何らかの事実について、明らかに間違った考えを持っているのは、それだけで十分に悪いことです。そのうえさらに、自分が正しいのだと周囲を説得しようとするのは、もっと悪いことでしょう。

反対意見が優勢ななかで、自分の正しさに固執するのは見苦しいうえ、最悪の場合、厚かましい偽善者のような印象を与えてしまいます。

そうした人は、周りの全員から批判されても、心の中では、自分の正しさが認められるべきだと考えているのです。

自分が偽善者かどうかを判断する方法はいくつかあります。幸いなことに、公の場で恥をかかなくとも、自分で判断することが可能ですよ。

1. 優越コンプレックスを抱えている

2016年にDean Burnett氏がGuardian紙で述べたように、ほとんどの人は自分を過大評価する一方で、他人には自分と同じ基準を適用しません

これは、脳の自己概念に関わる心理学的な問題だと、同氏は説明しています。

現実がどうであろうと、脳は、自分自身を善良で、まともで、有能な人間だと思い込もうとする、認知バイアスや記憶バイアスに支配されています(brain pickings)

問題は、他人に対する私たちの評価が、自分に対する評価よりもはるかに「現実的」である(Study.com)ことです

ややアカデミックな言い方ですが、つまり、ある特定のことが自分には適用されないが、ほかの人には適用されると考えているとしたら、あなたは偽善者かもしれないという意味です。

自分以外の人は、自分ほど頭が良くないと思っているかもしれないし、自分が持っている資質や経験を持っていないと考えているかもしれません。

いずれにせよ、自分を特別だと考えているなら、あなたは偽善者のような印象を与えることでしょう。

そうならないためにできることの1つは、エゴをトーンダウンすること。またこれは、多くの人にとってさまざまな形で役に立つことでもあります。

2. 人から良く見られるために行動している

人に優しくする主な理由が、親切で利他的な人に見られたいという欲求を満たすためだとしたら? おめでとうございます、あなたはおそらく偽善者です。

心理学者のSusan Krauss Whitbourne氏が、4年前のPsychology Todayで、利他主義者のイメージを維持することは、偽善者がとる戦略の1つだと書いています。

Whitbourne氏は次のように述べています。

偽善者は、個人的な目標を達成したいという内的欲求よりも、人から良く見られたいという欲求からモチベーションを得る傾向にあります

3. 言ってることとやってることが違う

自分の価値観は●●だと触れ回っておきながら、それとは全く違う行動を裏ではとっている人がいます。このような言行不一致は、偽善者の大きな特徴の1つです。

あなたは、左翼的な社会正義を声高に叫ぶ一方で、税の申告のたびに、政府にお金を盗まれたと不平を漏らしていませんか?

2015年にEuropean Journal of Psychologyで研究者らが述べたように、言行不一致の概念は次のように定義されています。

他人には求める道徳に自分自身は従わない。

公言したりほのめかしたりしていることとは、まったく違う行動を私的な場ではとる。

公言したりほのめかしている信念と、実際の行動が一致しない。

もちろん、誰しも矛盾した行動をとることはあります。

しかし、それがたまに起きる例外的なことではなく、自分の特性を定義づけるような重要な要素においてもそうだとしたら、あなたは偽善者かもしれません

——2021年1月6日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

訳:伊藤貴之 / Source: AP通信, BuzzFeed, THE Nation, Guardian, brain pickings, Study.com, Psychology Today ,European Journal of Psychology