消せるボールペンとして知られるロングセラー商品、パイロット「フリクション」シリーズ

そんな人気シリーズにこの11月、新たに加わった新製品「フリクションボールノックゾーン」は、それまでのフリクションとは一線を画すような新しい機構や工夫がいくつも盛り込まれた意欲的な製品です。

これまでもフリクションシリーズは、いわゆる「ボールペン」とは異なる、筆記具の新しいジャンルを確立するために進化してきた印象がありました。

そして、今回の新製品ではそれをもっと推し進め、より洗練された「新ジャンル筆記具」になろうとしているように強く感じます。

それを象徴しているのが、今回のネーミングに含まれる「ゾーン」という言葉。

「ゾーン」とはプロスポーツ選手などが、自らの力をフルに発揮するときの集中力の高まった状態のこと。このフリクションボールノックゾーンも、書く行為を通してその「ゾーン」を感じさせる1本になっています。

以下に説明する3つの特徴が、そのファクターだと私は分析しています。

では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

その1:アップデートされた「インキ&リフィル」

このペンの最大の特徴は、なんといってもインキの色の濃さでしょう。

フリクションシリーズ最大の特徴は、ボールペンでありながらも書いた線が消せる点です。一方で、黒色などが一般的なボールペンと比べると色が薄いという欠点もありました。薄墨のような発色は、消せることとトレードオフだとユーザー側が理解する必要があったのです。

それが今回、普通のボールペンと比べても遜色のない色になりました

従来製品との色の違いは公式サイトでも確認できますが、ブラックで30%、レッド、ブルーのそれぞれで15%濃くなったそうです。

従来のフリクションボールノック(上)と比較してみると、はっきり濃くなったのがわかる
従来のフリクションボールノック(上)と比較してみると、はっきり濃くなったのがわかる

同時に、リフィルのインク量も増えました。リフィルを薄い金属パイプにすることで、現行のフリクションボールの単色タイプと比べて70%増、筆記距離も40%増えたそうです。

これまでのフリクションボールは、インキがなくなるのが早いという問題がありましたが、これが今回のリフィル改良で解消されたわけです。

その2:ペン先がブレない「チップホールドシステム」

「チップホールドシステム」がペン先をしっかりホールド
「チップホールドシステム」がペン先をしっかりホールド

書いている時に生じるペン先の「ガタつき」も、ボールペンを使ううえで、できるだけないほうがいいものです。

フリクションボールノックゾーンでは、ノック時に三又形状に割れた先端パーツが押されてキュッと絞られ、ペン先をよりしっかりホールドするような機構になっています。

他社の先行例もあるこの機能ですが、とにかくこれを搭載したことで、書き心地はさらに向上しました。

その3:ノック音を静音化「ノイズカットノック」

従来品と比べ、ノック音が78%軽減されている。グリップ部後端にあしらわれたシルバーのリングもシックな印象
従来品と比べ、ノック音が78%軽減されている。グリップ部後端にあしらわれたシルバーのリングもシックな印象

ボールペンのノック音をいかに静音化するか、これまで各メーカーが競い合ってきました。

そして今回のフリクションボールノックゾーンでも「ノイズカットノック」という形で静音化機能を盛り込んでいます。

公式サイトによると同社の従来品に比べて、ノック時の音が78%カットされているそう。

これで、周りに気を遣いながらノックするストレスも軽減されました。

3つの特徴が書き手を「ゾーン」へ誘う

これら3つの特徴が合わさり、これまでの「インクが薄い」「ペン先がガタつく」「ノック音が気になる」といったストレスを解消。

さらに、書いても簡単に消せるというフリクション本来の特徴によって、書き損じの心配もなく、書くことに集中できます

書くという行為につきまとうストレス要因を様々な角度から排除し、書き手がより没頭できるように、つまり「ゾーン」に入れるようにつくられたペン、それがこのフリクションボールノックゾーンなのです。

大人の手にふさわしい高級感

書き心地以外にも、これまでのフリクションと異なる点がいくつもあります。今回取り上げたモデル「LFBKZ-50EF-BBE」(ブレークタイムベージュ)をはじめ、カラーラインナップはどれもシックなくすみ色

また、クリップ部は第一世代の製品のような透明な樹脂とは異なりシルバーとなりました。それと響き合うかのように、グリップ部よりやや後ろにシルバーのリングがあしらわれ、高級感を醸し出しています

さらに、今回登場したフリクションボールノックゾーンはこれ以外にも2200円(税込)、3300円(税込)の上位価格ラインがあり、それぞれさらにハイグレードな存在感が演出されています。

いずれも、ビジネスパーソンが手にするのにふさわしい、落ち着きと品格のあるデザイン

ぜひ手に取って、この1本と共に仕事の「ゾーン」へと没入してみてはいかがでしょうか。

Source: Pilot