ECの商品に延長保証が付けられる画期的なサービス「proteger(プロテジャー)」

──御社のサービス「proteger(プロテジャー)」について教えてください。

ECサイトで販売される商品に対し、保証期間が終わったあとも延長保証を付けられるサービスです。

延長保証とは、あらかじめ保証料を払っておけば、保証期間が終わったあとにも無償で交換・修理サービスが受けられるというもの。Apple が提供している、Apple care のようなサービス…と言えばイメージがつきやすいでしょうか。

延長保証サービスはAppleのような例のほかは、大手家電量販店でしか提供されていません。それを、どんな企業でも延長保証を提供できるようにしたのが、弊社の「proteger」です。

EC事業者の方は管理画面から保証を付けたい商品を選択するだけでOK。エンドユーザーは、購入するときに延長保証のボタンをクリックすれば保証がつけられます。

製品に不具合が出たら、ユーザーは「proteger」から送られてきたリンクを辿るだけで、商品の交換・修理の依頼ができる仕組みです。

──ECサイトを対象とした保証会社が今までなかったということですね?

延長保証を請け負う会社はありますが、対象の製品が限られています。

弊社の「proteger」は、家電、家具、時計、アウトドア用品、ジュエリー、楽器、オーディオ製品、電動工具、自転車用品、カー用品、スポーツ用品、眼鏡・サングラスなどを網羅。対象製品は、順次、増えていくと思います。

ちなみに、2022年12月時点で、提供保証数は5万件を超えました

失敗しても、最終的に「失敗じゃない」ところへ辿り着けばいい

──「proteger」を推進していく過程で、一番大変だったことは何ですか?

以前も今も、おそらくこれからもそうでしょうが、一緒にビジネスをやってくださる協力事業者を見つける苦労はあります。

また、弊社のビジネスはシンプルなように見えて、裏側はさまざまな事業者との連携が必要。提携事業者さんが増えれば増えるほど、対応が複雑になっていく大変さもあります。

でも、一番大変だったのは信頼を得ること

あなたの会社が潰れたらどうするの?」と。98%の営業先から言われました。

──では、どのように「信頼」を培ったのですか?

EC事業者さんからの「信頼」については、提携の保険会社が決まったこと、が大きかった。

名もなきベンチャーと手を組んでくれる保険会社を見つけるのも、口説くのも、本当に大変でした。知り合いがいるわけではないので、こちらも代表窓口からの飛び込み営業(笑)。

運がいいことに糸口があったのですが、協業の契約を結ぶまではそう簡単にいきませんでした。

それで起死回生のアイディアというか…「もし弊社のことが日経新聞に掲載されたら、契約を結んでください」とお願いをしました。

──これまた、力技ですね。

そうですね(笑)。

それからは「なにがなんでも日経新聞に載るぞ」と、がむしゃらに走りました。

その甲斐あって、念願の日経新聞に、それもスタートアップの面ではなく「金融面」で掲載してもらえたんです

それを機にとんとん拍子に話が進んで、2022年5月、損保ジャパンがパートナーになってくれました。

──お話を伺うとたくさん苦労もあったと思いますが、野尻さんは苦しいときや悔しいときはどう乗り越えていますか?

どんなときも、目的を絶対に忘れないことです。

それから、駄目なら次の手を探す。切り替えを早くするように心がけています。考えていても、解決できないこともあるので。

正直、仕事をしていると腹が立つことや悔しいことも多い。でも、そう感じることが普通だと思います。

たくさん失敗もしました。でも、最初から失敗するものだと思ってやっています。どんなに成功した創業者の方も、一度や二度、資金調達などで失敗していると思うんです。

点で捉えるとそれは失敗になりますが、最終的に「失敗じゃない」ところへ辿り着ければいい。だから、何においても重要なのは、諦めないことなのかなと思っています。

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やりたいことは増え続ける。「何をやらないか」が大切
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