あなたが最近、最先端テクノロジーに度肝を抜かれたのはいつでしょうか?
いまどきのテクノロジーはどれも本当にすごいので、相当の破壊力がないと、もはや誰もびっくりしません。
でも、これにはきっと、あなたも驚くはず。チャットボットの「ChatGPT」です。どんな質問にも答えてくれますし、思いつくままにお願いしても、何でも書いてくれます。
事前に頼んでいたら、この記事だって書いてくれたかもしれません(私がそう言っていたとは、ChatGPTに言わないように)。
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、ほとんど何でもできるAIチャットbotです。これは誇張ではありません。本当にそうなのです。
ChatGPTに何か質問すると、答えを全力で返してくれます。しかも、ときどき話がちょっと長くなるところも含めて、その答えはまるで人間が書いたかのよう。たとえば、「華氏75度を摂氏に変換して」と頼むと、こんな答えが返ってきます。
華氏75度は、摂氏約23.89度に相当します。次の公式を使うと、華氏から摂氏へ変換できますよ。
(華氏-32)÷1.8=摂氏
この公式を使って計算すると、華氏75度は、(75-32)÷ 1.8=摂氏23.89度に相当することがわかります。つまり、平均室温よりも少し涼しいのが華氏75度です。平均室温はだいたい、摂氏25~26度ぐらいですからね。
なかなかすごいですよね。でも、本当に楽しいのは、思いつくパラメーターを適当に与えて、ChatGPTに「何か書いて」と頼んだときです。詩、歌、脚本……。何を頼んでも、ChatGPTがちゃんと期待に応えてくれます。
ChatGPTが書いた物語
たとえば、「殺人ニンニクの怖い話」を書いて、と私が頼んでみたところ、ChatGPTは7段落からなる物語を書いてくれました。ホラー小説コンクールで大賞を獲ることはないでしょうが、それでもおもしろい話でした。こちらが、その中の一節です。
昔々、イタリアの小さな村に、ほかとは違うひとかけのニンニクがありました。ほかのニンニクと比べると、大きくて、強い匂いを放っていました。そのオーラはどす黒く、不吉でした。そのニンニクがどこから来たのかは誰も知りませんでしたが、やがて「殺人ニンニク」として知られるようになりました。
ChatGPTに頼めば、ここからさらに話を変えさせることもできます。殺人ニンニクの背景に踏み込むかたちで、この話をもう一度話してほしいと頼んでみました。すると、この話に次の段落が追加されました。
実は、この殺人ニンニクには、悪い魔女の呪いがかけられていました。この魔女は何年も前に村人たちから不当な扱いを受け、その復讐をしようと企んでいたのです。そして、このニンニクに黒魔術をかけ、それを食べた人を毒殺できる凶器へと変えてしまいました。
なかなか見事です。思いつくままにアイデアを与えれば、あなたもこれと同じことができます。とんでもなく複雑なことを頼むことだって可能です。
ChatGPTの可能性は、実質的にエンドレスです。あるTikTokクリエイターは、好き嫌いが多い人のための1週間のディナーリストをChatGPTに作らせました。さらに、そのデータを表にして読みやすくし、必要な材料をショッピングリストにまとめさせました。
プログラマーたちは、コードのスニペットをChatGPTに送ってエラーをチェックさせたり、特定のタスク用コードをChatGPTに書かせたりしていますが、その仕事ぶりはまさに完璧です。
ChatGPTの仕組み
ChatGPTは、AIチャットボットの第1号ではありませんが、これほど「生きている」AIチャットボットは過去にありませんでした。
ChatGPTを動かすGPT-3.5は、OpenAI(画像生成ツールDALL·E 2を開発したチーム)が、テキストを生成するように訓練した言語モデルです。そして、この言語にRLHF(Reinforcement Learning with Human Feedback[人間のフィードバックを用いた強化学習])が組み合わさります。
これが、ChatGPTがただのテキストではなくダイアローグをこなせている理由です。
ですが、ChatGPTの本当の燃料になっているのは、OpenAIがChatGPTの訓練に使った膨大な量のデータで、人間によって書かれた情報をネットから集めたものです。だからChatGPTは、単なる物知りではなく、まるで人間みたいな話し方も知っているわけです。
ChatGPTが苦手なこと
ChatGPTはネットにつながっていないので、そのネットワーク外ではコミュニケーションを取ることができません。また、2021年より先のこともよくわかっていないので、2022年以降のこととなると、その能力にずれが見られるかもしれません。
そのため、テイラー・スウィフトが2022年10月にリリースして記録破りの大ヒットとなったアルバム『ミッドナイト』についてChatGPTは知りません。
それを理解しつつ、ミッドナイト(真夜中)をテーマにしたテイラー・スウィフト風の曲を書いてと頼んでみても、当然ながら、AIバージョンの『ミッドナイト』にしかならないわけです。
これはこれで、いい出来でしたが。
ChatGPTが優れているところ
ChatGPTが持つもうひとつの天才的な側面は、私たちが入力する情報をもとに、学んでいるということ。OpenAIは、私たちのリクエストを新たなトレーニングツールとして存分に活用し、レスポンスの精度と関連性を高めているのです。
フィードバックは、サムズアップ/ダウンのアイコンで、手動で与えます。また、フィードバックにコンテキストを追加すれば、モデルの訓練に貢献できます。
ChatGPTを無料で使う方法
ChatGPTを利用するには、まずは公式ページを開きます。OpenAIのアカウントを持っていない人は、最初にアカウントを取得してください。
OpenAIには有料サービスもいろいろありますが、現時点ではアカウントもChatGPTも無料で利用できます。サインインが完了したら、さっそくチャットを開始しましょう。ただし、ChatGPTは中毒性がすごく高いので、くれぐれもご注意を。
「Playground」も中毒性が高い
OpenAIが提供しているチャットボットはこれだけではなく、ほかに「Playground」もあります。やや専門的ではありますが、コンセプトはChatGPTと同じです。リクエストやクエリをPlaygroundに投げかけると、びっくりするほどすばらしい答えが、ポンポン返ってきます。
さまざまなコントローラーや設定も用意されているので、それを使ってプロセスを調整できます。Playgroundが使用するGPT-3言語モデルのタイプや、レスポンスのランダム性、レスポンスの長さ、プロンプトに新しいトピックが導入されるモデルの確率など、いろいろ調節も可能です。
Playgroundは、ChatGPTほどユーザーフレンドリーではありませんし、完全無料でもありません。テストを行なうためには、最終的にはトークンを買わなければならなくなります。ですが、こちらのチャットボットも驚くこと間違いなしなので、ぜひチェックしてみてください。
Source: ChatGPT, Playground, OpenAI, TikTok