Microsoftは、Internet Explorer(IE)を終了させる方針を明らかにし、2022年6月15日限りでWindows 10でのサポートを終了することとしました。
2023年2月には、完全に無効になる予定です。
クロスプラットフォームの新しいブラウザMicrosoft Edgeがすでにリリースされていることを考えると、ユーザーが、よく知られたブラウザだったIEから、他のブラウザに切り替えていたとしても驚きはありません。
とはいえ、このサポート終了の発表は、IEにとっては何を意味するのでしょう?
Internet Explorer 11サポート終了までの経緯
では、ここまでの道のりを振り返ってみましょう。
Microsoftは2021年8月に、Internet Explorer 11(IE 11)におけるMicrosoft 365アプリとサービスのサポートを終了しました。
ただし、Microsoft Teamsのウェブアプリは例外で、こちらのサポートは一足早く、2020年11月30日に終了しています。
終了後は、アプリやサービスをIE 11で開こうとしても、接続に問題が生じ、ブラウザをアップデートするようにとの通知が表示されます。
Microsoftはさらに、Internet Explorerのサポートを2022年6月で正式に終了すると発表しました。
さらには、IE 11からのOneDriveとSharePointへのアクセスにハードブロックを課しました。
これにより、接続リクエストは拒否され、ユーザーに対しては、Microsoft Edgeに切り替えを促す情報が示されます。
そして今後はというと、2023年2月14日をもって、IE 11は完全に無効化され、アクセスできなくなります。誕生から27年にわたって使われてきたこのブラウザは、完全終了を迎えるわけです。
IEサポート終了がユーザーに対して持つ意味は?
Microsoft EdgeにはInternet Explorerモードが用意されているので、これを通じて後方互換性を確保しています。IEモードは、少なくとも2029年まではサポートが確約されています。
これに加えてMicrosoftでは、IEモードをリタイアさせる際には、その1年前にはユーザーに通知するとしています。

Microsoftはすべてのユーザーに対して、2022年6月15日までにMicrosoft Edgeに移行するように促していました。OneDriveやSharePoint 2022を含め、Microsoft 365のアプリやサービスは今後、こちらのブラウザ経由で利用することになります。
IEに代わるブラウザとしてMicrosoft Edgeを選ぶべき?
ウェブブラウザにはEdge以外にも選択肢がありますが、MicrosoftはIEユーザーに対して、今後も同社のアプリやサービスを使い続けたい人にとってはEdgeがベストなブラウザだとして、切り替えを促しています。Edgeは、現時点で2番目にユーザー数が多いウェブブラウザでもあります。
Microsoft Edgeに切り替える場合、明白にIEを上回る点が3つあります:
1. 互換性の改善
Edgeを使うと、新旧のウェブサイトをサポートするデュアルエンジンのメリットを実感するでしょう。IEモードでは、Internet Explorerをサポートするウェブサイトとの互換性がビルトインされています。
このような形でIEモードが統合されているブラウザは、Edgeだけです
さらにEdgeは、他のブラウザでも採用されているChromiumプロジェクトをベースに構築されています。このデュアルエンジンにより、ユーザーは、ウェブの過去と未来、両方のいいところを利用できるわけです。
2.生産性の向上
使用する必要があるアプリがIEにしか対応していないので、特定のタスクを行うためには複数のブラウザを切り替えて使わざるを得ない、という人はいませんか?
Microsoft Edgeなら、さまざまなアプリやサービスを1つのブラウザで使えるので、このような面倒がなく、無駄が省かれて生産性がアップするはずです。

また、たくさんのタブを開いていていると、コンピュータの動作が遅くなって困りますよね? そんな時に役立つのが、Microsoft Edgeのタブを「スリープ」させて、リソース(メモリ)を解放する機能です。
さらにEdgeには、タブを「垂直タブ」で整理するオプションがあるので、タブを左側に縦表示させることで、タブの視認性が向上します。「コレクション」機能を使えば、オンラインデータを手軽にまとめて整理することも可能です。
3. ブラウザセキュリティの向上
Microsoft Edgeは、Windows 10上でのマルウェアやフィッシング攻撃に対して、最高のセキュリティを提供しています。Edgeには「パスワードモニター」機能もあり、ダークウェブをくまなく調べて、ユーザーデータが漏洩している兆しを探してくれます。
このような機能から、セキュリティに関してはGoogle Chromeより上だとの定評があります。
Edgeは、セキュリティに関する問題への対応も速く、緊急度の高い脆弱性については数日、あるいは数時間以内にパッチを提供します。これも、毎月1回ベースでしかセキュリティパッチをリリースしていなかったIE 11と異なる点です。
ダウンロード:Microsoft Edge Mac版|Windows版(無料)
Microsoft謹製ブラウザの今後は?
Microsoftが開発した最初のブラウザであるInternet Explorerは今後、完全に無効化され終わりを迎えます。
そして、最後に1つ注意を。IE 11からMicrosoft Edgeに、あるいはそれ以外のウェブブラウザに切り替える場合は、事前にユーザーデータをエクスポートしておくのを忘れないようにしてください。
Source: Microsoft
Original Article: What Does the End of Internet Explorer 11 Mean for Users? by MakeUseOf