自宅がオンオフともに過ごす場所となり、在宅時間が増えたことで「もっといい家に住みたい」「家にいる時間を快適に過ごしたい」と感じる機会、増えていませんか?
でも、そもそも「いい家」って何でしょう。広さや立地など、理想はいろいろと思い浮かぶけれど、失敗しない家選びで肝心なのは、“どんな家に住みたいか”よりも“どんな毎日を送りたいか”を具体的にイメージすること。
大切なのは、世の中の情勢や周りの環境も含めたうえで、自分や家族にとって心地よい暮らしを考えること。もちろんコストパフォーマンスの高さも外せないポイントです!
いい家の考え方が大きく変わった!

たとえば、2021年以降エネルギー価格は世界的に高騰し、日本でも電気料金の値上げが続いています。せっかくゆとりのある広い家に住んでも、暑さや寒さへの対策をせずに光熱費がかさんでしまっては、お財布にも心身にも快適とはいえません。
また在宅勤務が増えるなど働き方に融通が利くなら、駅から近い通勤を意識した立地よりも、職住融合の居住スペースを重視したほうが生活の質は上がるかもしれません。
そのほかにも地球温暖化などの環境問題、自然災害の増加など、私たちを取り巻く環境は大きく変化。ひと昔前の“憧れの家”のイメージで家選びをすると後悔してしまうかも。
いまの社会課題に対応しつつ、長期的に快適で幸せが感じられる家こそ、本当の意味でコストパフォーマンスが高く、これからの時代の「いい家」といえるのではないでしょうか。
そこで検討したいのが「ZEH(ゼッチ)」です。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは何か?
ZEH(ゼッチ)とは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、家で消費するエネルギー(冷暖房、給湯、照明、換気)量と、太陽光発電などでつくるエネルギー量の収支を実質的にゼロ以下にする家のこと。
ZEHを叶える3つの要素

1.断熱
断熱性の高い複層ガラスや二重サッシを開口部に取り入れ、屋根や床、外壁に断熱材を入れるなどして家の断熱性や気密性を高める。それにより夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができる。
2. 省エネ
LED照明や高効率給湯器などの省エネ設備や高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現。CO2の排出削減に貢献でき、光熱費のランニングコストも抑えられる。
3. 創エネ
太陽光発電などで再生可能エネルギーをつくりだす。自家発電・蓄電設備を導入すれば緊急時にも電気が利用できるなど災害への備えにもなり、余った電気の売電で利益を得ることも。
ZEHは、この3つを組み合わせて、一次エネルギーの年間消費量の収支が実質的にゼロになることを目指した住宅です。
一見すると“環境にやさしい家”ですが、ZEHにはそのほかにも私たちの日々の暮らしにプラスとなるメリットがたくさんあるんです。
ZEHのメリット3つを深掘り!
1. 断熱:高断熱で快適、さらに健康面でメリット大

まず、健康面。住む家が寿命を左右するって考えたこと、ありますか? じつは交通事故よりもヒートショックに関連した入浴中急死の方が多いというショッキングなデータ(※1)があるんです。つまり、住環境が健康へもたらす影響は、見過ごせません。
ヒートショックは、浴室から脱衣所、リビングから廊下への移動など、急激な温度変化によって血圧が上昇・降下して心臓や脳に負担がかかることで起こるもの。
ZEH基準の家は、断熱性・気密性が高いため室温のムラが少なく、温度差が生じにくいため、このヒートショックを防ぐことができます。
ヒートショックのほかにもZEHの健康面でのメリットはたくさん。
・結露によるダニやカビを防ぐ
温度差が少ないため結露ができにくく、アレルギーの原因となるダニやカビの発生を予防できる
・シックハウス症候群を防ぐ
汚れた空気を換気する仕組みが標準で組み込まれているので、高気密の住宅で心配される建具などから発生する化学物質による空気汚染と健康被害(シックハウス症候群)のリスクを抑えられる
・睡眠の質があがる
乾燥や騒音が気になる冷暖房が最小限ですむのでしっかり睡眠がとれる など
ZEHの家に住むと、自然と心身にストレスの少ない毎日を送ることができるため、健康管理や健康寿命にもいい影響を与えてくれます。
家のどこに居ても快適な温度、安定した環境で過ごせることは、仕事や家事などのパフォーマンスアップにもつながるはずです。
※1:資源エネルギー庁「これからは『ZEH』でお得に賢く快適生活」P2より
2. 省エネ:光熱費が下がり、ランニングコストが安くなる

