もう一度、チャレンジ つまらなくなってきた毎日を楽しくリニューアルする方法』(本田晃一 著、祥伝社)の著者は本書の冒頭で、「自分には信用してもらいやすい、誰にでもわかるような肩書きはない」と明かしています。

ビジネス書や自己啓発本を書く人には、社会的信用に足る肩書きや地位を持っている人が多いけれども、自分にはそれがないのだと。

ただし一般的にいわれるような“立派な道”を歩んできてはいないぶん、落ちこぼれ感を抱いた経験を持つ人の気持ちはよくわかるのだそう。事実、たどってきたプロセスはなかなかユニークです。

短大の夜間学部を除籍になり、以後はバイト生活へ。やがてバックパッカーになって自転車でオーストラリア大陸横断に挑戦し、その過程でインターネットに出会うことに。

転機となったのは、そこで得たノウハウを活用したことだったようです。億単位の借金を抱える家業のゴルフ会員権売買業にネットセールスを取り入れ、対面販売からネット販売にシフトさせた結果、会社を立てなおすことに成功したというのです。

かくして以後は、ネットマーケティングのコンサルとして認知されるようになったのだとか。

まさにチャレンジ、そしてトライ・アンド・エラーの繰り返しといった印象。つまり本書では、そうした体験から得た「チャレンジ」へのステップをまとめているわけです。

成功という結果はもちろん素晴らしいし、大いに目指していいのですが、むしろチャレンジという過程の中にいるときこそが、俯瞰で見たら一番充実した状態でいられるのではないかとも、最近は思うのです。

ですから、この本では「どうしたら、いつからでもチャレンジができる自分になれるのか」に焦点を当てていきたいと思います。

(「Prologue 人生つまらなくなったら、なぜチャレンジするといいのか?」より)

そんな本書のChapter 2「『チャレンジ』の初期設定を変えよう」に焦点を当ててみましょう。

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最初にすることは、結果よりも感情の設定

人は誰しも、「なにかを手に入れたい」と思いながら日々の生活を送っているもの。それは「いい暮らしがしたい」とか、「老後のために充分なお金がほしい」というようなことかもしれません。

あるいは、「人生の分岐点で無難な道を選んだことへの後悔を払拭したい」「もう一旗揚げて、成功したい」と考えている場合もあるでしょう。

もちろん、それらが悪いわけではないでしょう。しかし、著者には気になる点がひとつあるのだといいます。それは、「なにを手に入れたい?」と聞かれた人の多くが、なにか物理的な成功や経済面だけに焦点を当てているということ。

物理的な成功は、その人の才覚のみならず、時の運も影響するもの。チャレンジしたからといって、必ず成功するという保証はどこにもないわけです。したがって、最初から“物理的に豊かな状態”を目標として据えてしまうと、ハードルも上がることになり、チャレンジそのものがストレスになってしまうことが多いというのです。

そこで、僕は「チャレンジで何を手に入れたいのか?」についての初期設定を、最初のうちは「金銭面や目に見える成果といった物理的なものにしないこと」を提案したいと思います。

もう少し具体的に言うと、手に入れたい物理的な結果よりも、「それによってなりたい感情やメンタルの状態を意識してみる」のです。(70ページより)

そもそもお金がほしいのだとしたら、そんな思いの根底には「幸福感を味わいたい」「喜びを感じたい」などの感情が存在しているはず。つまりはそれも、チャレンジする目的の初期設定を感情面に置いているということになるわけです。(68ページより)

楽しい感情にフォーカスすれば、すべては自分次第

感情面にフォーカスし、チャレンジする目的を物理的なものから精神的なものに置き換えてしまうことには、チャレンジそのものの難易度を下げてくれる効果があるのだそうです。

たとえば、仮に書道家になりたいと思ったと仮定してみましょう。その際、チャレンジのゴールが「駅や空港に作品が置かれたり、大河ドラマの大事に採用されたりすること」だとしたら、鉄道会社や広告代理店の人たちなどの外部要因に左右されることになってしまう可能性があります。

だとすれば、そこにはリスクが生じることになります。奮起してがんばってみたものの結果が出なかったとしたら、「自分なんかダメだ」と落ち込んだり、「見る目がないやつばかりだ」と世間を恨んだりして、チャレンジを投げ出してしまうことになるかもしれないからです。

しかし、チャレンジの初期段階で「どんな心持ちになりたいのか」を見つめ、「書道を心から楽しんで、心の底から笑いたい」というようなところにフォーカスしていたらどうでしょう? それならコントロールできない外部要因に左右されることなく、そのチャレンジを肯定できるようになるのではないでしょうか。

実際、僕の友人で書道家の武田双雲さんは、いろいろな公共スペースでその作品が展示されたり、大河ドラマや映画の題字も担当したりしたことがありますが、「空港に飾られなきゃ!」「書道家としての地位を確立したい」なんて1ミリも考えていません。

(中略)僕が、双雲さんがかつて開いていた教室の生徒として、書道を習っていたときなんかも、「あ、ミスした!」と思ったら、「そのかすれ方、いいね〜」と喜んでくれるので、僕もOKをもらえた気持ちになって書道を楽しく続けちゃう。(72〜73ページより)

つまり、社会的な成功や成果を目標にするのではなく、なんにせよ自分自身の喜びにフォーカスしてしまえばいいということ。そうすれば究極的な意味において、「チャレンジに失敗」という概念自体が存在しなくなるというのです。(71ページより)

誰かの話を見聞きするだけでその場に止まり続けるのか、それともフットワーク軽くわずかでもチャレンジしてみるのか。人生の充実度は、そこで変わるものだと著者は主張しています。人生をより豊かなものにするために、そんな著者の考え方を参考にしてみるのもいいかもしれません。

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Source: 祥伝社