年末のホリデーシーズン、しなきゃいけないことが増えて、完璧にこなさないと…とプレッシャーがかかる人も多いのでは? 「1年で一番ワクワクする季節」とはいうものの、高機能不安障害の人にはとりわけ辛い時期です。
トラウマ専門セラピストで、『What I Wish I Knew: Surviving and Thriving After an Abusive Relationship』(『もっと早く知っていたら ‐ 虐待関係を乗り越えて強くなる』)の共著者であるアメリア・ケリー博士は、次のようにライフハッカーに説明してくれました。
高機能不安障害とは、普段、普通に生活を送れていて何でもこなせるように見えて、その実、度を越した心配やストレス、時には強迫観念に苛まれる人のことを指します。
人付き合いが多くなり、人のために何かしてあげることの増えるクリスマスシーズンには、義務感やまわりの期待も感じるので、一見、高機能に見える人でも特に不安感が募るのです。
さらに、経済的な負担に加え、「強いプレッシャーがかかったり、普段の生活リズムが乱れたりすると、私たちの健康やウェルネスの習慣にマイナスに作用し、これがさらに不安感を募らせる働きをします。」 とケリー氏は言います。
高機能不安障害の兆候とは?
高機能不安障害を見分ける兆候がいくつかあります。以下の点に注意しましょう、とケリー氏。
不眠症、睡眠障害
「メンタルの不調は、まず睡眠に現れます。」とケリー氏。
心がざわざわしていると、ゆっくり眠ることが困難になります。不安障害がある場合は特に。睡眠には、クリエイティブで優しい気持ちが欠かせませんが、不安でネガティブな感情はその対極にあるものです。
就寝前には気持ちを和ませる習慣を心がけ、夜はできる限りストレスを避け、夜遅くに画面を見る習慣を止めるよう、ケリー氏はすすめています。
これらの習慣と規則正しい就寝時刻は、必要な睡眠を取ってホリデーシーズンの不安を乗り切るには不可欠です。
自己批判、自信のなさ
「高機能不安障害の症状の1つに 『こんなのではダメだ』 というつぶやきがあります。」とケリー氏。
無意識のうちに、過剰にコミットして、他人と比較、その挙句、どうせ失敗する…と思い込んでしまいます。
「自分が知らない間に何か楽しいことがあったのではないか」という不安のある人や他人のホリデーイベントと比べてしまうという人は、ホリデー期間中はなるべくソーシャルメディアから遠ざかるよう、ケリー氏はすすめています。
さらに、意識して自分をいたわるように、とも。
自己批判が多いかなと感じたら、気持ちを切り替え、大切な友達に話しかけるように自分に語りかけてみましょう。
自己批判に陥りそうになったら、「自分はこれでいいんだ」など自分を思いやるような魔法の言葉を決めておくといいようです。
過去や将来に囚われている
「過去を懐かしんでばかりいて今現在を楽しめていないと感じたら、それもホリデーシーズンに見られる高機能不安障害の兆候の1つです。」とケリー氏。
耳慣れたクリスマスソングの歌詞を聴くのも「過ぎ去った日々」や「過ぎ去った時」に思いを馳せる行為です。
象徴や想い出に溢れたホリデーシーズンには、私たちを現在から引き離してしまう威力があります。ましてや、身近な者を失った人においては、特に顕著です。
これを防ぐには、現在にしっかり立ち止まるスキルを養うこと、とケリー氏。
まず、深呼吸して、自分の居場所を見つめましょう。
飾り付けにしても、やっつけ仕事をせずにひとつひとつに思いを込めましょう。これまでの慣習を変えたり新しいことを取り入れたりすることを厭わずに。
新しい未来が広がっていくことを心待ちにしましょう。
そして、特に悲しみにくれている時など、過去を思い出さずにはいられない時は「大丈夫でなくてもいいよ」と寄り添ってくれる人達に囲まれて過ごすように心がけてください。
1人で抱え込まないで人の手を借りる、立ち止まってペースを落とす、目の前のことに集中する、自分自身が本当に望んでいることをないがしろにしていないか振り返ることが肝要、とケリー氏は言います。
身体に起きる不快感や不穏
「不安を感じると、身体がこわばり、頭痛や消化不良、自己免疫疾患などの慢性痛を悪化させます。」とケリー氏は説明します。
不安が常態化すると免疫系に悪影響を及ぼし、病にかかりやすくなります。
ケリー氏によると、深呼吸や運動で体の緊張をほぐしたり、瞑想やヨガをしたりするのがいい、とのこと。さらに、このホリデーシーズン、不安によって引き起こされる緊張に見舞われないようにするには、食事や飲み物にも気を配るように、とも。
イベントに出席するたびに甘いものを際限なく口にしてしまいがちですが、暴飲暴食が過ぎると不安感を引き起こしやすくなるので気を付けてください。
食事や飲み物を味わうのは結構ですが、出されたものすべてを食べる必要はないのです。
完璧を目指さない
一番肝心なのは、完璧を目指さないことです。「何かを断ってもいいんだということを忘れないように。」とケリー氏。
グリーティングカードを送らなくても、みんなあなたのことを忘れたり、嫌いになったりはしません。
できないことはできない、物事はいずれも計画通りには行かない、と割り切って、あまり完璧を目指さないように。
こうして思考を転換することができれば、物事がうまく行かなくても自分を責める代わりに笑い飛ばしたりして、自分に優しい気持ちになれます。
完璧でないことを受け入れるのがコツです、とケリー氏。
高機能不安障害の人は、完璧であることに固執しなくなることで、自身にかけるプレッシャーをコントロールできるようになります。
たとえ、クリスマスプレゼントの包み方がいまいちでも、焼いてみたクッキーが少し焦げてしまっても、そこまでの努力を大事にして、前に進みましょう。
Source: Amazon, KELLEY COUNSELING & WELLNESS