置きしておけば、サラダや和え物などさまざまなレシピにも重宝しそうです。
塩糖水レシピ2: かじきのトマトソテー
さて、次にかじきを使ったトマトソテーのレシピにもチャレンジしてみました。

実はかじきは個人的に敬遠しがちな食材。
解凍したものが安くなっているとたまにソテーにしますが、いつもパサパサ、ぼそぼそした食感で残念な仕上がりに…。今回塩糖水でリベンジなるか!? いざ実践です。
【材料】かじき2切れ分
- かじきの塩糖水漬け…2切れ
- こしょう…適量
- トマトの水煮缶(ダイスカット)…1缶(400g)
- オリーブオイル…大さじ2
A
- にんにく(みじん切り)…小1片分
- 玉ねぎ(みじん切り)…1/2個分
【レシピ・作り方】
1. かじきの塩糖水漬けは水気を切ってペーパータオルでよく拭き、半分に切ってこしょうをふる。 (→今回は一口大に切りました。)
2. フライパンにオリーブオイル半量を入れて強めの中火にかける。熱くなったら(1)を入れ、両面をさっと焼いて取り出す。
3. (2)のフライパンに残りのオリーブ油、Aを入れてしんなりするまで約3分いためる。トマトの水煮缶を入れてひと煮立ちさせ、弱火にして約5分煮る。かじきを戻し入れて約2分煮る。

うん、見た目はまずまず、いい感じ!
いよいよ実食。口の中で柔らか〜くなったかじきがほろっと崩れるのが分かります。おいしいっ!
少し酸味を残したトマトソースと食感の残る玉ねぎとの相性も抜群。かじきがこんなにふっくらと美味しく料理できたのは初めて。
白ワインとも合いそうですし、ちょっとしたつまみにも良さそうです。
付け合わせの浅漬けも簡単に
また、塩糖水ではメイン料理だけではなくちょっとした副菜も簡単に作れます。
今回挑戦したのは浅漬け。
といっても、野菜と、お好みで昆布や唐辛子、柚子などを一緒に塩糖水に漬け込むだけ。野菜がしんなりしたら完成です。

家に残っていた小ぶりのかぶを茎の部分と一緒に漬けてみました。

塩糖水は砂糖が入っているので甘くなるのでは? と思いましたが、特に甘さは感じず、塩や浅漬けの素で漬け込むより塩味がマイルドで、素材の旨みがじわっと感じられて美味!
ポリ袋の中で調理できるので、片付けが楽なのも嬉しいです。
他にも豆腐やチーズを漬け込んでもいいのだとか! 普段の料理の幅がグッと広がりそうですね。
今回初めて塩糖水レシピに挑戦してみましたが、個人的には大ヒット! でした。
また、家にある調味料ですぐにできる、という手軽さもあり、今週は豚ロース肉を使ったレシピに挑戦予定です。
書籍『おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ』には、他にも美味しそうなレシピが写真やかわいいイラスト付きで掲載されています。
ぜひ、そちらも合わせてチェックしてみてください。
あわせて読みたい
Source: 世界文化社
Image: 世界文化社
Photo: saori