「リセット」といいう言葉に、どんな印象を抱くでしょうか。何かをあきらめてやり直す、出直すといったイメージを持つ人も多いかもしれません。

そこへ、「リセットとは戻すのではなく、新たに始めること」という前向きな言葉をくれるのが、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さん

自律神経の名医である小林さんが考える「リセット」とは、どんなものなのか、リセットの8つの法則を紐解いていきます。

人の体は「流れを変えるのが苦手」

今、私たちが意識すべきは「戻す」ではなく「新たに始める」。

「なんとなく変える」ではなく「思い切ってリセットする」です。

『リセットの習慣』10ページ)

小林さんが著書『リセットの習慣』(日本経済新聞出版社)ですすめるのは、心と体をよい状態に保つための「リセット」という意識。

人の体は「流れに乗る」のは得意ですが、「流れを変える」のが苦手なのだとか。たしかに、なんとなく体に力が入らない、眠れない、目覚めがよくないと感じているのに、つい流されて改善策を講じてこなかったという人は多いはず。

しかしリセットを意識することで、心身は健康を取り戻し、ひいては人生をリセットすることができるのだそうです。

「リセット」は今から「ワクワクする人生」を開始する合言葉、と小林さん。その方法を本書で語られた8つの章からご紹介しましょう。

第1章:アフターコロナの処方箋

ここ数年、目に見えないものの脅威に脅かされてきた私たち。「知らず知らずのうちに起こっている変化」によっても、私たちの自律神経は乱れてしまうのだそうです。

そのために始めたいのが、「新しい朝の習慣」を1つプラスすること。1時間早起きしてコーヒーを丁寧に淹れるというものでOK。もしくは、意識的に深呼吸するというのでもいいそうです。

1日のコンディションを決めるのは、その日の朝。朝の時間を大切に過ごしてみましょう。

第2章:減らす、片づける、軽くなる

物理的にも精神的にも、不要なものを捨てると確実に気持ちはスッキリするもの。

「心と体のコンディションを整えるコツは余計なものがないこと心地いいものに囲まれていること」と小林さん。

わかってる。わかってはいるんです。でも「減らす、片づける、軽くなる」ができなかった…。そんな人も、これから新年に向けて、1日1つずつでも、物理的・精神的に不要なものを捨てていきましょう。

第3章:決める、軸を持つ、ブレをなくす

この章で語られていることは、軸を持つことの大切さ。軸が定まっていれば、自分の判断や行動に納得でき、結果がそぐわなかったとしても、自律神経はあまり乱れず、リセットが進めやすくなるそうです。

あくまでも、持っていたいのは「自律神経を整えるための軸」。誰と比べるのではなく、自分なりに「決めている」ということが大切です。

第4章:「自分との向き合い方」をリセットする

「落ち込んでいるとき、自分とどう向き合おうかを考えている人は意外と少ない」と小林さん。

気持ちのままに落ち込んでいる状態は「悪い流れに乗り続けている」状態。自分が落ち込んでいるときには「こう向き合って、こうすればいい」といった決まりごとをつくっておくことが大切だそうです。

第5章:「仕事との向き合い方」をリセットする

1章でも紹介しましたが、1日のコンディションを決定づけるのは「朝」。そこで、「朝、家で20分でできる仕事を1つだけする」を習慣にしてみるのはどうでしょう。

流れが乗ってしまえば順調に進む仕事も、その1歩目が踏み出せなくてただ時間を過ごしてしまうこともあります。

朝の20分で1日の仕事のリズムをつくる。さっそく試してみてください。

第6章:「人との向き合い方」をリセットする

小林さんが患者さんと向き合うなかで感じるのは「ストレスの9割は人間関係」だということ。そこで「ぜひ、いい意味で人とのつきあい方をリセットしてほしい」と小林さん。

イヤな相手とは関わりを減らし、好きな相手と自分を大切に。

第7章:ストレスが消える「日々のリセット術」

小林さんがすすめるのは、生活のなかで「自律神経を意識する瞬間」を増やすこと

自律神経は自分の意思で動かすことはできませんし、目に見えず、不調の感じ方に個人差もあります。

そこで習慣にしたいのが、「よく眠れているか」「食欲はあるか」「お腹の調子はどうか」の3つで自分の調子をチェックする習慣を身につけること。そうすることで、リセットのきっかけがつくりやすくなるそうです。

第8章:疲れが消える「体のリセット術」

腸内環境の大切さが語られるようになって久しいですが、ストレスや免疫力低下に打ち勝つためにも整えておきたいのが腸のコンディション

善玉菌の餌となる食物繊維が多く含まれる「発酵食品、野菜、きのこ」を意識的に取り入れましょう。

いかがですか? 8つは多いな…と感じる人は、まず1つからでもOKですし、「1週間のうち、1日をリセットデーと決めてやってみる」というのも小林さんがすすめる習慣。

逆に「足りない」という人は、本書で紹介されている99ものリセット法に挑戦するのもいいでしょう。

心身の不調を感じないまでも、「集中力を向上させたい」「毎日を気持ちよく送りたい」という人にも役立つ健康習慣。ぜひ参考にしてみてください。

Source: 日本経済新聞出版