上司がやたらと厳しい。どうしても好きになれない。そう感じているのは、あなただけではありません。
15Fiveが先日発表したレポートによれば、管理職が会社を去ると聞くと、全従業員の1/3がホッとするそうです。また、自分が完璧ではないことを一番よくわかっているのは、どうやら管理職自身のようです。
同レポートによれば、管理職の75%が、いい上司になるための研修をもっと受けたいと思っているそうです。
これを読んでいるあなたも、気に食わない上司に悩まされているのでしょう。もっといい環境を求めて、いまの職場を離れるべきなのでしょうか?
買い手市場とも言える現在の労働市場を考えると、結論を急がないほうが賢明かもしれません。
上司のことが好きになれないのは、どうしてなのか? そんなときには、どうすれば? この記事では、こうした疑問に6つの角度から迫ってみたいと思います。
1. 親しみを感じられない

上司に嫌われているような気がしている。このような場合、その原因は、あなたがいまの新しいバーチャル空間では得がたいものを求めているからかもしれません。
人と触れ合うことで得られる心地よさは、デジタルの世界には存在しません。
私たちは、デジタル世界に欠けているもの、つまり人間味を求めます。サポートや思いやりを上司に求めます。
けれども、育児や職責でぎっしりのスケジュールを必死でこなしている上司に、そこまで求めるのは酷かもしれません。
アメリカでは、労働者の58%が、新型コロナウイルスによる燃え尽き症候群に苦しんでいます。あなたの上司も、そのなかのひとりかもしれません。
たとえ上司に温かさが欠けていても、それを許してあげましょう。上司の負担を軽くするために、あなたにできることをしてあげましょう。
そうすれば、あなたは人として成長できます。きっと、あなたの人生の糧になるはずです。
2. リーダーの資質に欠けている

上司だからといって、その人が必ずしも優れたリーダーとはかぎりません。何でも仕切りたがる「古い」タイプの上司のもとでは、フラストレーションを感じざるを得ないでしょう。
私は先日、そのような上司を持つ、ある企業幹部と話をしました。その人は私に、権威主義者の下で働く際の苦労を打ち明けてくれました。
週末に上司から電話があって、ひどく叱りつけられました。私が中間管理職と、会社のことや会社の目標のことについて話したからです。
「彼らは私の直属の部下だ。君が彼らと話すんじゃない」と言われました。ベテラン社員が何人も会社を去りました。自信を失い始めたからです。人を見下した上司の態度に耐えられなくなったんです
あなたの上司がパワハラ気質のリーダーである場合は、退職を考えたほうがいいかもしれません。あなたの自信を傷つける上司のやり方を我慢する必要はありません。
くれぐれもその上司に、退職日のことにまで口を挟ませることのないように。水面下で転職活動を続け、転職先が決まったら、さっさとおさらばしてしまいましょう。
3. 人を大事にしない

私たちはみな、自分を大事にしてほしいと思っています。新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、誰もが自分に対して疑念を抱くようになっている近頃は、特にそうです。
いまの私たちは、かつて持っていたような心の落ち着きを失っているのかもしれません。このような状況では、上司は、チームのメンバーの全員を、そしてそれ以外の人々も、大事にしたほうがいいでしょう。
あなたの貢献を軽視する。あなたの仕事のあら探しをする。会議の席で、あなたの発言を軽んじる。そんなひどい上司の下で働いている人は、別の仕事を探したほうがいいかもしれません。
Gallupが実施した世論調査によれば、部下の長所に目を向けようとしない上司の下で働いていると、その部下の労働意欲は低下してしまうそうです。
あなたのいいところではなく、ダメなところばかりを見る上司に嫌な思いばかりさせられている人は、人を大事にするやり方を知っている別の上司を探したほうがいいでしょう。
4. 差別主義者である

上司が、すべてのジェンダーや人種、性的指向を受け入れなくてもいい理由など、決してありません。
不幸にして、こうした差別的な接し方をしてくる上司がいる人は、その上司に面と向かって、なぜそれがいけないことなのか、人を傷つけることなのかを説明しましょう。そして、どこを変えてほしいのかをはっきりと伝えましょう。
話し合っても埒が明かなそうな場合は、さっさと転職の準備を進めましょう。こんな扱いに我慢することはありません。
5. 昇進の邪魔をする

部下が上司にイライラするもうひとつのケース。それは、自分のキャリア上の目標の実現を、上司が邪魔しているように思えるときです。
たとえば、上司が昇進を約束していたのに、ずっと実現しない。さらに悪いケースでは、ポジションがなくなってしまったために、降格させられてしまうこともあります。
キャリアアップがうまく行かないときには、非難の矛先をつい上司に向けてしまいがちです。ですが、それは必ずしも、その上司のせいではないかもしれません。
新型コロナのパンデミックが発生して以来、人員削減を迫られている企業の経営陣は、厳しい選択に直面しています。
悪い感情を抱えたまま、転職の見込みもない状態で、退職を急ぐのはやめておくべきです。何が何でも昇進したければ、現状をフル活用して、自分の献身ぶりをはっきりと示しましょう。
ただし、それをしながら、もっと早くキャリアアップできそうな仕事をひそかに探すのもアリかもしれません。
6. 要求水準が高すぎる

仕事に対して厳しい基準を設けている上司が、自分につらく当たってくる。そう感じる人は、もう逃げ出してしまいたいと思っているかもしれません。
ですが、もう一度よく考えてみてください。踏みとどまって、その厳しい上司から学ぶことこそ、あなたにとってベストな選択かもしれません。
私もそうでした。私の最初の勤め先にいた副社長は、私にとてつもなく多くのことを要求してくる人でした。
面接の時点ですでに厳しい人だったので、自分なんか採用されないだろう、と思っていました。ところが予想に反して、その人は私を採用してくれました(当時の私は妊娠8カ月でした)。しかも、私の希望よりはるかに高額な給料で。
とはいえ私は、毎日くたくたになるまで働かされました。これ以上ない、高い水準の仕事を要求されました。
この上司の要求は度を越していました。けれども、ほかのどの上司よりも、多くのことを教えてくれました。それから今日まで、この人に鍛えられたことを感謝しない日はありません。
注文が多いからといって、その上司から急いで逃げ出すのはやめておきましょう。その人こそ、あなたがこれから出会う中で最高のメンターなのかもしれないのですから。
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Originally published by Fast Company [原文]
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