社会の変化は激しく、デジタル時代に合わせて知識や技能を学び直す「リスキリング」の必要性がますます叫ばれています。
とはいえ、日々仕事に追われているビジネスパーソンにとって、自由な時間は限られているもの。
そこで、「コスパ無敵の勉強術」を説いた、元マイクロソフト日本法人社長・成毛眞さんの著書『39歳からのシン教養』(PHP研究所)から、効率良く学ぶヒントを紐解いてみましょう。
そもそも、効率的な勉強法に不可欠な要素は何か? 成毛さんは、本書の中で以下のように述べています。
筆者は今、知識の9割を、本ではなくインターネットから得ている。本を買ったり、図書館に行ったりする時間が節約できるからではない。最大の理由はネットの文章が簡潔であることだ。
さらに、今やYouTubeでは、専門家の授業を、誰でも、好きな時間に受けられる。本では、写真や図が理解の補助として添えられているが、それよりも動画で説明してもらったほうがはるかに理解しやすい。
断言しよう。これから差がつく能力はたった1つ。ネットでググる(Googleで検索する)力。これだけだ。
インターネット空間を自分の大脳の延長、教養のデータベースとして、徹底的にググる。
そうすることで「最短ルート」での学びが可能になる。
要するに、長い時間をかけて大量の本を読み、大量の知識をインプットするという作業をネットで代行すればいいわけだ。(『39歳からのシン教養』7~8ページより)
上記を踏まえると、ググり方=ネットでの情報収集の仕方を、時代に合わせてアップデートすることが、効率的に知識や教養を身につけるカギを握っていると言えます。
今回は、『39歳からのシン教養』で紹介されているTIPSのうち、最も簡単にできる情報収集の方法を2つ紹介します。
うさんくさいのは過去の話。速報性・正確性に優れたウィキ検索法

「ウィキペディア(ウィキ)は信用できないもの」。そう思っているそこのあなた。その気持ち、とてもよく分かります。筆者も記事を書く傍ら、ウィキからの引用はNGとよく聞きます。
しかし、情報収集のしやすさという観点では、これほど使いやすいツールはないのかもしれません。
本は、時代のニーズに合わせてタイトルや内容が変わる。
広辞苑や百科事典も、初版、第2版、第3版とマイナーチェンジされていく。パソコン関連の本なら新しい技術に合わせ、法律関連の本なら新しい法律に対応するように、アップデートしていく。
間違っている記述はすぐに修正され、新しい事実が判明すれば、すぐに加筆される。ネットの特性を生かして最新の情報に更新できる。
本でこういうことを書くのも気がひけるが、本とウィキではスピードが全く違う。日々アップデートされていく媒体で、多くの人が関わり、正確で洗練された情報に進化していく。
速報性、正確性においてウィキは無敵なのだ。(『39歳からのシン教養』42~43ページより)
ここで重要なのは、ウィキの活用は、あくまで効率的な情報収集を目的に行なうこと。どうしても信憑性が気になるのであれば、引用元をたどると良いでしょう。
ウィキ検索法のコツ
ウィキ検索法にはコツがあります。それは、とにかくブラウザを立ち上げたらタブをどんどん開いていくこと。
一例として、本書の巻末に収録されている「絶対にググるべき最新キラーワード40選」から、「中国の宇宙開発」について調べてみました。

ウィキのページ上では、青くなった文字の部分にマウスカーソルを合わせるだけで、その言葉の概要が辞書のように表示されます。これを活用するだけでもかなりの時間が短縮可能です。

詳しく知りたい言葉は右クリックし、「新しいタブで開く」を選べば、さらなる情報が表示されたページに飛びます。

この作業を繰り返していくと、タブがどんどん増えていきます。
一見するとタブが散乱したように感じますが、この方法のメリットは、戻って確認したくなった時にすぐページを切り替えられるところ。気になったことや分からないことがあっても、集中力を切らすことなく調べ続けることができます。