道なき道を拓き、未だ見ぬ新しい価値を世に送り出す人「起業家」。未来に向かって挑むその原動力は? 仕事における哲学は…? 時代をリードする起業家へのインタビュー『仕事論。』シリーズ。

今回は、株式会社BLUEPRINT Founders創業者の安田光希さんと代表取締役CEOの竹内将高さんにインタビュー。Vertical SaaS(バーティカルサーズ)に特化したスタートアップを次々に立ち上げ、業界を革新しているBLUEPRINTの強みや、今後の展望についてお話を聞きました。

業界全体をDXするには、“特化型”のプロダクトが必要

──BLUEPRINTを創業した経緯を教えてください。

安田光希さん(以下、安田):今から5年前に、BLUEPRINT創業者の石井、鶴岡、私の3人で株式会社STANDARDを立ち上げました。

STANDARDの前身は、東大・早大・慶応大らの学生を中心にしたAIサークル。

当時、「どこを見ても、AIの人材が足りないぞ」という状況だったので、ボランティアで後輩向けにAIに関する教材をつくっていたんです。すると「教材を社内研修に使いたい」と、ソフトバンクさんからご依頼があり…

「起業しよう!」という感じではなく、仕事をいただいたから会社を起こしたという流れでした。

それが、大学3年の時です。

株式会社BLUEPRINT Founders/創業者・安田光希さん
株式会社BLUEPRINT Founders/創業者・安田光希さん

──STANDARDの事業についてお聞かせください。

安田:最初はAIエンジニアの人材育成のような事業からスタートしました。

一方で、エンジニアをたくさん育てても、DXプロジェクトが前に進まないという意見が出まして…。その後、現場を支援するコンサルティングを、“全産業”でさせていただくようになりました。

自動車をはじめとする製造業、金融系の会社や通信産業、製薬系の会社など、STANDARDのお客様は現在では650社ほどになりました。

本当に幅広い企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に携わっています。

──DXを求めている企業は多いのではないでしょうか。

安田:そう思います。

でも、それぞれの業界特有の課題が見えてきたり、各企業の社内だけでは完結できなかったり。取引先や提携先まで全てで連携しないと、業界全体のDXが進まないこともあると気づかされました。

そこで、BLUEPRINTをホールディングスという形にし、その傘下に各業界に特化したプラットフォームをつくる別会社を置く構造にしました。

竹内将高さん(以下、竹内):直近で立ち上げたのは、製造業に特化した会社。もう一つは建材業界に特化した会社です。

例えば、家を建てるときのインテリア、エクステリアのメーカーさんの紙カタログ。なんと『少年ジャンプ』の二倍ぐらいの分厚さがあります。(笑)

これを各メーカーが10万部ぐらい刷っているのを目の当たりにし、この領域をDXするべく奔走しています

安田:建材メーカーさんのカタログは、取引先をはじめとしたステークホルダー含め業界全体を巻き込まないとDXできない典型例ですよね。

一社だけがカタログをデジタル化しても、ほかの企業が紙カタログを刷り続ければ、ステークホルダーとの連携ができず、その一社だけが逆に不利益を被ってしまうことも考えられます。

竹内:環境に配慮して紙カタログを減らそうと考えても、その結果売り上げが下がるかもしれない。そんな懸念があると、企業はDX化に踏み切れなくなる。そういったジレンマがあるときに、私たちがヒアリングをさせていただき、業界全体を一気に動かすようなプラットフォームをつくるわけです。

株式会社BLUEPRINT Founders/代表取締役CEO・竹内将高さん
株式会社BLUEPRINT Founders/代表取締役CEO・竹内将高さん

──となると、それぞれの業界のエキスパートになる必要がある?

竹内:あります。特有の課題を抱える業界においては、業界構造や現場課題を深く理解しないとDXは実現しません

安田:今後は、業界の課題に直結したソリューションが求められます。

日本全体をDXしていくならば、ひとつひとつの業界により深く精通している会社が必要なのではないか。そう考えています。

次のページ>>
インスピレーション源はアメリカの「モデルナ社」
123