2022年ワールドカップが開催されるなか、サッカーに熱狂するヨーロッパでは、多くの人がこの10日間、最低限の生産性と日常生活を維持しつつ、1日4試合を観戦する方法を見つけ出そうとしています。

米国では、もう少し関心が低いかもしれませんが、チュニジアとポーランドの試合を見るために仕事を抜け出したりはしないまでも、ビジネスリーダーが少なくとも数試合を観戦する理由(英文記事)はたくさんあります。

それはなにも、米国チームに対する愛国的な応援や、試合で披露される驚異的な運動能力だけが理由ではありません。

ヨーロッパのビジネススクールINSEADと、米国のMITとコロンビア大学が共同で行なった最近の研究によると、サッカーの監督は、多様なチーム(英文記事)を成功に導く方法について、ビジネスリーダーたちに重要なことを教えてくれることがわかったのです。

国際的な経験は、大きな成果を結ぶ

この一連の研究は、監督たちの国際的な経験をさまざまな角度から調べたものですが、まずは、世界で最も有力なサッカーリーグの1つ、イングランドプレミアリーグにおける監督たちのパフォーマンスに関して、25年間のデータを調べることからはじまりました。

数値データを解析した結果、国際的な経験が豊富な監督ほど、その監督が率いるチームは、シーズン中により多くの得点を挙げていることがわかりました。

『INSEAD Knowledge』のレポートでは、次のように書かれています。

監督が働いていた国が1つ増えるごとに、チームは3.42ポイント多く得点していました。1点が優勝と準優勝をわけるシーズンもあったため、これは、まさにゲームチェンジャーになる可能性があります。

こうした国際経験のアドバンテージは、世界中から集まった自我の強い選手たちを管理する任務を背負ったサッカーの監督だけに当てはまるものではありません。

ほかにも、オーストラリアにある建設会社の管理職、中国で開催されたハッカソン、コロナ政策のブレインストーミングセッションなどを対象とした分析が行なわれました。

いずれの場合も、研究者らは同じ結果を得ました。つまり、ほかの国での生活や仕事の経験(英文記事)が豊富なリーダーほど、同僚や直属の部下から、より有能だと評価されていたのです。

海外での経験はなぜ、より優れたリーダーを生むのか

比較的短期間であっても海外の文化に触れることが、なぜこれほど大きな効果をもたらすのでしょうか。

それを説明するため、INSEAD Knowledgeは、イギリスとフランス、そして日本で指揮官を務めた伝説のプレミアリーグ監督アーセン・ベンゲル氏の言葉を引用しています。

時間を守るとはどういうことか。その意味するところは、日本人とフランス人で同じではありません。フランス人は、5分遅れて到着しても時間通りだと考えます。日本では、定刻の5分前でも、遅れたと考えるのです。

役には立つけれどささいな知見と思えるかもしれません。しかし、文化やスタイルの違いを見抜き、理解し、それに適応する能力は、リーダーにとって大きな利点となります。

INSEADのリンダ・ブリム教授がまた別のところで指摘しているように、海外生活や海外旅行は、プロフェッショナルの柔軟性、創造性、共感性、敏捷性を高めるのに役立つのです。

また、自己認識を深めるのに最も適した方法の1つは(必ずしも最も快適な方法ではないかもしれませんが)、外国で過ごすこと(英文記事)だと主張する専門家もいます。

そして、INSEAD Knowledgeは次のようにまとめています。

多文化を幅広く経験しているリーダーは、相手が理解できるような話し方や振る舞いを実践し、特定の状況に適した言葉や身振りを使う傾向があります。

また、人の考え方や行動、働き方を変える可能性のある文化の違いを、より意識する傾向もあります。

海外で長年暮らす必要はない

ここから得られる教訓は、特に複雑なことではありません。

最高のリーダーになりたいのであれば、あらゆる機会を利用して新たな場所に旅行し(英文記事)異なる文化の人々と触れ合う(英文記事)ようにすれば良いのです。リーダーシップのスキルを高めるために、海外で何年も暮らす必要はないのです。

リーダーシップにおける有能さの予測因子となるのは、多文化体験の幅広さ(居住または勤務した外国の数)であって、深さ(海外で過ごした時間の長さ)ではないことを、これらの研究は一貫して示しています。

以上のようにINSEAD Knowledgeは述べ、海外での冒険の準備が整っていない人たち(英文記事)を安心させています。

ワールドカップが4年ごとに思い出させてくれるように、地球は巨大で美しい場所であり、信じられないほど才能のある人々で溢れています。

彼らの考え方や行動は、私たちが自国で慣れ親しんだものとは微妙に異なるものですが、そうした違いを理解し、状況に応じたアプローチをとることで、彼らの才能を最大限に引き出すことがはるかに簡単になります

このことは、サッカーの監督だけでなく、起業家にとっても真実なのです。

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Source: CNN, Twitter, ResearchGate, INSEAD Knowledge

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