ストレスがない生活をしたい…と空想するかもしれませんが、現実には、ストレスは食事と同じくらい避けられないものです。
ストレスを完全に避けようとするより、ストレスと上手に付き合う方法を見つけるほうが得策といえるでしょう。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者であり、『The Stress Prescription: Seven Days to More Joy and Ease』の著者であるElissa Epelさんは、「ストレス軽減とは、私たちに起こるストレスとなる出来事の数を減らすことを意味します」と述べています。
「ただし、それを目指すのは最善とは言えません。私たちの生活には常にさまざまな種類のストレス要因が存在するからです」
ストレスを完全になくそうとするよりも、ストレス耐性を高めるほうがはるかに現実的な目標です。ストレス耐性とは、ストレスに直面してもそこから回復する能力であり、Epelさんが指摘するように、何も起きていないときにリラックスする能力でもあります。
ストレス耐性は練習次第で向上させることができます。Epelさんは、そのための5つの戦略を提案しているので、ご紹介します。
1日3回ストレスを「キャッチ」する
私たちは生活の大部分でストレスを感じているため、ストレスに気づかないことがあります。
Epelさんは、自分のストレス要因が何であるか、そしてそれが自分にどのような影響を与えているか自覚するために、1日に3回、ストレスを「キャッチ」する習慣を身につけることをすすめています。
仕事、体の不調、将来への不安など、何が自分のストレスになっているのか、少し立ち止まって確認してみましょう。
「先行きが見えないことに対する微妙なストレスや、実際には心配する必要がない具体的な心配事をキャッチするのです」とEpelさんは言います。
「心配だけしていても、生産的な問題解決にはなりませんから」
「ストレスシールド」を作る
ストレス要因を特定することが最初のステップですが、次のステップはストレス要因に対処する生産的な方法を見つけることです。
その方法のひとつが、「ストレスシールド」を作ることです。そのためにEpelさんは、自分がストレスを感じている事柄に対処できる理由をリストアップすることをすすめています。
たとえば、仕事のプロジェクトでストレスを感じている場合、過去に同じようなプロジェクトを成功させたことを思い出したり、これまでのトレーニングで準備したことをリストアップしたりすることが有効です。
「対処できる理由だけでなく、助けになるリソースについても考えてみましょう」
困難を乗り越えた「過去の体験」を思い出す
特に何か大きな心配事があるときは、困難を乗り越えた過去の体験を思い出し、「自分は将来、何が起こっても大丈夫」と思えるようにすることも対処法の1つです。
インターバルトレーニングやサウナで「ストレスフィットネス」を実践する
体力と同じように、ストレス耐性も強化できます。
この2つは相互に関連しており、体力の向上は多くの場合、ストレスの対処能力の向上につながります。
ストレスフィットネスを実践する方法としては、高強度インターバルトレーニングや、サウナと冷水シャワーのようにお湯と冷水に交互に身を浸すことなどが挙げられます。
「最も重要なことは、不快な状態でもリラックスすることです」とEpelさんは言います。
「私たちは、身体的なストレスを受けると緊張し、そのストレスに対して心もストレスを感じてしまいがちです。体を動かしながら心をリラックスさせることができれば、それはさらに良いトレーニングになります」
生活の「ポジティブなシーン」を意識する
忙しい毎日を過ごしていると、生活の良い面を見過ごしてしまいがちです。
Epelさんは、1日の始まりと終わりに少し時間をとって、感謝していることや笑顔になった瞬間など、生活のポジティブなシーンを意識することをすすめています。
朝は、その日一日を思い描き、これから起こりそうなポジティブなことを思い浮かべましょう。また、一日の終わりには、その日起こった良いことを振り返りましょう。
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