「いろいろな人と会ってつながりを増やさなければ」と、人脈づくりに腐心している方も少なくはないかもしれません。しかし『君は誰と生きるか』(永松茂久 著、フォレスト出版)の著者は、「人脈は、狭ければ狭いほどいい」と断言しています。

ただし、これには条件がある。

ただ狭ければいいというものではない。

つながっている人との深さは、できる限り深いほうがいい。

残念ながら、広く、浅くはほとんどの人にとって難しい。

なぜか?

それは、人は誰も「1日は24時間」という、生まれたときから与えられた共通ルールの中で生きているからだ。

(「まえがきーー『人とのつながりが少ない』と、無題に焦ってはいないか?」より)

多くの人と会い、その人たちのために平等に時間を使ったとしたら、ひとりの相手と向き合う時間は必然的に減少します。

逆に相手との関係性が濃くなったり、一緒にいる時間が大きくなれば、それは相手に対しての愛着につながるはず。したがって、「どれだけその人と深くつながれるかは、どれだけその人とともに、質が高く意味のある時間を過ごすことができたかによって決まる」というのです。

しかし、相手が深くつながれたと確信するより前にその場を去り、他の人のために時間を使い過ぎてしまったとすると、当然ながらその愛着は薄れてしまいます。

それでは深いつながりなど生まれないので、結果的にその人たちが「いざとなったとき駆けつけてくれる人」にはなってくれる確率は低くなります。

だからこそ、本当の意味での「つながり」を大切にすべき。そう主張する著者は17年前、ひとりの実業家と出会ったことによって価値観を転換させたのだといいます。いまではその人のことを“師匠”と読んでいるそう。

出会い癖は身を滅ぼす?

「初めて会ったとき、君は人と出会うことが何よりも好きだって言ってたよね。行動力とフットワークの軽さが特技だって。今もそうやっていろんな人のところに会いに行ってるの?」(19ページより)

こう問われた著者は自信を持って、「はい。行ってます。多くの人から『人生は出会いで変わる』と教えられてきたので」と答えたといいます。ところが返ってきたのは「お金と時間がもったいないな」という答えだったのだとか。

考え方が間違っているわけではないと前置きはついていたものの、ことばは次のように続いたというのです。

「若いのにそんなに人に出会ってでも成功したいという思いはたいしたもんだ。でも、多くの人がその出会いを求めすぎたあげくに今やるべきことが疎かになる。結果的に本当に大切な人を見失って、身を滅ぼすんだよ」(22ページより)

多くの人と出会いたいと思うのは、「いいチャンスと巡り会えるかもしれない」という思いがあるから。いいかえればそれは、「自分にとってのメリットがほしいから、その人たちに会いに行っている」ということでもあるはず。

もちろん誰でも多かれ少なかれ、多少のメリットは求めるもの。しかしそれは、こちらが出会いたいと思っている相手もまた、なんらかのメリットを求めているということでもあるはず。そのため、「そういう人たちに対してどんなメリットを与えることができるのか?」と考える必要があるわけです。

「私には、今の君がやっている方法が遠回りをしているように思えて仕方ないんだよ。確かにね、君のいうとおり、どんな人と出会い、どんな人と歩くのかで、人生は大きく変わるよ。

その相手次第で行き先がハワイになったり、南極になったり、もしくは牢獄だったりすることもある。逆に誰も行ったことのないパラダイスにたどり着くことだってある。それくらい、ともに歩く人って大切な存在なんだよ」(25ぺージより)

著者にとって、このことばは大きな意味を持つものになったようです。(19ページより)

チャンスは外にあるのか

26歳で商売を始めたとき、たしかに著者は「人脈は広ければ広いほどいい」という考えを信じて疑わなかったのだそうです。だから、人から誘われるイベントやパーティー、交流会などに“とにかく足を運んでいた”そう。なけなしのお金を必死に搾り出し、「すごい人がいる」と聞けばどこへでも会いに行ったというのです。

当時の著者の根底には「誰かと出会えば人生が開けるチャンスをもらえる」という下心があったわけです。「相手に対して自分はなにをできるのか?」ではなく、「出会った相手からなにをもらえるのか?」しか考えていなかったということ。

相手のメリットを考えることなどできなかったわけであり、そのころ頭のなかにあったのは、「外へ、外へ。チャンスは外にしかない」という思いだったそう。そんなとき、“師匠”に出会うことになったというのです。

「君はいろんな人に会いに行って、いったい何がしたいんだい?」

「え? いや、いろんなことを教えてもらったり、チャンスが広がるかなと思ってます」

「あのね、それは確かにすばらしいことかもしれない。でもね、君が会いたいと思う成功者たちは、君が『ただの出会い好き』なのか、「『本当に仕事に打ち込んでいる人』なのかはすぐにわかるよ」(30ページより)

「そもそも、人にチャンスをもらおうってやっきになっている若者より、自分の持ち場で一生懸命人に喜んでもらってる若者のほうが、ずっと魅力的だよ。自分から会いに行くんじゃなくて、わざわざ人が会いにきてくれる生き方のほうがカッコ良くないかい?」(31ページより)

淡々と語られるこうした話に衝撃を受け、そこから著者の人生の方向性も変わっていったようです。たしかにこれは、どちらに進むべきかと迷う人たちにとって、大きなヒントになるかもしれません。(28ページより)

誰と生きるか。

その答えは、あなたの中にある。

いや、あなた自身の中にしかないといっていい。

1日、いや、1秒でも早く、あなたがその大切な存在にきがつきますように。(あとがきーー書くまでに17年かかった本)より)

本書のラストに、著者はこう記しています。誰と生きるべきかを見極めるために、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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Source: フォレスト出版