ランニングを習慣にするのは、最初は大変ですが、習慣になると本当に満足感があります。
5km走るというような大きな目標を初めて達成したり、自分の個人記録を塗り替えたりした時は特にそうです。しかし、すべての新人ランナーが直面するのが「次はどう練習すればいいのか?」というものです。
そんな時は、各々達成したいランニングの目標がたくさんあると思うので、練習のルーティンにスピード練習を加えるのが一番です。
通常の練習にスピード練習を組み合わせるメリットは、心臓血管の状態の向上やより速く走れるようになることなど、たくさんあります。
しかし、ランニングをはじめたばかりの人は、スピード練習に怖気づいてしまうかもしれません。アメリカ・エクササイズ協会のディレクターであり、ランニング・コーチのAnthony Wall氏は次のように言っています。
最大の強度で何かを行なう領域に入ると、体に極端なストレスがかかります。
取り組む時は、練習をはじめる強度、慣らしていく時期、関節の運動をする時期、難しい練習をする時期などを理解しましょう。
ゆっくりとはじめ、着実に続ける
スピード練習は、ジョギングよりも体に負担がかかるので、怪我をする可能性も高くなります。ですから、スピード練習はゆっくりとはじめて、慎重に練習強度を上げるようにするのが大事です。
つまり、やってみたいと思うよりも少ない回数、短い距離、控えめな速度で練習をはじめるということです。速度を上げるには、体を鍛えて準備する必要があります。
体が慣れるだけの時間をかけましょう。つまり、靭帯を強くしたり、負荷に結合組織が対応できるようにする機会をもうけるということです。
ほかのさまざまな運動と同じように、スピード練習には時間と努力、そして何よりも継続が大事です。
「Xponential+」のパーソナルトレーナー兼主任コーチのJosh Honore氏は、「ランナーは自分自身と自分の体に対する忍耐力が必要です」と言っています。
可動性と安定性に意識を向ける
スプリント系のプログラムをはじめた人が調整する時にやっているのは、体の可動性と安定性を上げることです。そうすると、徐々に速度を上げても対応できます。
このように、Wall氏はいいます。
全速力で走るためには、関節はフルで動く必要があるので、バットキック(足でお尻を蹴る)や腿上げなど、可動域の練習を組み合わせる訓練をします。Wall氏は、この練習の感覚を掴むのに、この動画を見るようすすめています。
また、このような練習には2つの目的があります。1つは、体が求める速度に対応できるようにすること、もう1つは、もっと効率よく走れるようにすることです。
全速力には効率的であること、すばやく疲れないように動かせることが大事です。フォームが正しくないと必要以上にエネルギーを使うことになり、速く走れません。
スピード練習をはじめる時期を見極める
20〜30分間、安定したスピードでジョギングができるようになっていれば、スピード練習を追加してもいいタイミングでしょう。
Wall氏は、ランニング初心者は、まず可動域を上げる練習をはじめてリカバリータイムを取ってから、その後30mを50%の力で走る、という練習を3回繰り返すようすすめています。
それからその練習が終わったら、長距離のスロージョグをやってもいいでしょう。
物足りなさを感じるかもしれませんが、この練習を週に数回やるのを何週間か続けると、体が徐々にスピードに耐えられるように鍛えられ、そうなったら強度を上げられるようになります。
このような練習に集中し続けていると、気持ち良く練習ができ、自分の体の使い方がよりわかるようになるため、特定の方法でもっと効率的に体を動かすことができるようになると思います。
走る速度も上がりますが、少し時間がかかります。
「70〜80%の力でやりはじめた場合は、少なくとも体が慣れるまで回数を減らしたほうがいい」とWall氏は言います。体が全力で走ることに慣れたら、スピードに特化した運動もさらに安心して取り入れることができますよ。
──2021年12月27日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳:的野裕子/Source: ACE, Xponential+, YouTube