ZEH基準の家にすると、東京23区の一戸建てに暮らしていると仮定した場合、これまで年間で約28万円かかっていた光熱費が約16万円まで下がるというシミュレーション結果が出ています。(※2)
家の中で消費エネルギーが大きいのは「給湯」つづいて「暖房」の順。これらが全体の半分以上の割合を占めています。(※3)
つまり消費エネルギー量を減らすには、しっかりと断熱をして暖房効率を上げたうえで、高効率給湯器などの設置により給湯を行なう、という両輪での省エネ対策が有効です。
というのも、従来の日本の家は断熱性や気密性が低いつくりが多かったため、窓ガラスやサッシ、ドアなどの開口部の設備を省エネ基準を満たすものに変え気密性を高め、断熱材を追加することでエネルギー消費量は大きく変わるのです。
その結果、冷暖房をつける機会が減り、使う時間が短縮できたことで、年間約12万円分も消費エネルギーの削減につなげることができたというわけです。
さらに、太陽光発電によって収支をプラスにできる可能性も。エネルギーコストの収支でみると、年間で売電額が3万3,524円上回ったというデータ(※4)があります。
先ほどのシミュレーション数値と合わせると、年間で約15万円以上使えるお金が増える! と考えると嬉しいですよね。
環境のためになること=我慢というイメージがありますが、ZEHはただ暮らしていくだけで環境負荷の削減や節約につながり、無理がないのもポイントです。これは、長い目で見たマネープランとして前向きな側面が大きいのではないでしょうか。
※2:環境省「みんなでお家快適化チャレンジ」より
※3:資源エネルギー庁 「エネルギー白書2022」P.80より
※4:資源エネルギー庁「知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~新しい省エネの家「ZEH」」より
3. 創エネ:災害時に強い

台風や地震など自然災害が多い日本。災害対策の重要性はよくわかっているつもりでも、対策を考えたり、定期的に防災グッズを見直したりするのは、なかなか面倒なもの。
であれば、家という箱ごと災害に強い状態にしてしまえば、これほど心強いものはありません。
ZEHには、創エネ設備として、太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーシステムを備えることが必要不可欠です。
災害時でも天候次第で電気をつくりだし、貯めていたものが使える。たとえ停電になっても大切なライフラインを維持することができるんです。
そもそも断熱性・気密性に優れているため、万が一停電になって冷暖房が使えなくなっても、寒さや暑さの影響がでづらい安心感も大きなポイント。
また、ZEHの設備のひとつである省エネタイプの給湯器であれば、深夜の電力が安い時間帯にお湯を沸かして翌日分を貯めておく仕組みなので、急な断水時でも貯湯タンクのお湯を非常用水として使うこともできます。
初期費用がかかっても、長期的にみればコスパがいい理由

これだけ時代にマッチしていてメリットも高いZEH。でも「ZEHは初期費用が結構かかりそう」と二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。
しかし、そもそも日々のランニングコストが抑えられるうえに、税制措置や国や自治体からの補助金が出るため、初期費用の負担をかなり減らすことができるんです。(※5)
住宅にかかる費用全体で考えると、太陽光発電による電気の売電によって収益がでる可能性もあるので、長期的にはコストパフォーマンスが高い家といえます。
※5:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「令和4年度のZEH関連の補助事業について」
ZEHに「ずっと変わらない固定金利の安心」をプラス
さらに、住宅取得の際にZEH水準の家に対して借入金利を引下げてくれる住宅ローン「【フラット35】S(ZEH)」を視野に入れると、より導入のハードルを下げることができます。
▼【フラット35】S(ZEH)とは
ZEH水準の住宅に対して【フラット35】の借入金利を一定期間引下げる住宅ローンです。
当初5年間、年▲0.5%、6年目から10年目まで年▲0.25%の金利引下げに。
さらに【フラット35】S(ZEH)を利用する住宅が長期優良住宅の場合、当初10年間、年▲0.5%の金利引下げになります。
【フラット35】は、最長35年、全期間固定金利の住宅ローン。
資金の受取時に返済終了までの借入金利と返済額が確定するため、長期にわたるライフプランが立てやすく、安心して将来を見通すことができます。
さらに【フラット35】S(ZEH)では、10年目まで金利引下げが反映されるため、【フラット35】よりも一段とお得に住宅ローンが借りられるのも見逃せません。
住宅購入という人生の大きな決断をするときだけでなく、その先も金利がずっと変わらない安心感は、先の見えない今のような不安定な時代のマネーハックとして覚えておきたい、かしこい選択のひとつです。
いい家の新基準、ZEHを建てるなら【フラット35】が最高のパートナーに

日本でも猛暑日が増えて、熱中症による死亡者が年々増加傾向にある(※6)ように、私たちのこれまでの暮らしが地球温暖化に与えるダメージは疑う余地がないほど進んでいます。
だからこそ、これからの「いい家」の基準は、住む人だけでなく地球にもやさしく健康的でサスティナブルであることがマストに。
国も2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す政府目標を掲げており、今後ZEHはスタンダードになっていきます。
この ZEH化の追い風をしっかりとキャッチし、補助金や【フラット35】S(ZEH)のような住宅ローン制度をうまく活用するのが、予測不能な時代をかしこく生き抜く方法のひとつ。
生活のベースとなる家選びで失敗しないためにも、安心して健康的に暮らせるZEHと変わらない安心がつづく【フラット35】S(ZEH)を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
※6:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会 2022 P23-24より
Source: 【フラット35】,【フラット35】S(ZEH)