多くの人が、1日の3分の1は仕事に費やしています。その時間はできるだけ気を散らさず、集中力をできるだけ高めたいはず。
「生産性向上音楽」が聴ける専門の音楽アプリがあるのはご存じでしょうか。すでに「Spotify」を使っている人は、何時間も無料で聞ける音楽や環境音があります。
音楽や環境音が、生産性や創造性にどのような影響を与えるのか

何十年もの間、音楽が集中力や仕事、想像力に与える影響について研究されてきました。その結果、作業や音楽、さらには個人の好みによって、変わることがわかりました。
Spotifyは、仕事中や勉強中にユーザーがどのような音楽を好んで聞くかを明らかにするために、調査を行ないました。調査に参加した人たちは、作業の種類によって適切な音楽が違うと感じているようです。
- 勉強中は、69%の人が環境音楽を好む
- 文章を書いたり、データ分析をする際は、43%の人がインストゥルメンタルの音楽を好む
- 家事など繰り返し行なう作業中は、64%の人がアップビートな音楽を好む
もちろん、Spotifyの調査は参加者の好みに基づいたものですが、科学的に矛盾するものではありません。
「モーツァルト効果」は、1993年にNature誌に掲載された「モーツァルトを聞くと、時間と空間を頭の中で関連付ける能力を含む、時空間的な論理的思考が一時的に高まる」という研究に端を発したものです。
例えば、2手、3手先を読む優れたチェスプレイヤーは、時空間的推論に長けています。計画性、戦略性、創造性を助ける能力です。
英国王立医学協会のジャーナル(JRSM)にまとめられた他の研究でも、クラシック音楽を聞いたり、演奏を習ったりすると、時空間的推論を伸ばせる可能性があることを裏付けています。
しかし、このモーツァルト効果は、結果を再現できなかった研究者がいたため、賛否両論があります。聞き手の好みもひとつの要因ではないかという説もあります。
とても複雑な音楽は、集中力を必要とする作業を行なう時に、パフォーマンスを低下させる恐れがある、と強調している研究もあります
しかし、それだけにとどまりません。他の研究では以下のようなものがあります。
- 「JAMA」に掲載された1994年の研究では、外科医が自分の好きなアップビートの音楽を選んだ場合、音楽を聞かなかったり、研究者が選んだ音楽を聞いた外科医よりも、スピードと正確さを要する繰り返し作業のテストで良いパフォーマンスを出した
- 2012年に「Journal of Consumer Research」に掲載された研究によると、あまりうるさくない周辺雑音のある場所で仕事をすると、創造性が刺激される可能性がある。これは「コーヒーショップ効果」と呼ばれ、「コーヒーショップ」や「カフェ」の環境音でも同じ効果が再現される
- ホワイトノイズやピンクノイズも検討すべき選択肢。2017年にNature誌に掲載された研究では、背景にホワイトノイズが流れている人のほうが新しい言葉を学習しやすいことが証明されている。Spotifyには、ホワイトノイズとピンクノイズ両方のトラックを合わせたものがある(「Medical News Today」によると、ホワイトノイズは20〜2万ヘルツの範囲にある「可聴音域のすべての周波数」を含む音で、ピンクノイズは、同じ範囲でもう少し深く、低い周波数帯のこと。例えば、扇風機の音はホワイトノイズで、心臓の鼓動の音はピンクノイズ)
- 自分が好きな音楽でも、脳でドーパミンが放出しやすくなると、「Wired」が報じている。「Harvard Health」によると、ドーパミンは快感や多幸感が感じやすくなる神経伝達物質
Spotifyで「勉強、仕事、リラックス、集中」など目的別に音楽を探せる
Spotifyには、勉強、仕事、リラックス、集中など、目的に合わせた音楽やプレイリストが用意されています。このような言葉で検索して、関連する音楽を探すこともできます。
また、先に挙げたモーツァルトを聴いてみるという選択肢ももちろんアリです。
あらかじめ用意されたプレイリストを試してみたい場合は、Spotifyの「フォーカス」のハブに行けば、文章を書く、勉強、読書、集中、リラックスなど、目的別のプレイリストがあります。
自分に何が合うかわからない場合は、このようなプレイリストで、様々な音楽や音を試してみるといいでしょう。特に気に入ったり、自分のプレイリストに追加したいと思ったトラックがあれば、「いいね」を押して保存しましょう。
仕事や集中ができる自分だけのプレイリストをつくる方法
Spotifyのプレイリストをつくり、管理する方法はたくさんあります。使いたい曲があったら、以下の手順にしたがってプレイリストをつくってみてください。
特定の曲からSpotifyのプレイリストをつくる方法
- 曲のタイトルの横にある3つの点をクリックし、プレイリストに追加を選ぶ。
- 既存のプレイリストに曲を追加するか、新しいプレイリストを作成することができる。
- 最初のプレイリストの名前は曲名になるが、好きな名前に変更することができる。
- Spotifyはその曲でプレイリストを作成し、アルゴリズムで他の似たような曲やトラックがおすすめされる。

一からSporifyのプレイリストをつくる方法
何もないところからプレイリストをつくる方法も、非常によく似ています。ただ、最初に曲を選ぶのではなく、以下の手順にしたがってください。
- マイライブラリに行き、「プラス(+)」ボタンを押す。
- プレイリストに名前をつける。
- 「保存」をタップ。
- 好きな曲を追加する。

曲を追加し始めると、これまで聞いた曲の履歴を元におすすめが表示されます。これは、ぜひ活用したいSpotifyの知られざる機能のひとつです。
アルゴリズムがプレイリストに合う曲を表示することもありますが、Spotifyのフィードバックのループから抜け出したい場合は、これまで聴いたことのない曲を聞くといいかもしれません。
自分にピッタリのプレイリストを選ぼう
仕事や作業内容によって最適な音楽は違うので、自分に合うものを探すには試行錯誤してみるといいでしょう。
例えば、ピンクノイズで集中できる人もいれば、眠ってしまいそうになる人もいるかもしれません。Spotifyの豊富なラインナップを漁ってみると、自分にピッタリの曲が見つかるのではないでしょうか。
Source: Nature(1, 2), JRSM, JAMA, Journal of Consumer Research, Medical News Today, Wired, Harvard Health, Spotify
Originally published by Inc. [原文]
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