高いパフォーマンスで成果を出す経営者やビジネスリーダーに共通することは、「仕事を面白がる」力の高さ。

この「仕事は冒険だ。──時代を生き抜くキャリアの描き方」特集では、そのような人たちへのインタビューを通して「厳しい時代を楽しく生き抜くキャリアのつくり方」や「冒険のようにワクワクしながら仕事に取り組む方法」をご紹介します。

第3回は、bondavi株式会社の戸田大介さんです。

「継続する技術」「集中」など、シンプルでユニーク、かつ実用性の高いアプリを手がける戸田さん。開発したアプリの累計ダウンロード数は、すで430万回を超えています。

好きな仕事で独立するために必要な考え方や、仕事を好きであり続けるために必要なことなどをお聞きしました。今回は前編です。

▼後編はこちら

「1日4時間しか働かない」良い仕事はリズムから生まれる【bondavi 戸田大介インタビュー後編】 | ライフハッカー・ジャパン

「1日4時間しか働かない」良い仕事はリズムから生まれる【bondavi 戸田大介インタビュー後編】 | ライフハッカー・ジャパン

広告は一切なし、寄付だけでアプリ事業の成立をめざす

──以前、ライフハッカーではbondaviのアプリ「集中」を紹介しましたが、無料なのに広告排除というビジネスモデルだったので驚きました。

はい、僕たちのアプリには広告は一切、入ってません。

単純に、広告がないほうがユーザーにとっては見やすくて使いやすいですよね。だから入れてないというだけです。

──では一体、どこから収益を得ているのでしょうか?

それは「いらない機能」からです。

ユーザーからの寄付だけで事業を回していくことをめざしているので、そのためにアプリに「無駄機能」というものを用意しました。

たとえば、「アプリ内に表示されるコメントが中二病風になる」といった、あってもなくてもいい機能だけが課金制になっていて、応援したいという方に購入してもらっています。

サイトからも直接寄付ができるようになっていて、これらだけで黒字化することが目標です。

当初はこのビジョンを人に話すとバカにされたのですが、最近は黒字化目標の60%以上を寄付でまかなえるようになりました

──目標額の60%以上が寄付で賄われているというのは、それだけユーザーが支持されているということでもありますね。改めて、戸田さんが経営している会社、そしてその業務についてお聞かせください。

はい、いまさらかもしれませんが、アプリ開発を手がけるベンチャー企業、bondavi株式会社を経営しています。

肩書きとしては社長ですが、経営者というよりは、自分の手を動かしてプログラミングをしていることが多いですね。

僕自身、アプリをつくることが好きなので。

──アプリ開発をやろうと思ったきっかけを教えてください。

アプリ開発に出会ったのは大学時代ですね。

留学先のカナダで知り合った、ITを勉強している人が教えてくれたのがきっかけです。

その人が「アプリ開発はどこでもできる。俺がカナダでつくったアプリを、君が日本でダウンロードすることもできるし、俺が深夜に働いた成果を、君はいつでも享受することができるんだぜ!」と語ってくれました。

それを聞いて「自由でいいなぁ! 僕もやろう」と思ってはじめたのが最初です。

実際に開発してみると、自分がつくりたいものをつくって、世の中に発信して、反応をもらえるという自由さが楽しくて。

最初は「女の子がひたすらほめてくれる」などの、くだらないアプリばかりつくっていました(笑)。

広告代理店に就職したあとも趣味でアプリ開発は続けていたのですが、今度はだんだん人の役に立つものがつくりたいという思いが強くなってきまして。

そして、3日坊主を克服するために「継続する技術」というアプリをリリースしたことが転機になりました。

このアプリが、とにかく反響が良くて!

ユーザーから「毎日が楽しくなりました!」といったコメントが本当にたくさん届き、ユーザー数も目に見えて増えていったことで、「人の役に立てるのって、いいものだなぁ」と(笑)。

それで、もっとアプリ開発がしたい! という熱意が抑えきれなくなりまして、独立を決意したのです。

当時は、ユーザー数が伸びているとはいえ、アプリだけで食べていける見込みがまったく立っていない状況だったのですが、勢いで会社を辞めて独立することを決めてしまったという感じですね。

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「明確化したら、独立の不安は消えました」
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