働き方がすっかり変わってしまった今、仕事の目標達成が難しくなったということはないでしょうか?
仕事の進め方がガラリと変わった人もいるでしょうし、大きく変わった景況感に直面する人もいることでしょう。
だからこそ、環境がどうであれ、今こそ自らの力で目標をクリアする力がますます必要になってきているのではないでしょうか。
これも、自己管理、つまり、今こそ求められるセルフマネジメントの1つです。
上司のチェックがなくても、任された目標を確実に期間内に達成しなければなりません。
今回は、今の時代に不可欠となる目標達成のためのセオリーを紹介します。いかなる職種にも応用ができますので、ぜひお役立てください。
「逆算思考」で目標を外さない

私は企業研修講師として4万人を超えるビジネスパーソンと接してきました。彼らと接する中で、気付くことがあります。
それは、いかなる逆風が吹こうとも、目標を外さないビジネスパーソンがいること。そして彼らに共通することは、徹底的に「逆算」で考えている、ということです。
まず、「逆算思考」を身につける方法から紹介しましょう。ゴールから逆算で考えることで、あなたが目指すゴールへの到達率が飛躍的に向上します。
その手順を紹介しましょう。
逆算思考の手順
①納期より余裕のある「自主締切」を設定する
この余裕のことを“バッファ”と呼び、バッファを持つことはリスクヘッジとなる。また、計画通りに達成すると、次の仕事ができるので、次の期間のスタートが早く切れるようになる(フライングをするように)。
②到達の予測値を立てる(楽観・妥当・悲観の3シナリオ)
計画は悲観的なシナリオで組むのがベスト。うまくいかないことを想定し、最終の着地を考える。
③悲観シナリオの“目標に対する不足”を確認する
スタート時点で最悪の結果を想定し、そのギャップがどの程度かを把握する。そのギャップを埋めるシナリオをスタート時に考えておき、可能な範囲で対策を考えておく。
その時、「うまくいかなくならないための予防策」と「そうなった時の事後対処」も決めておくとベスト。
④悲観シナリオの対策案を決めておく
複数の候補を考え、最も「効果的なもの」「コストのかからないもの」「確実に実行できること」の観点で、ベストな選択をする。
正解を追求することより、早めに着手し、軌道修正をするほうが達成確率は高くなる。
まずは、この流れであなたの仕事にアレンジするとどうなるのかを考えてみてください。
私自身も長年にわたって営業現場にいましたので実感しますが、この4つのことを最初に考えておくと、簡単には目標を外さないようになります。
営業のみならず、すべての仕事に言えることでしょう。
最初に決めたゴールにたどり着けるかどうかは、スタート時点で半分は決まっていると考えて間違いありません。
目標達成のための新たなアプローチも考える

ニューノーマル下では、今までにない方法を考えることがますます必要になることが判明しました。こうした時、アイデアの作り方を知っておくといいでしょう。
1940年の原著発売以来、80年たった今もベストセラーである、『アイデアの作り方』(ジェームス・W・ヤング著)の一節にその神髄があります。
ヤング氏は、アイデアの創造において基礎となる原理は、次の2つであると説いています。
【アイデア作りの原理】
・アイデアとは、「既存の要素」の新しい組み合わせである。
・既存の要素を新しい1つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する。
つまり、アイデアは、ゼロから生み出すものではなく、“何か”をヒントにしながら、関連付けて“新しいもの”を作っていくしかないということ。あなたの仕事に活かす方法を1つでもいいので、考えてみてください。
1つ例を挙げましょう。
あるランドセルの製造会社が、期間限定でInstagramのIGTVとライブ機能を活用して「動画視聴型ランドセル講座」を3回にわたり配信したり、カジュアル系ファッションの衣類・小物を販売する「シップス」が、「SHIPS SHOPPING TV」を開始しました。
これにより、視聴ユーザーがリアルタイムで質問・コメントを行ないながら商品を購入できる動画配信を成功させることができたのです。
これもゼロからの発想ではなく、通販の手法を組み合わせたものでしかありません。でも、業界では斬新なアイデアであったことは間違いないでしょう。
つまり、アイデアを活かせる人になるために普段から情報をインプットし、「あれをうまくいかせないかな」と考える習慣を手に入れておかねばなりません。
ぜひ、日頃から新聞、書籍、ネットから、ニュースやトレンドをインプットしてください。また、時間を見つけて「マーケティング」「経営戦略」などの普遍のビジネスセオリーを学習しておくこともおすすめです。
必ず、アイデアをつくる際のアドバンテージになるでしょう。
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今回は、ニューノーマル下で目標を必ず達成させるためのコツを紹介しました。
未曽有の事態だからこそ、正しい普遍のセオリーを活用し、その上で既定路線にない方法を検討する力も求められるのです。
今回のセオリーがお役に立てると幸いです。
伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。現在は、オンラインを活用した研修も好評。近著に12万部を超える『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』のほか、新刊の『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方(日本実業出版)』『結果を出す人がやっている! 仕事を「楽しくする」方法(アスカビジネス)』をはじめ、他多数の書籍がある。
※無料メーリングニュース(全8回)
※YouTube「研修トレーナー伊庭正康のビジネスメソッド」もスタート
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Image: Lyudmila Voronova, Aleksandar Grozdanovski, winui/Shutterstock.com
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