社会人として生きる以上、どこかのチームに属することになります。リーダーもメンバーも、そこで成果を出そうと努力を続けているわけです。

しかしそんななか、「チームの力を発揮しきれていない」と悩むリーダーも少なくないはず。チームといえども各人のモチベーションに差があるのは当然ですし、メンバーの気持ちがわからないということも往々にしてあるからです。

著者によれば、『「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ』(伊藤羊一 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、そんな悩みを抱えるリーダーのためのものだそう。

メンバー全員がチームのことを「自分ごと」として捉え、ひとりひとりが強みを発揮することができ、その結果として成果が上がるーーそんなチームをつくるためのリーダーシップについて述べられているのです。

とはいえチームで動いていくとき、なにを目指し、なにを考え、なにを鍛えて、どう行動していったらいいのかというのはなかなか難しいことでもあります。

そもそもチームはどうあるべきか、ということに正解はないし、自分の想いとどう整合させていったらいいだろう、とか、人間関係の複雑さにどう対処していったらいいだろう、という悩ましさもあるだろう。

組織やプロジェクト、コミュニティなど、形態によってあり方はまったく違うだろうし、目的によって動き方は全然違うだろうし、何より構成メンバーによって、動き方はまったく異なってくる。(「はじめに もやもやを抱える、すべてのチームリーダーに捧ぐ」より)

つまり、答えは人それぞれ、チームごとに異なるということ。そして、それを考えるのは自分自身。

だからこそ著者はここで、ひとつの尺度に基づく土台を提示しているのだそうです。したがって読者はその土台に基づいて、「では、自分のチームではどうだろう」と考えてみるべきなのでしょう。

きょうは、そんな本書の4章「チームでゴールを決める」内の「目指すものがあるから、進むことができる」に焦点を当て、チームに必要なものを確認してみたいと思います。

まずはミッション、ビジョンを決め、共有

チームとしての目的を明確にし、それをひとりひとりに浸透させるためにはどうすればいいのでしょうか? この問いに対して著者は、「まずはチームのミッション、ビジョンを決め、共有しよう」と訴えています。

もちろん、会社としてそれらをしっかり決めている場合もあるでしょう。しかし、それをチーム単位で考え、共有することが大切だということです。

ミッションとは、自分たちのチームの使命、役割。つまり、「このチームはなんのために存在するのか」ということです。なにに心躍るのか、なんのため積極的に働けるのか、その答えは人それぞれ。そこで、その「なんのため」を言語化していくべきなのです。

そしてビジョンは、ミッションに基づいて行動した結果、実現すべき未来の姿。未来の姿をビジュアル(Visual)なイメージで表現したものだといいます。

なお、ゴールをいいかえるとビジョンになるわけですが、「ミッションに基づき行動し、ビジョンを実現する」と考えるべきなので、多くの会社では「ミッション・ビジョン」がセットで語られることが多いそうです。

私が属するZホールディングスのミッション(使命)は、UPDATE THE WORLD。サブメッセージで、「情報技術のチカラで、すべての人に無限の可能性を。」となっている。

これがZホールディングスの使命で、このために私たちは存在している、ということを宣言している。

その結果、実現する世界(ビジョン)は『人類は、「自由自在」になれる。』だ。情報技術のチカラで、より「自由自在」に様々なことができる世界を実現したい、ということだ。(144ページより)

当然のことながら、これだけでイメージできる人もいることでしょう。しかしその一方には、「『無限の可能性』『自由自在』とは、果たしてどういうことなのか?」とイメージしづらい人もいるはず。そこで、さらに「ステートメント」として、次のようにミッションやビジョンを解説しているのだそうです。

情報技術は、人々の可能性をどこまで解放することができるのか。

それは、私たちが探究する永遠のテーマです。

知りたいことに、すぐアクセスできる。欲しいものが、いつでも手に入る。

その先にどんな未来を想像し、新しい常識を創造するか。

ひたむきな熱意と圧倒的な秘術力で未来を切り拓き、

人々が完全なる「自由自在」を手に入れることのできる世界を、私たちは実現します。(145ページより)

最後に、「自分たちはこういう世界を実現します」と宣言していることからもわかるように、チーム(会社)はミッションのために存在し、ビジョンを実現するべく行動するもの。

だからこそ、スタート(ミッション)とゴール(ビジョン)を揃え、共感できる人が集まってこられるようにするべき。

そして会社だけでなく、同じことをあらゆるチームで持つことを考えて見るべきだと著者は訴えているのです。(142ページより)

チームとは、共通の目的を達成するためのもの

もちろん、阿吽の呼吸で通じ合っている人たちが集まってチームになれば、改めてミッションやビジョンを決める必要はないともいえるでしょう。

しかし問題は、チームは生き物だということ。通じ合っているはずだったメンバーが、時間の経過とともに変わっていくことも充分にありうるのです。また、新しくチームに加わってきた人は、そのチームがなんのために存在し、なにを実現しようとしているのか、いわれないと理解できないかもしれません。

だから、ミッションやビジョンを掲げ、みんなで徹底していきたい。チームとは、共通の目的を達成するためのものなのだから。(146ページより)

なかには、「まあ、わかっているよね」と、使命やビジョン、ゴールなどを言語化しないチームもあるかもしれません。当たり前のことを言語化し、みんなで唱和するだけになっているとか。あるいは、「成果を出すのが仕事なんだから、カッコつけたくない」と考えている人だっている可能性はあります。

しかし、それでもミッション、ビジョンは必要だと著者は強調しているのです。なぜならそれは間違いなく、チームの礎だから。(146ページより)

チームリーダーであっても、メンバーの一員であっても、考え、実行すべきことは必ずあるもの。そこで、本書を通じてそのきっかけをつかんでほしいと著者は記しています。メンバーのポテンシャルを活かすためにも、そんな本書を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン